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- 岡本麗
略歴 / Brief history
長崎県北松浦郡小佐々町の生まれ。福岡県立嘉穂東高校卒業後、上京して俳優小劇場付属養成所に入る。1971 年に俳優小劇場は解散、卒所後は劇団暫や現代制作舎などの舞台に立ち、アングラ演劇第二世代ムーブメントのなかで実力をつける。映画初主演は日活ロマンポルノ「哀愁のサーキット」72 で、本格的なデビューはやはりロマンポルノの曽根中生監督「女高生100 人㊙モーテル白書」75。女子高生買春事件の真相を調査する主人公のルポライター役で、身体を張って取材するが少女達の味方にもなれない女の苦渋を好演。豊満な肢体と色気、演技力が買われてロマンポルノの常連女優となり、助演を中心に団地妻、OL、修道女など30 本以上に様々な役柄で出演する。主な作品に「犯す!」「暴行切り裂きジャック」76、「人妻集団暴行致死事件」78 など。77 年の曽根中生監督「不連続殺人事件」で一般映画に初出演。松田優作主演・村川透監督「野獣死すべし」80 では、大胆なヌードシーンで成人映画での活躍を知らなかった十代の優作ファンの度肝を抜く。「蒲田行進曲」82 では撮影所のベテラン結髪役で脇を固めるなど、すでに古株らしい存在感を出していた。人なつっこい明朗さが持ち味で、TBS『もしも学校が…!?』85 のレギュラー出演前後からコメディドラマへの登板が増える。節目となったのは88 年で、伊丹十三監督「マルサの女2」のホステス役など数本に連投。金子修介監督のロマンポルノ「ラスト・キャバレー」は、老舗キャバレーの閉店を日活ロマンポルノの製作終了とダブらせた佳篇へのゲスト出演だった。テレビではテレビ朝日『はぐれ刑事純情派』が同年からスタート。藤田まことの安浦刑事を支える女性刑事・田崎晴子役はキャリア随一の当たり役となる。以降は三枚目の中年女性役を中心に「折り梅」01、「釣りバカ日誌16・浜崎は今日もダメだった」05 などの映画や、数多くのテレビドラマに出演。ただしホームグラウンドはあくまで舞台で、松金よね子、田岡美也子と演劇ユニット“ グループる・ばる” を86 年に結成、企画から上演まで自分たちで手がける公演を毎年続けている。
岡本麗の関連作品 / Related Work
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罪の声
制作年: 2020グリコ・森永事件をモチーフにし2016年週刊文春ミステリーベスト10国内部門第1位に輝いた同名小説を映画化。記者の阿久津は昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に選ばれ取材を重ねる。一方俊也は事件の脅迫テープに自分の声が使われていたことを知り……。監督は、TBSテレビに所属し『カルテット』など数々のTVドラマの演出をするほか、「映画 ビリギャル」など映画監督としても活動する土井裕泰。「人間失格 太宰治と3人の女たち」の小栗旬と、ミュージシャンや文筆家としても活躍する星野源が、未解決事件に翻弄され人生が交錯する二人の男を演じる。81点 -
くちづけ(2013)
制作年: 20132012年末に解散した劇団、東京セレソンデラックスの公演を映画化。同劇団の主宰・宅間孝行が原作、脚本を手がけ、「エイトレンジャー」の堤幸彦が監督した。グループホームを舞台に、幼稚園児なみの知能のマコとうーやんの切ない恋を描く。出演は「僕達急行 A列車で行こう」の貫地谷しほり、「エイトレンジャー」の竹中直人。80点 -
新大久保物語
制作年: 2013日韓両国で人気を集める5人組K-POPグループ『MYNAME』が、本人たちの名前で出演した青春サクセスストーリー。それぞれに様々な思いを抱え来日した5人が、立ちはだかる壁を超えてデビューを目指す。共に笑い、時にはぶつかりながら夢を追いかける姿は、実際の彼らと重なり合う。監督は「ランディーズ」「イズ・エー[is A.』]」の藤原健一。「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」の藤本泉が『MYNAME』をデビューさせようと奮闘するマネージャーを、「EUREKA ユリイカ」の国生さゆりが彼らに可能性を見出す芸能事務所社長を演じる。ほか、「g@me.」のIZAM、「一枚のハガキ」の六平直政、「ねこタクシー」のカンニング竹山、「包帯クラブ」の岡本麗らが出演。 -
BUNGO 日本文学シネマ「高瀬舟」
制作年: 2010実の弟殺しの罪で裁かれた男の不思議な胸中を描く、森鴎外の名作の映像化。監督は「あの空をおぼえてる」の冨樫森。出演は成宮寛貴、杉本哲太ほか。日本を代表する文豪たちの短編小説を映像化したTVドラマシリーズ「BUNGO-日本文学シネマ-」の1作。劇場用に編集されたディレクターズカット版。