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- 井上真央
略歴 / Brief history
神奈川県生まれ。4歳で劇団東俳に入り、5歳で子役として始動。1995 年、NHK『藏』のヒロイン・田乃内烈(松たか子)の少女時代を演じ、早くも大器を予感させる風格を見せる。以後、NHK『寺子屋ゆめ指南』97、『櫂』99などに出演のかたわら、97 年には市川準演出の『三井リハウス』のCM で池脇千鶴の妹を演じた。そして、99 年8月より放送されたTBS『キッズ・ウォー/ざけんなよ』では、いじめなどの学校問題に立ち向かう正義感の強い小学生・今井茜役を快演。同シリーズは、2003 年の第5弾まで続いたほか、スペシャルも2本作られるなどブームを生み、回を重ねて茜の切ない恋模様なども綴られ、女優として成長中の井上の代表作となる。その後、TBS『ホームドラマ!』04 を経て、05 年、大人気コミックをドラマ化したTBS『花より男子』の主演に抜擢される。金持ちの通う名門校で、貧乏ながらも学園生活をタフにエンジョイするヒロイン・牧野つくし役は、『キッズ・ウォー』の頃より注目していた原作者・神尾葉子も太鼓判を押すハマリようで、07 年には続篇も放映。08 年の劇場版「花より男子F(ファイナル)」で完結し、興行的にも大成功を収めた。以後もフジテレビ『ファースト・キス』07 などに主演する一方、映画も、06 年、沖縄を舞台にラップのバンドを組む高校生たちの青春を描く「チェケラッチョ!!」で初出演。07 年、中田秀夫監督「怪談」では、健康的な色気で因縁深い男女の愛をかき乱し、同年の本木克英監督「ゲゲゲの鬼太郎」では、特殊メイクを施す共演陣を横目に、鬼太郎と心通わす少女役で安定した演技を披露。人気コミックの映画化「僕の初恋をキミに捧ぐ」09 では、20 歳までしか生きられない幼なじみを一途に愛する女子高生を、生命力豊かに好演した。10 年、「ダーリンは外国人」では、親日家の米国人とさまざまな障害を乗り越え結ばれるヒロインを丹念に演じ、TBS『獣医ドリトル』では、『花より男子』でも共演した小栗旬と息の合ったところを見せた。11 年は、NHK 朝の連続テレビ小説『おひさま』の主演をつとめる。ドラマの劇場版や漫画原作ものが続いたが、11 年、太平洋戦争末期が舞台の大作「太平洋の奇跡・フォックスと呼ばれた男」に出演。かねてより群を抜く“ 目力”の生きるスケール感ある映画にも、貪欲に出続けてほしい。
井上真央の関連作品 / Related Work
作品情報を見る
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サンセット・サンライズ
制作年: 2024楡周平による同名小説を原作に、宮藤官九郎脚本、菅田将暉主演で、「あゝ、荒野」「正欲」の岸善幸監督が映画化。コロナ禍に都会から宮城県・南三陸に移住した釣り好きのサラリーマン・西尾晋作は海で釣り三昧の日々を過ごすが、よそ者の晋作に町の人たちは気が気でなく、町のマドンナをめぐってある騒動が起きる。共演は「白ゆき姫殺人事件」の井上真央、「永い言い訳」の竹原ピストル。2024年11月、第37回東京国際映画祭にてワールド・プレミア。 -
カツベン!
制作年: 2019「Shall we ダンス?」の周防正行監督が、無声映画上映時に作品の内容を解説する活動弁士を取り上げた青春喜劇。一流の活動弁士を目指す俊太郎は、隣町のライバル館に客も人材も取られ人使いの荒い館主夫婦ら曲者ばかりが残った映画館・青木館に流れ着く。主人公の俊太郎を「愛がなんだ」の成田凌が演じる。作中には、「椿姫」(1921)を再現した「椿姫」や1932年版を参考に制作した「金色夜叉」などの元のある再現作品や、「南方のロマンス」などといった本作オリジナルの無声映画が登場する。第32回東京国際映画祭特別招待GALAスクリーニング作品。74点 -
乱反射(2018)
制作年: 2018第63回日本推理作家協会賞を受賞した貫井徳郎の小説を石井裕也がテレビドラマ化。そのディレクターズカット版を劇場公開する。2歳の少年の死亡事故が発生。新聞記者である父・加山聡は、事件の関係者を訪ね、息子の死の真相を突き止めようとするが……。出演は「パラダイス・ネクスト」の妻夫木聡、「焼肉ドラゴン」の井上真央。