ハロウィン THE ENDの映画専門家レビュー一覧

ハロウィン THE END

ジョン・カーペンター監督が1978年に生み出したショッキング・ホラー「ハロウィン」。その40年後を描いた続編「ハロウィン」(18)、「ハロウィン KILLS」(21)に続く、人気シリーズの最終章。ハロウィンの夜、殺人鬼ブギーマンことマイケル・マイヤーズの狂気が、再びローリーとハドンフィールドを襲う。監督・脚本・製作総指揮を務めるのは前作に引き続き、デヴィッド・ゴードン・グリーン。キャラクター原案・製作総指揮・音楽はジョン・カーペンター。製作は「透明人間」「ゲット・アウト」などの“恐怖の工場”、ブラムハウス・プロダクション。78年から主人公ローリー・ストロードを演じるジェイミー・リー・カーティスをはじめ、アンディ・マティチャック、カイル・リチャーズ、ウィル・パットンら、お馴染みの俳優が出演。
  • 映画評論家

    上島春彦

    最終解決篇なので観客を飽きさせることはない。この機会にシリーズ全部見ようね、という魂胆です。ラストで矢つぎ早に出現する過去作品の映像は楽しいものの、星が伸びないのは怖さのポイントがばらばらなせいだ。モンスターよりも人間のほうが邪悪、という話なのだが、モンスターと化す若者に同情しちゃうしかない展開はどうなんでしょう。それとジェイミー・リー・カーティスが偉くなり過ぎた。自伝なんて執筆してないで、孫娘の恋の行方をもっと心配するほうが人として正しいぞ。

  • 映画執筆家

    児玉美月

    他シリーズ作品は未見。おそらくは終盤のほうがよりファンへの目配せがあるのだろうが、プロローグの演出が冴え渡っていて一気に引き込まれた。ジェイミー・リー・カーティスの体を張ったアクションシーンももちろん見応えがあり、真新しい単体のホラー映画としては十分楽しい。ただ、登場人物たちの行動原理がいまいち不可解な描写が多々あり、決着の付け方がこれでいいのかどうかも意見が割れそうなところで、シリーズ最終作(?)の終わり方は難しいものだと改めて感じさせる。

  • 映画監督

    宮崎大祐

    前作が過酷な出来であったためにあまり期待していなかったものの、タイトルまでのシャープなカッティングと階段を上下に使った演出を見ていたら一気に引きこまれた。そこからは、カーペンター版のハロウィンファンとしては笑うしかないようなタッグ・バトルが繰り広げられたり、論理もへったくれもない超展開が連発されるわけだが、「お話やキャラクター造形なんて知ったこっちゃねえよ」と世の脚本至上主義者たちをアクションだけでもってねじ伏せていく潔い姿勢には好感を持った。

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