記事
「いから始まるもの」の検索結果
(50件)
-
「哀れなるものたち」の原点。ヨルゴス・ランティモス「籠の中の乙女」が4Kレストア版で公開
2024年11月20日近年は「哀れなるものたち」(2023)や「憐れみの3章」(2024)で注目を浴びるヨルゴス・ランティモス。その出世作となる家族の不条理劇「籠の中の乙女」(2009)が、4Kレストア版となって2025年1月24日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国で公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 ギリシャのある裕福な家庭には、秘密があった。両親が子どもたちを「家の中」だけで育ててきたのだ。邸宅の四方に高い塀をめぐらせ、外の世界の恐ろしさを信じ込ませるために数々の奇妙で厳格なルールを敷いてきた。ところが青年期を迎えた子どもたちは、親の想像を超えた行動を取り始める──。 https://www.youtube.com/watch?v=uI0ER5ALAV8 第62回カンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門でグランプリを受賞し、第83回アカデミー賞で外国語映画賞にノミネートされた本作。ランティモスは「私が描きたかったのは、人の心を操作しようとすること、自分の意のままに何かを信じ込ませようとすることが、相手をどこまで極端に走らせてしまうかということです」と語っている。「哀れなるものたち」の原点というべき《支配と服従、自我の目覚め》の物語を、美しく甦った映像で堪能したい。 「籠の中の乙女 4Kレストア版」 監督・脚本:ヨルゴス・ランティモス 脚本:エフティミス・フィリップ 製作:ヨルゴス・ツルヤニス 製作総指揮:イラクリス・マヴロイディス 製作補:アティナ・ツァンガリ 撮影:ティミオス・バカタキス 美術・衣裳:エリ・パパゲオルガコプル 編集:ヨルゴス・マブロプサリディス 録音:レアンドロス・ドゥニス 出演:クリストス・ステルギオグル、ミシェル・ヴァレイ、アンゲリキ・パプーリァ、マリア・ツォニ、クリストス・パサリス、アナ・カレジドゥ 2009/ギリシャ/ギリシャ語/シネマスコープ/96分 原題:DOGTOOTH 字幕翻訳:石田泰子 字幕監修:柳田富美子 映倫区分:R18+ 後援:駐日ギリシャ大使館 協力:ギリシャプラザ 配給:彩プロ ©XXIV All rights reserved 公式サイト:http://kago-otome.ayapro.ne.jp/ -
悩める大人たちが再生。ジェイソン・シュワルツマン主演「セカンドステップ 僕らの人生第2章」
2024年11月20日ジェイソン・シュワルツマン(「グランド・ブダペスト・ホテル」「アステロイド・シティ」)とキャロル・ケイン(「狼たちの午後」「アニー・ホール」)の共演により、悩めるユダヤ教徒たちの再生を描いた「セカンドステップ 僕らの人生第2章」が、12月20日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開される。場面写真が到着した。 ニューヨーク郊外で、ユダヤ教の先唱者として生きる40歳のベン(ジェイソン・シュワルツマン)。事故で妻を亡くして信仰の危機に陥る中、音楽教師だったカーラ(キャロル・ケイン)と再会する。本来は12歳で迎えるユダヤ教の女性成人式〈バット・ミツバ〉を行いたいと、彼女は70歳の今日まで願い続けてきた。それを叶えようと時間を共にする中で、ベンとカーラは諦めかけていた自分の人生を取り戻していく──。 ザ・ニューヨーカー誌が「今日活躍するインディペンデント映像作家の中で、最も独創的な一人」と称えたネイサン・シルヴァーが監督を務め、製作に「aftersun/アフターサン」「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」のティム・ヘディントンが名を連ねる。 レズビアンの母親たち、異教徒とのクロスオーバーといった多様性あり。ザ・チャーチルズ、アリク・アインスタインなどイスラエルのミュージシャンの楽曲が使用されるのもポイント。2024年サンダンス映画祭や第74回ベルリン国際映画祭に出品され、『とんでもなく型破りなスクリューボール・コメディ!』(Indiewire)、『笑いと涙の人間活劇』(Variety)などと評された注目作だ。 「セカンドステップ 僕らの人生第2章」 監督:ネイサン・シルヴァー 脚本:ネイサン・シルヴァー、C・メイソン・ウェルズ 出演:ジェイソン・シュワルツマン、キャロル・ケイン 2024年/アメリカ/111分/英語/F-1.78/カラー/5.1ch 原題:Between The Temples 日本語字幕:中沢志乃 配給・宣伝:ロングライド Copyright ©︎ 2024 Between The Temples, LLC. All Rights Reserved. -
アイデンティティと向き合う女性の心の動きを繊細に描く「今日の海が何色でも」全国公開決定
2024年11月20日タイ南部の海辺の町でふたりの女性が出会い自然と惹かれあっていく様を、環境問題をテーマにしたアートを交えて美しく映し出し、第19回大阪アジアン映画祭で上映され話題となったタイ映画「今日の海が何色でも」が、2025年1月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開が決定。ポスタービジュアル、予告編が解禁された。 本作が長編劇映画デビュー作であるパティパン・ブンタリク監督は、本作の前に手掛けた環境ドキュメンタリーで取材した、ソンクラー市のピーラ市長が暗殺されたことをきっかけに本作を制作したという。そこに、『(自身の)映画監督や社会活動家としての背景、偏見との出会い。男性性にまつわる有害な価値観を体験したこと。そして幼少期に祖父母と過ごした記憶。それぞれの闘いを共有した友人たちの物語も織り交ぜました』とコメントしている。 第28回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門では『人間と人間、人間と自然をめぐるさまざまなテーマを、柔軟な姿勢で明確に提示している。人間と自然だけでなく、時間の流れ、伝統と変化、ミクロとマクロを映像で繊細につなぎ、不確かな未来への想像をかきたてる』と称賛され、NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)とLG OLED New Currents賞をダブル受賞している。 https://www.youtube.com/watch?v=2lI_zU0YP7E Story タイの南部の町ソンクラー。かつて美しい砂浜があったが、高潮によって侵食され、現在は護岸用の人工の岩に置き換えられている。その町の保守的なイスラム教徒の家庭で生まれ育ったシャティは親に結婚を急かされていた。しかしシャティは親が決めた相手と結婚させられることに疑問を感じていた。ある日シャティは、防波堤をテーマにした美術展のためにやって来たビジュアルアーティストのフォンと出会い、彼女のサポートをすることに。一見全く正反対に思えたふたりだったが、お互いを深く知れば知るほど惹かれ合っていき──。 「今日の海が何色でも」 監督・脚本:パティパン・ブンタリク 出演:アイラダ・ピツワン、ラウィパ・スリサングアン 2023年/タイ/タイ語・南部タイ方言/93分/1.85:1/カラー/5.1ch/映倫区分「G」 原題:ทะเลของฉัน มีคลื่นเล็กน้อยถึงปานกลาง /英題:Solids by the Seashore/日本語字幕:塩谷楽妥 製作:Diversion / 配給:Foggy / 配給協力:アークエンタテインメント -
全世界に14億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派・カトリック教会の最高指導者にして、バチカン市国の元首であるローマ教皇を決める教皇選挙<コンクラーベ>の舞台裏と、密室の内幕を描くレイフ・ファインズ主演、エドワード・ベルガー監督によるミステリー『Conclave』が、邦題「教皇選挙」として、2025年3月20日(木・祝)より日本公開することが決定した。 『ハリー・ポッター』シリーズでのヴォルデモート卿や、『007』シリーズでのMなど、大ヒットシリーズ作品でもおなじみのレイフ・ファインズが主演。さらに、スタンリー・トゥッチ(「プラダを着た悪魔」)、ジョン・リスゴー(「スキャンダル」)、イザベラ・ロッセリーニ(「ブルーベルベット」)といった信頼のおけるベテラン俳優たちが脇を固める。そして「裏切りのサーカス」(11)でオスカーにノミネートされたピーター・ストローハンが脚本を担当する。 8月に行われたワールドプレミアでは、「あの結末は予想できなかった」(IndieWire)、「最高のアンサンブル・キャスト」(Entertainment Weekly)など高く評価され、ゴールデングローブ賞やアカデミー賞のノミネートも期待される本作に、引き続き注目していきたい。 Story 全世界に14億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派・カトリック教会。その最高指導者にして、バチカン市国の元首であるローマ教皇が死去した。悲しみに暮れる暇もなく、ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)は新教皇を決める教皇選挙<コンクラーベ>を執り仕切ることに。世界中から100人を超える強力な候補者たちが集まり、システィーナ礼拝堂の閉ざされた扉の向こうで極秘の投票が始まった。票が割れるなか、水面下で蠢く陰謀、差別、スキャンダルの数々。ローレンスはその渦中、バチカンを震撼させるある秘密を知る──。 「教皇選挙」 監督:エドワード・ベルガー 脚本:ピーター・ストローハン 原作:ロバート・ハリス著『CONCLAVE』 出演:レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、イザベラ・ロッセリーニ 2024年/アメリカ・イギリス/英語・ラテン語・イタリア語/カラー/スコープサイズ/120分/原題:CONCLAVE/字幕翻訳:渡邉貴子/G 配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ © 2024 Conclave Distribution, LLC.
-
スペインのカタルーニャを舞台に、伝統的な家族経営の桃農園が、ソーラーパネルに取って代わられるという世界中で起こっている自然と人間の問題を描き、ベルリン国際映画祭にて金熊賞に輝いたカルラ・シモン監督の長編第2作「太陽と桃の歌」。その家族の仲睦まじい姿や農園で働く日常を切り取った場面写真が解禁となった。 3世代にわたって桃農園を営む10人を越える大家族のソレ家が、家族総出で桃の収穫をし、休日はみんなで食卓を囲み遊ぶ。スペインのソーセージ『ロンガニーサ』やカタツムリを焼き上げる郷土料理を囲み、庭のプールを楽しんだり寝室で思い思いにくつろぐ子どもたちの姿に、固い絆で結ばれたソレ家の生活が垣間見える。 そんな彼らがさらされる『ジェントリフィケーション』と呼ばれる環境プロジェクトが伝統的な農地に犠牲を強いる問題や、大手卸売業者の買い叩きによる農家の『適正価格』の訴えを美化することなく慈しむ視点で描いている。急激な時代の変化に晒される家族の絆を通して、世界の未来を問いかける──こんな時代を生きるための希望をくれる、今必見のヒューマンドラマだ。 Story スペイン・カタルーニャで、3世代に渡る大家族で桃農園を営むソレ家。例年通り収穫を迎えようとした時、地主から夏の終わりに土地を明け渡すよう迫られる。桃の木を伐採して、代わりにソーラーパネルを敷き詰めるというのだ。父親は激怒するが、妻と妹夫婦はパネルの管理をすれば「楽に稼げる」という囁きに心を動かされる。賭け事をしようとする祖父、取り付く島のない父、資金稼ぎに畑の片隅で大麻栽培を始める長男など、てんでバラバラに桃園の危機を何とかしようとするが、大げんかが勃発。一家に大きな亀裂が入ったまま最後の収穫が始まろうとしていた──。 「太陽と桃の歌」 監督・脚本:カルラ・シモン 出演:ジョゼ・アバッド、ジョルディ・ プジョル・ ドルセ、アンナ・ オティン 2022年/スペイン・イタリア /カタルーニャ語/カラー/ヴィスタ/5.1ch/121分/原題:ALCARRÀS/日本語字幕:草刈かおり 後援:スペイン大使館 インスティトゥト・セルバンテス東京 配給:東京テアトル © 2022 AVALON PC / ELASTICA FILMS / VILAÜT FILMS / KINO PRODUZIONI / ALCARRÀS FILM AI