竹中直人 タケナカナオト

  • 出身地:神奈川県横浜市
  • 生年月日:1956/03/20

略歴 / Brief history

【個性派俳優から独自の抒情とユーモアを紡ぐ才人監督へ】神奈川県横浜市の生まれ。幼い頃から父親に連れられて見た映画の魅力の虜になる。高校の美術部で自主映画を撮り始め、1976年に多摩美術大学グラフィック科に入学してからは、のちに劇作家となる宮沢章夫らとともに本格的な自主映画製作に没頭する。その一方で、TBS『ぎんざNOW』などの素人参加番組に出演。劇団・青年座にも入団し、大学在学中から俳優の道を歩み始めた。83年のテレビ朝日『テレビ演芸』で顔面模写、形態模写などで勝ち抜きチャンピオンとなり、一躍コメディアンとして注目を浴びる。映画初出演作は、滝田洋二郎のピンク映画「痴漢電車・下着検札」(84)で、松本清張の形態模写を演じきる。以降、少しでも映画の現場に関わりたいと精力的に出演を重ね、「ロケーション」(84)の森﨑東、「薄化粧」(85)の五社英雄からは演技上の指針を授けられたという。石井隆の監督デビュー作「天使のはらわた・赤い眩暈」(88)で映画初主演。これを機に俳優として大きく飛躍した。五社の「226」(88)に出演した縁で同作のプロデューサー・奥山和由から監督を勧められ、91年の「無能の人」で監督デビュー。芸術選奨文部大臣新人賞、ヴェネチア映画祭国際批評家連盟賞など国内外で高い評価を受け、続く第2作「119」(94)もキネマ旬報読者選出ベスト・ワンに輝いた。並行する俳優業も充実し、95年には憧れの存在だった岡本喜八監督の「EAST MEETS WEST」(95)などに出演して、キネマ旬報助演男優賞を受賞。NHK大河ドラマ『秀吉』(96)の主役にも抜擢され、その人気を不動のものとする。それ以後も監督としては、「東京日和」(97)、「連弾」(01)、「サヨナラCOLOR」(05)、「山形スクリーム」(09)とゆっくりなペースではあるが、さまざまなジャンルに跨った作品を連打。俳優・タレントとしてのマルチな活動に加え、個性的な映画監督としての地歩を固めている。【熱い想いを抱えたシネフィル】異業種監督が急増した80年代終盤から90年代にかけて、映像他ジャンルからだけでなくタレント・作家・ミュージシャンなどが映画を撮るケースが頻発した。竹中が「無能の人」を撮った91年だけでも、秋元康、島田紳助、戸井十月、椎名誠らが商業映画デビューを果たしている。竹中の監督デビューもそうした流れのひとつと見られたが、幼い頃からのシネフィルであり、膨大な量の映像ソフト(当時はレーザーディスクだった)を所有する竹中の映画に対する想いは、決してタレントの余技に留まらない熱さがあった。同じお笑い出身で、先行して監督としても活躍していた北野武の存在も、竹中の監督挑戦に影響を与えていただろうが、竹中独特の感性はそうした状況論とは無関係に、監督業の成功へと自らを導いていった。いつも異色の題材を扱い、乾いたタッチで淡々としたリズムを刻む竹中演出は、独自の抒情とユーモアを紡いでいく。

竹中直人の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • MIRRORLIAR FILMS Season5

    制作年: 2024
    クリエイターの発掘・育成を目的とする短編映画制作プロジェクト第5弾。横浜流星主演、「栞」の榊原有佑による「MIMI」、竹中直人による壮大な群像劇「たてこもり」、漫画家・俳優の大橋裕之による「変哲の竜」、一般公募の中から選出された「NAIKU」など全6篇を収録。出演は、お笑いコンビのスクールゾーン(橋本稜、俵山峻)、プロジェクトのプロデューサーでもある阿部進之介、山田孝之、お笑いタレント・作家の又吉直樹、伊藤沙莉ほか。
  • 家出レスラー

    制作年: 2024
    田舎でひきこもっていた少女がプロレスを観戦したことをきっかけに家出を決行、厳しい練習を経て女子プロレスのスターになるまでを描いたドリーム・ファンタジー。“女子プロレスのアイコン”である岩谷麻優選手の自伝的著書を原案に、「億男」の渡部辰城・脚本、「BIRTHDAY」のヨリコジュン・監督で映画化した。オーディションでグランプリを受賞した平井杏奈が主人公マユを演じ、女子レスラー陣は、ゆきぽよ、都丸紗也華、根岸愛、小坂井祐莉絵、平嶋夏海といったフレッシュな顔ぶれがそろった。また、竹中直人、有田哲平、石野真子、古坂大魔王ら、個性的なベテランが脇を固める。人生を諦めかけた人、一所懸命に生きることに疲れた人、何もかもが嫌になってしまった人、全ての人を元気にするプロレス青春映画。
  • 青春ジャック  止められるか、俺たちを2

    制作年: 2023
    1969年を舞台に若松孝二監督が設立した若松プロダクションを描いた青春群像劇「止められるか、俺たちを」の続編。1980年代、ビデオが普及し始め映画館から人が遠のきだす中、それに逆行するように若松孝二は名古屋にシネマスコーレというミニシアターを作る。熱くなることが恰好悪いと思われていた1980年代を背景に、映画と映画館に吸い寄せられた若者たちの青春を描く。若松孝二監督に師事し、若松プロダクションにて助監督を務め、「戦争と一人の女」やドキュメンタリー「誰がために憲法はある」などを監督、「男たちの大和」「止められるか、俺たちを」など数々の作品の脚本を手がけてきた井上淳一が、本作の企画・脚本・監督を務める。若松孝二を前作から引き続き井浦新が、シネマスコーレの支配人に据えられる木全純治を「天上の花」の東出昌大が演じる。
  • Daughter (ドーター)

    制作年: 2023
    「名探偵コナン 黒鉄の魚影」を始め、数々のヒット作の音楽を手掛けてきた作曲家・菅野祐悟の監督デビュー作。幼くして母親を亡くした美宙と、死んだ妻の幻影を追い求めるその父・晴人。交錯する愛情に翻弄される親子。その前に突きつけられる悲劇とは……。出演は「唄う六人の女」の竹中直人、ドラマや舞台などで活躍する関川ゆか。
  • 唄う六人の女

    制作年: 2023
    パフォーマンス集団キュピキュピの主宰で「ミロクローゼ」やドラマ『オー!マイキー』などを手がけた石橋義正監督によるサスペンススリラー。亡父の山を売却する萱島と開発業者の下請け・宇和島は事故に遭い、気付くと奇妙な六人の女たちに監禁されていた。『イチケイのカラス』の竹野内豊と「はるヲうるひと」の山田孝之が正反対の性格である萱島と宇和島を演じ、美しく奇妙な六人の女を「滑走路」の水川あさみ、東京2020オリンピック閉会式でソロパフォーマンスを披露したダンサーのアオイヤマダ、「ミッドナイトスワン」の服部樹咲、「N号棟」の萩原みのり、「消せない記憶」の桃果、「真・鮫島事件」の武田玲奈が演じる。
  • ゲネプロ 7

    制作年: 2023
    新作舞台の制作発表会見からゲネプロまでの13日間で、7人の役者が遭遇する怪事件を描いたミステリー。話題の新作舞台『シェイクスピア・レジェンズ』に挑む人気ユニット“劇団SEVEN”のリーダー、蘇我が急死。これを機に、彼らの運命が狂い出す。監督は「十二人の死にたい子どもたち」の堤幸彦。出演は「八王子ゾンビーズ」の三浦海里、『刀剣乱舞』シリーズの和田雅成、「破戒」の竹中直人。

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