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時を超えた再会の行方は──。山田太一の小説世界がイギリスに甦る「異人たち」
2023年9月15日不思議な出会いとともに思わぬ運命に翻弄されていく主人公の姿を綴った山田太一の小説『異人たちとの夏』(新潮社刊)を、「荒野にて」「さざなみ」のアンドリュー・ヘイ監督により映画化した「異人たち」が、2024年春に公開。ティザービジュアルが到着した。 名脚本家の山田太一が1987年に発表し、第1回山本周五郎賞を受賞、大林宣彦監督により映画化もされた小説が、イギリスを舞台に再映画化。 キャストにはアンドリュー・スコット(「1917 命をかけた伝令」「007/スペクター」)、ポール・メスカル(「ロスト・ドーター」「aftersun/アフターサン」)、ジェイミー・ベル(「リトル・ダンサー」「ロケットマン」)、クレア・フォイ(「ファースト・マン」「ウーマン・トーキング 私たちの選択」)らイギリス・アイルランドの実力派俳優が名を連ねる。 ワールドプレミア上映が行われたアメリカのテルライド映画祭では、「まさに傑作」(TheWrap)、「(アンドリュー・)スコットと(ポール・)メスカルのセクシャルな化学反応」(The Hollywood Reporter)、「時代を超えた、魂を揺さぶる愛の讃歌」(IndieWire)といった賛辞が寄せられた。時を超えた儚いヒューマンファンタジーに注目だ。 Story 夜になると人の気配が遠のくロンドンのタワーマンションに、一人で暮らす脚本家のアダム(アンドリュー・スコット)。謎めいた住人のハリー(ポール・メスカル)と出会い、関係が深まるにつれ、遠い子ども時代の世界に引き戻されていく。そして12歳の時に交通事故で亡くなった両親(ジェイミー・ベル、クレア・フォイ)が当時の姿で現れると、アダムの閉ざした心は解放され、安らぎのひと時が訪れる。だがその先には、思いがけない世界が広がっていた……。 「異人たち」 監督:アンドリュー・ヘイ 原作:「異人たちとの夏」山田太一著(新潮社刊) 出演:アンドリュー・スコット、ポール・メスカル、ジェイミー・ベル、クレア・フォイ 原題:ALL OF US STRANGERS 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン ©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved. 公式サイト:https://searchlightpictures.jp -
金融業界での野心と成功が、恋人たちを引き裂く。「Fair Play/フェアプレー」
2023年9月15日『ブリジャートン家』のフィービー・ディネヴァーと「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」のオールデン・エアエンライク共演で、金融業界でエゴに溺れた男女の愛憎を描いたNetflix映画「Fair Play/フェアプレー」が、Netflix独占配信に先駆けて9月29日(金)より一部劇場で公開。ポスターと予告編が到着した。 恋人同士のエミリーとルークが働くのは、競争の激しいヘッジファンド。婚約して仕事もプライベートも順風満帆な二人だったが、エミリーに昇進話が持ち上がったことでパワーバランスが崩れ、不穏なムードに。野心と成功の代償に直面した彼らが最後に選ぶのは、仕事か愛か? 映画は本年度のサンダンス映画祭とトロント国際映画祭に出品された。これが初長編となるクロエ・ドモント監督が、目まぐるしい世界でのジェンダーダイナミクスに焦点を当てて紡いだサスペンスに注目だ。 「Fair Play/フェアプレー」 監督・脚本:クロエ・ドモント 出演:フィービー・ディネヴァー、オールデン・エアエンライク 公式サイト:https://www.cinema-lineup.com/fairplay -
社会現象となった「アメリ」がデジタルリマスター版で復活。著名人コメント到着
2023年9月15日オドレイ・トトゥ主演で空想好きな女の子の不器用な恋の顛末を描き、社会現象を巻き起こした「アメリ」(2001)が、ジャン=ピエール・ジュネ監督自らの監修によりデジタルリマスター化。11月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ユーロスペースほかで全国順次公開される(ユーロスペースでは初公開時と同じ35mmフィルムでの上映あり)。ポスタービジュアルと著名人コメントが到着した。 〈コメント〉(敬称略・五十音順) めまぐるしく変化していく世界から、どんなピースを集めて人生を彩りましょうか。 夢中でいれば、世界がちゃんと運んでくれる、そんな魔法が詰まった映画だと思います。 ──青葉市子(音楽家) 「こじらせ女子」なんて言葉がなかった頃の、幸せな個性のこじらせ方。 自信が持てない人でも心の殻を破る勇気がもらえる映画です。 ──有賀薫(スープ作家) 誰かの日常を少しだけ幸せにすること。それは彼女にも、とっておきの小さな幸せ。積み重ねた小さな悪戯が、特大の幸せになって彼女のもとにやってくることを願わずにいられない。 ──小谷実由(モデル) アメリを観ると悔しくなる。ふくらむ妄想も幸せなイタズラもアイデアに溢れているから。魔法がなくても日常はファンタジー、それに気づかせてくれるアメリ。大好きです。 ──COFFEE BOY(イラストレーター) 大人の毎日は味の薄いスープに似ている。 しかしほんの少しの嘘や工夫をスパイスにとびきり美味しくすることができるのだ。 きっと彼女はそれを誰よりも理解している。 ──原田ちあき(イラストレーター/漫画家) ある意味、最高のフード映画です。 クリームブリュレをスプーンでカチ割るのも、 さくらんぼを耳に掛けてイヤリングにするのも、 フランボワーズを指サックにして食べるのも、 全部アメリに教わりました。 ──福田里香(菓子研究家) 小学生の時、奥の部屋のドアに深緑の『アメリ』のポスターが貼ってあった。「魔法使いかな?」と中学生になって映画を見ると、それは手作りの魔法を教えてくれた。パリのオレンジ色の夕方のような。 ──真舘晴子(The Wisely Brothers/ミュージシャン) あの頃の自分に、あの頃のアメリに、もう一度出会える。 その出会いは自分の価値観と可能性を大きく変えてくれた。 また再び、止まらないドキドキを体感したい。 ──美波(俳優・アーティスト) 学生時代、理解出来ない自分が悔しく何度も見返した思い出の映画。 私にも私だけの特別な世界があり、それがお仕事に繋がっている事に気づけた時は幸せを感じました。 ──安本彩花(アイドルグループ私立恵比寿中学メンバー) 10代の私にとっての『アメリ』はオシャレでキュートな恋の映画でした。 40歳になった私の『アメリ』は切なく深く愛しい人間たちの映画になっていました。 ──やまもとりえ(漫画家) Story 風変わりな両親のもとに生まれたアメリは、父の誤解から学校に通えず、空想の世界で一人遊びする子ども時代を過ごした。大人になった今はパリの下町、モンマルトルに一人で暮らしている。恋人や同世代の友達はいなくても、カフェ〈ドゥ・ムーラン〉の個性的な同僚や常連客に囲まれた毎日は居心地がよい。そんな中、アメリのとあるお節介から小さな奇跡が起きる……。 「アメリ デジタルリマスター版」 監督・脚本:ジャン=ピエール・ジュネ 出演:オドレイ・トトゥ、マチュー・カソヴィッツ 2001年/フランス/フランス語/121分/シネスコ/日本語字幕:齋藤敦子/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム ©2001 UGC IMAGES-TAPIOCA FILM-FRANCE 3 CINEMA-MMC INDEPENDENT-Tous droits reserves 公式サイト:amelie-film.com -
映倫 次世代への映画推薦委員会推薦作品 — 映画「ダンサー イン Paris」—
2023年9月15日現役バレリーナが、ダンサーの挫折と再生をリアルに体現 愛猫の失踪がもたらす予期せぬ波紋を追う「猫が行方不明」(96)で、日本でも一躍その名を知られたセドリック・クラピッシュ監督は、あるフランス人青年の紆余曲折を「スパニッシュ・アパートメント」(02)に始まる3部作で見守るなど、まわり道をすることの意義や、だからこそ見える情景の愛しさを、撮り続けてきた。夢に迷う女性ダンサーの再出発を描く本作でも、圧巻の冒頭をはじめ大胆な挑戦を随所で試みるも、そんな本質は変わらない。 役者デビューにして主演を務めるのは、実際にもパリ・オペラ座バレエ団で活躍するマリオン・バルボー。バレエ一筋に邁進してきた彼女が、映画という新たな舞台で未知なる俳優業に真摯に取り組む姿は、二度とバレエを踊れないかもしれない不安と闘いつつ、他ジャンルのダンスに活路を見出す主人公像とも重なり、フィクションではあるがリアルな感銘を生む。立ち止まらなければ出逢うこともなかった、さまざまな人とふれ合う中で、大きな一歩を踏み出すダンサーの変貌の軌跡を、心と身体の強い結びつきを印象づける、趣豊かな表現で演じきる。 脚が不自由だが、芸術をこよなく愛するレジデンスの女性オーナー(ミュリエル・ロバン)が、〝特別な〞存在ではない者の心意気をも、凜々しく体現。バレエへ導いた母親を早くに亡くしたエリーズとの、疑似母娘のごとき親密な交友に、〝推し〞のいる日常にときめくファンと、彼らに支えられ輝きを増す演者との理想の関係性も窺え、胸が熱くなる。 息を呑む緊迫感のバレエシーンで幕を開け、観る者の魂まで解放されるコンテンポラリーダンスで締めくくられる。対照的な舞踊の醍醐味を、ひとりの女性の進化を追体験しながら堪能できる、贅沢な逸品だ。 文=服部香穂里 制作=キネマ旬報社 (「キネマ旬報」2023年9月号より転載) https://www.youtube.com/watch?v=TKHm5DsELjk 「ダンサー イン Paris」 【あらすじ】 パリ・オペラ座バレエ団でエトワールを志すエリーズは、公演中に恋人の浮気を知り心乱れて足首を痛め、踊れなくなる可能性を医師に示唆される。失意の中、かつてバレエを諦めた友人に、料理アシスタントの職を紹介されてブルターニュに赴いたエリーズは、注目のコンテンポラリーダンス・カンパニーの練習に飛び入り参加し、新たな夢を模索する。 【STAFF & CAST】 監督:セドリック・クラピッシュ 出演:マリオン・バルボー/ホフェッシュ・シェクター/ドゥニ・ポダリデス/フランソワ・シヴィル 配給:アルバトロス、セテラ フランス=ベルギー/2022年/118分/区分G 9月15日(金)より全国順次公開 ▶公式HPはこちら © 2022 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE - STUDIO CANAL -FRANCE 2 CINEMA -
ゴダール「軽蔑 60周年4Kレストア版」、愛の終焉ドラマが鮮烈に甦る
2023年9月14日アルベルト・モラヴィアの小説を原作に、ジャン=リュック・ゴダールがキャストにブリジット・バルドー、ミシェル・ピッコリ、ジャック・パランス、ジョルジア・モール、さらに巨匠フリッツ・ラングを迎えて “愛の終焉” を描いた「軽蔑」(1963)が、60周年を記念した4Kレストア版で復活。11月3日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 ポスタービジュアルは、「地獄の黙示録 ファイナル・カット版」などのオルタナティブポスターで知られるベルギーのアーティスト、ローラン・デュリューが制作。 220時間に及ぶ作業で、色彩や照明のずれなど時間経過に伴う欠陥が補正され、2023年カンヌ国際映画祭クラシック部門で上映された4Kレストア版。甦った鮮烈な映像世界を堪能したい。 Story 劇作家のポールは、アメリカから来たプロデューサーのプロコシュより、フリッツ・ラングが監督する大作映画「オデュッセイア」の難解な脚本を修正するよう依頼される。プロコシュはポールの妻カミーユに関心を寄せ、カミーユは愛し合っていたポールに軽蔑の眼差しを向け始める。カミーユを問い詰めるポールだが、核心には迫れない。不穏なムードのままロケ地のカプリ島を訪れた彼らは、決定的な瞬間を迎えることに──。 「軽蔑 60周年4Kレストア版」 監督:ジャン=リュック・ゴダール 原作:アルベルト・モラヴィア 出演:ブリジット・バルドー、ミシェル・ピッコリ、ジャック・パランス、ジョルジア・モール、フリッツ・ラング 1963/フランス/カラー/フランス語、イタリア語、英語、ドイツ語/104分 配給:ファインフィルムズ 映倫:G © 1963 STUDIOCANAL - Compagnia Cinematografica Champion S.P.A. - Tous Droits réservés