制作年: 1971
現代の自動車社会を風刺した“ユロ伯父さん”ことジャック・タチ監督・主演のコメディ。「プレイタイム」(67)以来四年ぶりのタチの長編第5作で、以前『ぼくの伯父さんの交通大戦争』の題名で特殊上映およびビデオ化されていた作品を、初めて正式に劇場公開。タチがオランダの監督ベルト・ハーンストラ(『Zoo』など) と意気投合したことから生まれた企画で、脚本にハーンストラが協力している。また長編第一作「のんき大将 脱線の巻」(47 、製作当時現像不能で放棄されたカラー版も復元され、「ジャック・タチの新のんき大将」のタイトルで95年10月に日本でも公開)以来全作に協力してきたジャック・ラグランジュも脚本に参加。ハーンストラの協力もあってフランスとオランダが主な舞台となることからスタッフ、キャストにオランダ人が多数参加している。製作は「禁じられた遊び」で知られるフランス映画の重鎮ロベール・ドルフマン。撮影はエドゥアール・ヴァン・アンダンとマルセル・ウェイス、美術はアドリアン・ドゥ・ローイ、編集はモーリス・ローマンとタチの長女ソフィー・タチシェフ。音楽はシャルル・デュモン。なおタチの作品にはこのあとスウェーデンのテレビ局のためにビデオで製作した映画サーカス『パラード』(フランスなどでは劇場公開されたが、日本ではビデオ発売のみ)があるが、純然たる劇映画としてはこれが最後の作品にあたる。2014年4月12日より、東京・渋谷 シアター・イメージ・フォーラムにて開催された「ジャック・タチ映画祭」にてコマ落ちしていた4分間を復活させた完全版(97分)を上映。