100日間のシンプルライフの映画専門家レビュー一覧
100日間のシンプルライフ
フィンランドのドキュメンタリー「365日のシンプルライフ」を基に、ドイツの才人フロリアン・ダーヴィト・フィッツが大胆にアレンジしたコメディ。全ての家財道具を倉庫に預け、所持金ゼロ状態から1日1つずつ必要なモノを取り戻してゆく2人の男の勝負を描く。フロリアン・ダーヴィト・フィッツが監督・脚本・主演を務め、その対戦相手役で「レッド・バロン」のマティアス・シュヴァイクホファーが出演。
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映画評論家
小野寺系
文字通り裸一貫からスタートして、本当に必要な100個の物を手に入れていくという設定は面白いが、TVショーの企画というわけでもないのに、主人公たちがそんな大がかりで複雑なルールの勝負をする必要性がなさすぎるのでは……。フィンランドのドキュメンタリーを基にしているが、IT界の超大物に見込まれたり、買い物依存の女性と知り合ったりなど、極端な展開がさらに二重、三重に積み上げられていくことで、内容がほとんど夢物語のようになってしまっているのがつらかった。
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映画評論家
きさらぎ尚
フィンランドのドキュメンタリーからいただいたアイディアはよかったが、この劇映画ではいくつかのエピソードがゆるく絡まってしまった。主人公二人の友情、スマホのアプリの話、ラブストーリー、祖父母や親世代の話。各々で一本の映画になりそうな題材が並行する様相で進行して、主題がぼやけた感が。モノは喜びを満たすのか、それともゴミになるのかを問いかけ、自分たちで考える時がきていると訴えているのは理解するも、その主題がはっきり見えない。整理整頓が欲しい悲喜劇だ。
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映画監督、脚本家
城定秀夫
「すべての持ち物を奪われたところから一日一つずつモノを取り戻してゆく生活に耐えられるか?」という賭けの内容は面白く、彼らが何をいかなる理由で選択してゆくかという興味で観はじめたのだが、二人ともズルばっかりするし、そもそものルールに厳密性が与えられていないため早々に主軸がガタつき散らかった映画になっており、このシンプルからは程遠い無駄の多い作りは何かの皮肉かと疑ってしまうも、喜劇演出の質は高く、テーマのど真ん中から少し外れた着地も妙にあとをひく。
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