ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画の映画専門家レビュー一覧

ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画

インドの火星探査プロジェクトの実話を基に「パッドマン 5億人の女性を救った男」の製作チームが映画化。2010年、ロケットの打上げが失敗に終わり、プロジェクト責任者のタラとラケーシュは実現不可能と言われていた火星プロジェクトに異動させられる。「パッドマン 5億人の女性を救った男」の監督R・バールキが脚本を担当し、助監督のジャガン・シャクティが監督を務めた。出演は、「パッドマン 5億人の女性を救った男」のアクシャイ・クマール、「女神は二度微笑む」のヴィディヤ・バラン、「ダバング 大胆不敵」のソーナークシー・シンハー、「きっと、うまくいく」のシャルマン・ジョーシー。
  • 映画評論家

    小野寺系

    女性科学者たちの多いプロジェクトチームが、独自のアイディアでロケットを打ち上げ火星探査機を飛ばすという、インド版「ドリーム」(16)のよう。打ち上げたロケットが地球を何日もかけて何周もスイングするダイナミックなシーンには心躍るものがあるが、そこに投じられた頑張りが、“国家のため”という価値観へと集約される描写があるのでは本末転倒ではないのか。インドの進歩的な姿をアピールするメッセージを発するようでありながら、同時に保守的な印象をも与えられる。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    宇宙ものといっても「アポロ13」の極限の緊張感、あるいは「ドリーム」の女性研究員たちのような闘いを繰り広げる必要はあるまい。なにしろ前作で生理用品の普及に奔走したA・クマール演じるチーム・リーダーの元に集結した女性たちは科学者というよりは、揃ってサリー姿も美しく“ごっこ遊び”の様相。メンバー紹介や科学者になった動機の披露、もちろんインド映画に特有の踊りもある。火星探査機の打ち上げに挑む研究開発のリアルな描写はほとんど見られないが、緩さが楽しい。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    実話ベースとはいえオモシロが過ぎるディテールは「そんなん絶対ウソやん!」の連続なのだが、科学的説明の簡素化が功を奏してロケット制作における苦難の具体は同ジャンルのリアリティ重視の映画よりも理解しやすく、「七人の侍」的構成でキャラ立ちもビンビン、インド映画にしては控えめな歌や踊りも箸休めには丁度よく、予算不足のなか創意工夫を積み重ね「ハリウッド宇宙映画の製作費より安い予算で」無人探索機を火星に送り込んだ彼らの雄姿に低予算映画監督として涙を流した。

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