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グレタ・ガーウィグの原点〈マンブルコア〉時代に迫る特集、好評につき全国開催
2024年9月24日「レディ・バード」「バービー」などで今や有名監督となったグレタ・ガーウィグ。ゼロ年代には、アメリカのインディペンデント映画界で起きた〈マンブルコア〉ムーブメントの一翼を担っていた。当時の3作「ハンナだけど、生きていく!」(2007)「BAGHEAD/バッグヘッド」(2008)「ナイツ&ウィークエンズ」(2008)は、今年8〜9月に東京・菊川のミニシアター〈Stranger〉で〈グレタ・ガーウィグ特集〉として上映。そこでの好評を受け、このたび同特集を10月より全国で順次開催することが決定した。 山崎まどか(コラムニスト)コメント 不安、渇望、身体的な親密さと裏腹に離れていく心、忙しない身振り。 グレタ・ガーウィグの始まりは新しい傷跡のように生々しく、痛い。 それでいて不思議な明るさがあって、ここから広がっていく世界の美しい予感に溢れている。 https://www.youtube.com/watch?v=TJ8M01HPUBE 「ハンナだけど、生きていく!」 Hannah Takes the Stairs/2007年/アメリカ/83分 監督:ジョー・スワンバーグ 出演:グレタ・ガーウィグ、ケント・オズボーン、マーク・デュプラス、アンドリュー・ブジャルスキー、ライ・ルッソ=ヤング 大学を卒業して仕事を始めたばかりのハンナ。恋人のマイクに「仕事を辞めた」と告げられて将来に不安を覚え、彼と別れて同僚のポールと付き合い始めるが……。グレタ・ガーウィグが主演・脚本を担い新進気鋭の映画作家たちが集結した、マンブルコアを代表する青春ガーリー・ムービー。スタッフ・キャストが共同生活し、伝統的な脚本は用いず即興演技によって作り上げた。 「BAGHEAD/バッグヘッド」 Baghead/2008年/アメリカ/79分 監督:ジェイ・デュプラス、マーク・デュプラス 出演:グレタ・ガーウィグ、スティーヴ・ジシス、ロス・パートリッジ 売れない俳優のマットは友人が監督した映画に刺激を受け、俳優仲間に映画を撮ろうと呼びかける。山小屋に泊まりプロットを考える彼らだったが、奇妙な現象が続発し、予想外の展開に……。マンブルコアを代表するジェイとマークのデュプラス兄弟による長編監督第2作で、「ハンナだけど、生きていく!」でマークと共演したグレタ・ガーウィグが主演。 「ナイツ&ウィークエンズ」 Nights and Weekends/2008年/アメリカ/79分 監督:グレタ・ガーウィグ、ジョー・スワンバーグ 出演:グレタ・ガーウィグ、ジョー・スワンバーグ、ジェイ・デュプラス、ケント・オズボーン、リン・シェルトン、アリソン・バグノール ニューヨークとシカゴで遠距離恋愛中のマティとジェームズ。数ヵ月ごとに家を行き来するが、心は徐々にすれ違う。1年後、マティと別れてゲームデザイナーとして働いていたジェームズは、仕事で訪れたニューヨークでマティと再会するが……。グレタ・ガーウィグが「ハンナだけど、生きていく!」のジョー・スワンバーグと共同で監督・脚本・製作・主演を担い、長編監督デビューを果たした。 〈グレタ・ガーウィグ特集〉 提供:JAIHO 配給:Stranger 協力:Gucchi’s Free School -
〈ロミー・シュナイダー映画祭2024〉、日本劇場初公開作を含む3本を上映
2024年9月24日《20世紀最高の女優》と謳われたロミー・シュナイダーの特集上映〈ロミー・シュナイダー映画祭2024〉が、10月18日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国で順次開催される。 2022年に続く第2弾特集となる今回。ラインナップは当時十代のロミーをスターダムに押し上げた「プリンセス・シシー」(1955)、鬼才アンジェイ・ズラウスキーと組んで第1回セザール賞主演女優賞に輝いた「最も重要なものは愛」(1975/日本劇場初公開)、ハーヴェイ・カイテルとハリー・ディーン・スタントンと共演した異色のSF「デス・ウォッチ」(1980/日本劇場初公開)の3本で、すべてデジタルリマスター版となる。年代もジャンルも異なる作品群で、ロミーの多彩な魅力を味わいたい。 坂本安美(アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム主任)コメント 「ロミーの顔は、一瞬で表情が変わる。嵐が起こったかと思えば、次の瞬間は光輝く青空が見える。そう、彼女の顔はまるで広大な風景のようだ」そう述べたのは脚本家ジャン=ルー・ダバディだった。ロミー・シュナイダーはまるで映画と一体化するかのように、目の前の人間、世界を映し出してしまう独特の力を有している。 今回特集される3本の作品を見ることで、ロミー・シュナイダーがその30年近くに亘る女優人生で、ひとつのイメージや役柄、演じ方に留まることなく、リスクを怖れずあらたな試みに挑み続けてきたことをあらためて確認することができるだろう。生き生きと可憐なオーストリア皇妃を演じて世界中に巻き起こした「シシー現象」から、まるで自由を求め続けるシシーのように解き放たれることを望んだロミー。「最も重要なものは愛」の危うさや脆さと高貴なまでの威厳を併せ持つ女優ナディーヌ、死を前にして人生を果敢に横断してみせる「デス・ウォッチ」の女流作家キャサリン。ロミーが演じた女性たちは、見終わった後も深く、私たちの心の中に生き続けてゆく。 「プリンセス・シシー」Sissi 1955年/オーストリア/ドイツ語/102分 監督・脚本:エルンスト・マリシュカ 出演:ロミー・シュナイダー、カールハインツ・ベーム、マグダ・シュナイダー © 1955 Erma-Filmproduktionsgesellschaft Ernst Marischka & Co. お転婆娘シシーがオーストリアの皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と出会い、ヨーロッパ一の美貌と謳われた皇妃エリザベートとなるまでを描いたプリンセス・ストーリー。撮影当初16歳のロミーはどこまでもチャーミングながら、後の大女優の片鱗も見せる。再現された19世紀の宮廷の様相はまさに圧巻。欧州各地で大ヒットし、ロミーは一躍アイドル女優となった。 「最も重要なものは愛」L'important c'est d'aimer 日本劇場初公開 1975年/仏=伊=西独/フランス語/113分 監督・脚本:アンジェイ・ズラウスキー 出演:ロミー・シュナイダー、ファビオ・テスティ、ジャック・デュトロン、クラウス・キンスキー © 1975 STUDIOCANAL - Rizzoli Film (Italie) - TIT Film Produktion (Allemagne) - Tous Droits Réservés ソフトポルノ映画に出演する女優とその夫、彼女に一目惚れしたカメラマンの三角関係を軸に、「ポゼッション」(1981)で知られるポーランドの鬼才ズラウスキーが描き上げた、過激で濃密な愛のドラマ。撮影中はズラウスキーと何度も衝突したロミーだが、その演技が高く評価され第1回セザール賞主演女優賞を獲得。剥き出しの美しさで哀願するロミーを捉えた冒頭から目が離せない。 「デス・ウォッチ」Death Watch 日本劇場初公開 1980年/仏=西独/英語、仏語/130分 監督・脚本:ベルトラン・タヴェルニエ 出演:ロミー・シュナイダー、ハーヴェイ・カイテル、ハリー・ディーン・スタントン、マックス・フォン・シドー © 1980 / STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA - TV 13 Munich avec la participation de la SFP 医療が進歩し、病死が稀になった近未来。不治の病と診断された女性作家の最期の日々をリアリティ番組『デス・ウォッチ』で放映するため、スタッフの男が隠し撮りを始めるものの、共に逃亡する中で二人に絆が芽生える──。「田舎の日曜日」(1984)の名匠タヴェルニエによる異色のSF映画。粗末な衣裳をまとい死の影に怯えながらも、決して尊厳を失わないロミーの迫真の演技が胸に迫る。公開から2年後、ロミーは世を去った。 〈ロミー・シュナイダー映画祭2024〉 提供:マーメイドフィルム 配給:コピアポア・フィルム 宣伝:VALERIA、マーメイドフィルム 公式サイト:http://romyfilmfes.jp/ -
リアルとバーチャルの境界とは? VRゲームに潜入「ニッツ・アイランド 非人間のレポート」
2024年9月24日バーチャル空間で展開するサバイバル・ゲーム〈DayZ〉。その舞台となる“島”にフランスの映画クルーが潜入し、アバターたちにインタビューをしながら963時間を過ごして作り上げたドキュメンタリー「ニッツ・アイランド 非人間のレポート」が、11月30日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。 破壊と殺戮、快楽と友情が入り乱れるゲーム世界。そこには暴虐の限りを尽くす集団、“誰も殺さない”を信条とするグループ、牧師を名乗りプレイヤーたちに信仰を説く者などがいる。そうしたバーチャルのアバターたちと出会いを重ねていくクルーは、その向こうにリアル世界の人間の存在を感じながら、二つの世界の境界を探っていく──。 ほぼ全編がバーチャル画面となる本作。第54回ヴィジョン・デュ・レール(スイス)で国際批評家連盟賞、山形国際ドキュメンタリー映画祭2023で審査員特別賞、台湾国際ドキュメンタリー映画祭2023で審査員特別賞を受賞した。浮き彫りとなる“人間性の本質”に注目だ。 「ニッツ・アイランド 非人間のレポート」 監督:エキエム・バルビエ、ギレム・コース、カンタン・レルグアルク 原題:Knit’s Island 映画祭上映タイトル「ニッツ・アイランド」 2023年/フランス/カラー/98分 配給:パンドラ 公式サイト:http://www.pan-dora.co.jp/knitsisland/ -
「オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版」栄光と挫折、不屈の闘志に迫る予告編公開
2024年9月24日SMAPのメンバーとして人気絶頂だった22歳の時に、幼い頃からの夢だったオートレーサーへ転身した森且行。その生きざまに迫ったドキュメンタリー映画「オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版」が、11月29日(金)より新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町ほか全国で公開される。ナレーションを俳優の萩原聖人が担当することが発表され、ポスタービジュアルと予告編が到着した。 1996年にオートレーサーへ転身した森。2020年11月3日、24年目にして悲願の日本選手権初優勝を果たすが、その82日後に落車事故で大怪我を負う。そこから復帰に向けて手術とリハビリを重ねた2年間、森は何を支えにしたのか。何が走ることへ突き動かすのか。そして50歳を迎えた今、何を思うのか。 2023年3月のTBSドキュメンタリー映画祭で上映された「オートレーサー森且行 約束のオーバルへ」に、新たな映像を加えて再構築した本作。3年にわたり病院やレース場、幼少期の思い出の場所でカメラを回し、肉親やレーサー仲間、担当医、そして本人へロングインタビューを行った。そこから見えてきたのは、変わらぬ絆と熱い思いだった──。 https://www.youtube.com/watch?v=AWdQF5ZCQ2E 萩原聖人コメント 森君とは10代の頃に共演して以来交流がありますが、そんな僕が知らないことがたくさんあり、想像の範疇をはるかに超える彼の生き様が描かれていました。 僕自身もそうでしたが、この映画を観たら年齢に関係なく諦めていたけれど立ち上がる人がたくさんいるんじゃないかなと思います。 「オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版」 出演:森且行 ナレーション:萩原聖人 監督・編集:穂坂友紀 エグゼクティブプロデューサー:津村有紀 プロデューサー:青柳朋子、鴨下潔、石山成人 総合プロデューサー:松田崇裕、小池博 協力プロデューサー:塩沢葉子 製作:TBS 企画・制作:TBSテレビ報道局 報道コンテンツ戦略室 制作プロダクション:TBSスパークル 配給:KADOKAWA 宣伝:KICCORIT 2024年/日本/94分/5.1ch/16:9 ©TBS 公式サイト:autoracer-mori.com -
加部亜門×山本奈衣瑠W 主演、映画館での“ボーイミーツガール”を描く「夜のまにまに」
2024年9月22日「凪の憂鬱」の磯部鉄平監督が、加部亜門、山本奈衣瑠をW 主演に迎えた「夜のまにまに」が11 月22 日(金)より全国公開。ポスタービジュアルと予告編、主演の加部亜門、山本奈衣瑠、磯部鉄平監督からのコメントが到着した。 どこか人任せなフリーターの新平は、幼馴染みで彼女の咲と別れた日、訪れた映画館で佳純と出会う。意気投合した2 人は夜の街を一緒に過ごす。 しばらくして新平のバイト先のカフェで佳純が働き始める。再会に驚く新平だったが、佳純から「彼氏の浮気調査を手伝ってほしい」と言われ、探偵の真似ごとをする羽目に。強引な佳純に振り回されながらも、少しずつ惹かれていく新平だったが……。 https://www.youtube.com/watch?v=55mYrJiSeDU 大阪の第七藝術劇場の協力を得て、映画館で出会った男女の恋愛模様を描いた本作は、「凪の憂鬱」で第37回高崎映画祭の新進監督グランプリを受賞した磯部鉄平が監督。主演は「仮面ライダーガッチャード」加治木涼役で注目された加部亜門と、 今泉力哉監督の「猫は逃げた」に抜擢され出演作が続く山本奈衣瑠。 〈コメント〉 加部亜門(新平役) 皆んなが眠りについた時、ゆっくりと話し始めよう。 人生は出会いと別れの連続で、時に人を強くしたり弱くしたり。実に気まぐれに、そしてただ単調に過ぎ去っていく。 誰だって忘れられない夜があって、忘れちゃいけない人がいる。途方も無ければ、隙間もないこの時代で、1つの灯りだけを頼りに夜 を使いこなせる様になるまで走り続けるしかないと思う。新平、大丈夫だ君は前に進んでいるよ。 撮影終了から2 年の月日が経っても昨日の夜の事の様に、鮮明に思い出せる作品です。 この作品が誰かの夜の頼みの綱になる事を祈っております。 山本奈衣瑠(佳純役) 先行上映は大阪でさせて頂きました。この映画を盛り上げてくださった観客の皆様のお陰で無事東京での本上映を迎える事が出来ます。本当に嬉しいです。撮影は2 年前の12月 全大阪ロケ。佳純と、みんなと過ごした日々が鮮明で、時間が経った今でも大阪に行くとこの街にまだ彼らは居るんじゃないかと思ってしまう。一人の帰り道、明るくなるのが苦しい時、不器用で変だけど自分なりの正解を見つけようとしてる彼らの話。朝になる前に、きっと誰かがグッと引っ張ってくれる。それが自分なのか誰なのかは分からないがきっとこの映画がその何かになってくれるはず。 磯部鉄平 監督 撮影から2 年。 今でも夜中に自転車で走ってると、マンションや鉄橋や高架下から新平と佳純が歩いてくるんじゃないか。 と思ったりしてます。たまに。 冬の映画を、冬に見てください。 「夜のまにまに」 出演:加部亜門、山本奈衣瑠、黒住尚生、永瀬未留、辻凪子、岬ミレホ、木原勝利、日永貴子、川本三吉、時光陸、大宅聖菜、辰寿広美、緒方ちか 監督・脚本・編集:磯部鉄平 主題歌:奇妙礼太郎『朝までのブルース』 作詞・作曲:早瀬直久 プロデューサー:和田裕之、渡辺晃司、砂川仁成、谷口慈彦 脚本:永井和男 撮影:小林健太 録音:杉本崇志 制作:内藤由美 助監督:高木啓太郎 ヘアメイク:夏海 音楽:kafuka(江島和臣) HP・ポスターデザイン:河合良美/スチール:大木仁博 宣伝協力:平井万里子 キネプレ 配給協力・宣伝協力:SPOTTED PRODUCITONS 配給・宣伝:ABCリブラ 製作:belly roll film/ABCリブラ/JAPAN Wing/エイチエスプロモーション 2023 年/カラー/ステレオ/DCP/116 分 ©belly roll film