柴咲コウ シバサキコウ

  • 出身地:東京都豊島区
  • 生年月日:1981/08/05

略歴 / Brief history

東京都豊島区の生まれ。本名・山村幸恵。14歳の時に池袋でスカウトされたのをきっかけに、高校入学後の16歳から芸能活動を始める。かわかみじゅんこの漫画『ゴールデン・デリシャス・アップル・シャーベット』に登場するキャラクター・柴崎紅からとった“柴咲コウ”を芸名として、1998年にTBSの番宣番組『倶楽部6』でデビュー。99年に日本リーバ(現・ユニリーバ・ジャパン)の『ポンズ・ダブルホワイト』のCMに出演して、その凛とした美貌で注目される。女優デビューは、同年の日本テレビの深夜ドラマ『出歯カメ』。さらにTBS『L×I×V×E』『コワイ童話/ラプンツェル』99に出演後、同局『悪いオンナ/地獄へのカクテル』99の女バーテンダー役でドラマ初主演も果たした。翌2000年には廣木隆一監督「東京ゴミ女」の、中村麻美演じる主人公の同僚で尻軽なウエイトレス・京子役で映画初出演。続いてトニー・レオン主演の香港映画「東京攻略」00を経て、深作欣二監督「バトル・ロワイアル」00に出演して脚光を浴びる。無人島に送り込まれたクラスメイトを平然と殺戮する不良グループのリーダー・相馬光子役を演じて、圧倒的な存在感を放った。翌01年には行定勲監督「GO」に出演。金城一紀の直木賞小説の映画化で、アイデンティティに目覚めてゆく在日韓国人三世の高校生(窪塚洋介)と恋をする美少女・桜井を好演。キネマ旬報賞をはじめ4つの助演女優賞と、毎日映画コンクール、ブルーリボン賞など7つの新人賞を獲得した。この年は大森一樹監督のコメディ「走れ!イチロー」、鶴田法男監督のホラー「案山子/KAKASHI」にも助演。02年にも田中光敏監督「化粧師」、SABU監督「DRIVE」、二階健監督「Soundtrack」と3本の出演作が公開されるなど好調が続き、03年の塩田明彦監督「黄泉がえり」では、カリスマ的な人気を誇る歌手・RUI役で出演。作品自体も興行収入32億円のヒットとなったほか、劇中の“RUI”名義でリリースした主題歌『月のしずく』も売上げ100万枚を突破し、歌手としてもブレイクする。この時期はテレビドラマでも活躍し、日本テレビ『レッツ・ゴー!永田町』01をはじめ、TBS『夢のカリフォルニア』02、フジテレビ『空から降る一億の星』『恋愛偏差値/第3章・彼女の嫌いな彼女』02にレギュラー出演。03年のTBS『GOOD LUCK!!』では男勝りの航空整備士を演じて木村拓哉と共演し、最高視聴率37%を記録するヒットとなった。また同年のフジテレビ『Dr.コトー診療所』に、沖縄の離島の診療所に派遣された医師(吉岡秀隆)の片腕となる看護師・星野彩佳役で出演。こちらも04年にスペシャル版、06年に続編が作られる人気作となる。聴覚障害を持つ女子大生を演じたTBS『オレンジデイズ』04もヒットし、お茶の間での認知度も飛躍的に高まった。映画では、04年に三池崇史監督のホラー「着信アリ」で主演。また、再び行定監督と組んだ片山恭一のベストセラー小説の映画化「世界の中心で、愛をさけぶ」04では、今は亡き初恋の人を忘れられない主人公(大沢たかお)を一途に想う映画オリジナルのヒロイン役で出演し、こちらも興収85億円の大ヒットに貢献した。山田孝之主演による同じ原作のテレビドラマ版(TBS、05年)では主題歌『かたちあるもの』を担当し、60万枚のセールスを記録。以後も女優業と並行して、自身の出演作品やその他の映画・ドラマで主題歌を多数手がけ、歌手としても安定した人気を誇っている。05年の犬童一心監督「メゾン・ド・ヒミコ」では、お金目当てでゲイのための老人ホームで働くことになる無愛想な女事務員役に、持ち前の美貌を封印したノーメイクで挑み、自分を捨てた父親(田中泯)への反発や、ホームで暮らす男性たちとの触れ合い、父の恋人(オダギリジョー)への淡い恋心などの繊細な感情をリアルに表現。山路ふみ子映画賞の最優秀女優賞を受賞した。西谷弘監督「県庁の星」06では織田裕二演じるエリート公務員の派遣先となるスーパーのパート店員、樋口真嗣監督「日本沈没」06ではハイパーレスキューの隊員、中島哲也監督「嫌われ松子の一生」06では、恋人とともに主人公・松子(中谷美紀)の波乱万丈な一生を追う女性・明日香をそれぞれ演じて印象を残す。07年は手塚治虫原作、塩田明彦監督の「どろろ」で、主人公・百鬼丸(妻夫木聡)につきまとう男装の野盗・どろろ役。水田伸生監督「舞妓Haaaan!!!」では、舞妓マニアの男(阿部サダヲ)に振られた腹いせに舞妓を目指すヒロインをコミカルに演じた。また同年のフジテレビ『ガリレオ』では新人女刑事・内海薫役で福山雅治と共演したほか、福山とのユニット“KOH+”名義の主題歌『KISSして』もヒット。翌08年公開の映画版「容疑者Xの献身」でも引き続き内海薫を演じた。本広克行監督「少林少女」08では、少林寺拳法がベースの激しいアクションをスタントなしでこなす熱演を披露。富永まい監督「食堂かたつむり」10を経て、男女の役割が逆転した世界を描く金子文紀監督の異色の時代劇「大奥」10では、男装の女将軍・徳川吉宗に扮した。11年には織田裕二主演のフジテレビ『外交官・黒田康作』にレギュラー出演するなど、同時代の女優陣のトップを走る活躍を続けている。

柴咲コウの関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 蛇の道(2024)

    制作年: 2024
    愛娘を惨殺された男が精神科医の女の手を借りて復讐に乗り出すリベンジ・サスペンス。「岸辺の旅」(15)でカンヌ国際映画祭ある視点部門の監督賞を、「スパイの妻〈劇場版〉」(20)でヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞した黒沢清が、26年前の監督作「蛇の道」(88)を日仏共同製作でセルフリメイク。オールフランスロケ、フランス語にて撮影が行われた。復讐に協力する謎の人物を前作の男性から女性に変更、その女医・小夜子を柴咲コウが鋭く妖しい眼差しと、「野獣のような身のこなし」で演じている。加えて、2019年第72回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作「レ・ミゼラブル」(19)のダミアン・ボナールが復讐に燃える男を熱演。共演はフランスの名優・映画監督のマチュー・アマルリック、「シンプルな情熱」のグレゴワール・コラン。日本からは西島秀俊、青木崇高が出演。
  • ミステリと言う勿れ

    制作年: 2023
    田村由美による人気漫画を原作とした同名TVドラマの劇場版。通称“広島編”といわれる原作を基に、広島を訪れた天然パーマの大学生・久能整が代々、遺産を巡る争いで死者さえ出るといういわく付きの名家・狩集家の遺産相続事件に巻き込まれてゆく顛末が描かれる。出演は「花束みたいな恋をした」の菅田将暉、「アイ・アム まきもと」の松下洸平、「太陽とボレロ」の町田啓太、監督は「信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)」の松山博昭。フジテレビ開局65周年記念作品。
  • 君たちはどう生きるか

    制作年: 2023
    宮崎駿監督が少年時代に母から手渡された同名小説『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)にインスパイアされ、オリジナルの物語に自身の少年時代を重ねた自伝的ファンタジー・アニメーション。舞台は宮崎監督の記憶の中に残る、かつての日本。母を戦火で失った11歳の少年・眞人(マヒト)は、父・勝一とともに東京を離れ、新たな母・夏子とともに庭園家屋で暮らし始める。眞人はそこでサギ男や屋敷に住む7人の老婆たち、漁師の女性・キリコなど魅力的なキャラクターにいざなわれ、生と死が混然となった不思議な世界へと分け入っていく。宮崎駿監督が2013年の「風立ちぬ」公開後に行った引退宣言を撤回し、2016年から7年の歳月を経て製作、ついに2023年に劇場公開された。公開前には、音楽は久石譲であること以外は、内容もキャスト・スタッフも明かされない宣伝戦略がとられた。日本公開から間をおかず世界各国で公開、2024年1月、第81回ゴールデングローブ賞の最優秀長編アニメーション映画賞受賞。さらに2024年3月、第96回アカデミー賞長編アニメ映画賞受賞。ジブリ作品のオスカー獲得は「千と千尋の神隠し」以来、21年ぶり2度目となった。
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  • Dr.コトー診療所

    制作年: 2022
    累計発行部数1200万部超えの同名漫画を原作に、2003年、2006年に放送されたテレビドラマの映画化。19年前、東京から僻地の離島に赴任してきた外科医の五島健助ことコトー。長年彼を支えてきた看護師の彩佳と結婚し、静かに暮らしていたが……。「川っぺりムコリッタ」の吉岡秀隆、「ホリック ×××HOLiC」の柴咲コウ、「グッドモーニングショー」の時任三郎、「軍艦少年」の大塚寧々らドラマ版のキャストが再集結したほか、「アキラとあきら」の高橋海人、「コンフィデンスマンJP 英雄編」の生田絵梨花が新たに出演。監督は、ドラマシリーズを手掛けた中江功。
  • 月の満ち欠け

    制作年: 2022
    第157回直木賞を受賞した、佐藤正午のベストセラー小説を大泉洋主演で映画化。妻の梢と娘の瑠璃を不慮の事故で失い悲しみに沈む小山内堅のもとに、三角という男が娘の瑠璃はかつて自分が愛した女性の生まれ変わりではないかと訪ねてきて……。監督は「母性」の廣木隆一。小山内の妻・梢を柴咲コウ、娘と同じ名を持つ“瑠璃”という女性を有村架純、小山内を訪ねる三角を目黒蓮が演じるほか、伊藤沙莉、田中圭など実力派キャストが出演。
  • 天間荘の三姉妹

    制作年: 2021
    交通事故で臨死状態になった天涯孤独な少女が、天か地か行く先を決断できるまで天空の町にある旅館「天間荘」で過ごすことになり、腹違いの二人の姉と交流を深めるなかで大切なものに気づいていく物語。のん、門脇麦、大島優子が三姉妹を演じ「この世界の片隅に」の製作スタッフが贈る、命の尊さ、家族の愛情や、人との絆の意味を問いかける感動作。高橋ツトムの代表的漫画『スカイハイ』のスピンオフ作品『天間荘の三姉妹-スカイハイ-』を原作に、現在ハリウッドを中心に活躍する「ドアマン」の北村龍平監督が映画化した。