寺尾聰 テラオアキラ

  • 出身地:神奈川県横浜市
  • 生年月日:1947/05/18

略歴 / Brief history

神奈川県横浜市の生まれ。父は劇団民芸の名優・宇野重吉。1964年にフォークグループ“ザ・サベージ”を結成し、文化学院大学文学部在学中の66年にプロデビュー。グループサウンズ・ブームの中で『いつまでもいつまでも』などをヒットさせたが、67年にグループから脱退する。同年、父・宇野重吉が出演していた石原裕次郎製作・主演の「黒部の太陽」68のロケ現場で裏方のアルバイトをしていたところ、監督の熊井啓に勧められ、同作品で俳優デビュー。以後は石原プロモーションに所属し、森﨑東監督「喜劇・男は愛嬌」70などを経て、75年の山田洋次監督「同胞(はらから)」では農協青年会長役で主演に起用される。初期は朴訥で庶民的な青年役が多かったが、石原プロ制作の日本テレビ『大都会PARTⅢ』78~79、テレビ朝日『西部警察』79~82などの刑事役でアクションスターとして人気を集める。81年、ソロ歌手として発表した『ルビーの指環』が135万枚を売り上げる大ヒットとなり、この年の日本レコード大賞、日本歌謡大賞に輝いた。その後は石原プロを離れ、映画を中心に活躍。「乱」85、「夢」90、「まあだだよ」93と晩年の黒澤明監督作品に連続して重要な役で起用され、黒澤の助監督だった小泉堯史が黒澤の遺稿を映画化した監督デビュー作「雨あがる」00では、心優しい浪人・三沢伊兵衛役で主演をつとめる。同作で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝き、小泉とは「阿弥陀堂だより」02、「博士の愛した数式」06でも続けてコンビを組んだ。04年、佐々部清監督「半落ち」でブルーリボン賞と日本アカデミー賞の主演男優賞を受賞。微細な表現で人間の想いを伝える名優としての評価を確立している。08年、紫綬褒章を受章。日本テレビ『2丁目3番地』71で共演した范文雀と73年に結婚したが、1年半で離婚。その後、モデルの星野真弓と再婚した。

寺尾聰の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • アンジーのBARで逢いましょう

    制作年: 2025
    「九十歳。何がめでたい」で91歳にして第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞の主演女優賞を受賞した草笛光子が主演したファンタジックなドラマ。風に吹かれてやってきた白髪の女性アンジーは、いわくつきの物件を借りてBARを開き、出会った人の人生をそっと変えていく。監督は「星に語りて-Starry Sky-」の松本動。「うなぎ」や「十三人の刺客」などの脚本を手がけた天願大介が脚本を担当。謎多きヒロイン・アンジーを草笛光子が、アンジーに物件を貸す熊坂を寺尾聰が、謎の青年をディーン・フジオカが演じる。
  • 金子差入店

    制作年: 2025
    刑務所や拘置所への差入を代行する「差入屋」を営む金子一家が、二つの事件の謎と向き合ううちに、家族の絆を揺るがされてゆくヒューマン・サスペンス。出演は「泥棒役者」以来8年ぶりの主役を演じる丸山隆平、「孤狼の血」の真木よう子、「博士の愛した数式」の寺尾聰。監督・脚本は「東京リベンジャーズ」などの助監督を務めてきた古川豪。およそ11年ほど前、差し入れ代行業の存在と必要性を知り、昨今の不寛容な世間の風潮に一石を投じられるのではないかと脚本を書いた。2024年釜山国際映画祭正式出品。
  • 父と僕の終わらない歌

    制作年: 2025
    2016年にYouTubeに投稿された動画をきっかけに、80歳のアルツハイマー型認知症患者がCDデビューを果たしたイギリスの実話を、日本に置き換えて映画化。かつて歌手デビューを夢見た楽器店店主・間宮哲太はある日、アルツハイマー型認知症と診断されるが……。出演は「こんにちは、母さん」の寺尾聰、「雪の花 -ともに在りて-」の松坂桃李。監督は「線は、僕を描く」の小泉徳宏。
  • こんにちは、母さん

    制作年: 2023
    「男はつらいよ」シリーズをはじめ、時代の変遷と人びとの暮らしを見つめ続けてきた山田洋次監督の91歳にして90本目の劇映画。墨田川のほとりで、スカイツリーを見上げる東京下町を舞台に、現代の令和を生きる「母と息子」の新たな物語を心情豊かに描き出す。主演を務めるのは、1972年公開の「男はつらいよ 柴又慕情」をはじめ、「母べえ」(08)「おとうと」(10)「母と暮せば」(08)など、約50年間にわたって山田洋次作品に出演してきた吉永小百合。下町に暮らす母・福江を演じ、映画出演123本目にして、山田洋次の『母』3部作の集大成となった。その息子・昭夫を演じるのはNHK大河ドラマ『鎌倉殿の十三人』の好演が記憶に新しい大泉洋。山田洋次と吉永小百合と初タッグを組んだ。原作は劇作家・永井愛(二兎社)が手掛けた同名の舞台作品。変わりゆく都会の片隅で、中間管理職の悲哀、シニアの淡い恋、地域とホームレスの問題、若者の生きがいの問題など、今日的なテーマを織り込みながら、それでも変わらぬ思い合う人びとの心を描く、おかしくも切ない人情喜劇。
  • ラーゲリより愛を込めて

    制作年: 2022
    辺見じゅんのノンフィクション『収容所から来た遺書』を二宮和也主演で映画化。第二次世界大戦終結後、シベリアの強制収容所(=ラーゲリ)に抑留され、死と隣り合わせの日々を過ごしながらも、生きることを諦めず、仲間たちを励まし続けた山本幡男の半生を描く。共演は「大河への道」の北川景子、「流浪の月」の松坂桃李、「桜のような僕の恋人」の中島健人。監督は「とんび」の瀬々敬久。
    70
  • 屋根裏のラジャー

    制作年: 2022
    イギリス文学協会賞を受賞した詩人・作家A.F.ハロルド作『The Imaginary』を基にした、「二ノ国」の百瀬義行監督によるファンタジーアニメ。想像から生まれた友だちイマジナリである少年ラジャー。イマジナリは人間に忘れられると消えていく運命にあり……。制作は、「メアリと魔女の花」を送り出したスタジオポノック。CMで注目され「妖怪大戦争 ガーディアンズ」などに主演してきた寺田心、実写作品のみならずアニメ『どろろ』など声優としても活動する鈴木梨央のほか、杉咲花、寺尾聰をはじめ、安藤サクラ、仲里依紗、山田孝之、高畑淳子、イッセー尾形ら実力派俳優陣が声の出演をし、想像から生まれたイマジナリーフレンドたちが現実と想像が交錯する世界で繰り広げる大冒険を描く。

今日は映画何の日?

注目記事