記事
「へから始まるもの」の検索結果
(50件)
-
世界最大の辞典「オックスフォード英語大辞典」は、どのようにして生まれたのか?
2021年3月24日世界最大の辞典「オックスフォード英語大辞典」は、どのようにして生まれたのか? 天才学者×哀しき殺人犯が世紀のプロジェクトに挑む、驚きの実話を映像化した『博士と狂人』 41万語以上の収録語数を誇る世界最大の辞典「オックスフォード英語大辞典」は、どのようにして生まれたのか? その誕生秘話に迫ったノンフィクション小説に惚れ込んだ名優メル・ギブソンが、20年以上の歳月をかけて待望の映画化を実現させた渾身作『博士と狂人』。貧しい家に生まれ学士号を持たない天才学者マレーと、戦争でPTSD(外傷後ストレス障害)を患い誤殺事件を起こしてしまった優秀な従軍医のマイナーの運命が“世紀の辞典づくり”という一大プロジェクトによって引き寄せられていく。 しかし、辞書の編纂に殺人犯が関わっているという事実は世間の反感を買い、プロジェクトは中断。やがて内務大臣のウィンストン・チャーチルや王室をも巻き込む事態へと発展していくのだが――。本作は、そんな一大プロジェクトに身を捧げた2人の男の固い絆を描いたヒューマン・ドラマである。 メル・ギブソンとショーン・ペン、ハリウッドの二大演技派俳優が初共演! 愛する家族との時間を犠牲にし、生活の全てを辞書づくりに費やす信念の男マレーを演じるのは、『ブレイブハート』(’95)や『ハクソー・リッジ』(’16)など映画監督としても高い評価を得るメル・ギブソン。戦争のPTSDで幻覚に悩み、誤殺事件を起こして精神科病院に収容される犯罪者マイナーを『ミスティック・リバー』(’03)と『ミルク』(’08)で二度アカデミー賞主演男優賞を獲得したショーン・ペンが熱演している。 また、マイナーに夫を殺されるも次第に心を許していく未亡人イライザ役に『ゲーム・オブ・スローンズ』(’12~’16)のナタリー・ドーマー、マイナーの良き理解者となる看守のマンシー役に『おみおくりの作法』(’13)のエディ・マーサンといった豪華実力派俳優が集結。マレーとマイナーの物語を軸に、それぞれの登場人物のドラマにもしっかりと焦点が当てられ、群像劇としての見どころも多い。 「言葉」を介して出会った男と男の強い絆を丁寧に描出 辞書をつくる人々を描いた映画というと、三浦しをんの小説を映像化した石井裕也監督作『舟を編む』(’13)を連想する人も多いだろう。言葉をひとつひとつ拾い集め、定義付けていくという気が遠くなるような作業。そんな辞書づくりの過程や苦労は本作でも十二分に描かれる。「英語を生活言語とする人」1,000人から、単語と、その単語が最初に使われた文献の引用文を送ってもらうというのだ。無謀な作業に行き詰まっていたマレー。そんな彼のボランティアを募る声明文を偶然目にしたマイナーは、辞典づくりこそが自らの病を改善させる糸口になるのではないかと協力を申し出る。何の接点もない2人が、それぞれの目的を胸に「言葉」という大海に舟を漕ぎ出した瞬間である。 しかし、それ以上に観る者の胸を打つのは、マレーとマイナーの立場も境遇も超えた固い友情だ。無限の可能性を秘めた「言葉」を介して出会った2人の絆は、人生であり得ないことなど何ひとつないこと、愛することや許すことの大切さを私たちに教えてくれる。また、狂気を抱え贖罪に押しつぶされそうになりながら希望を捨てなかったマイナーを鬼気迫る演技で体現したショーン・ペンにも、心からの拍手を贈りたい。 文=原 真利子/制作=キネマ旬報社 『博士と狂人』 ●3月24日(水)デジタル配信・Blu-ray発売・DVDレンタル開始 Blu-ray情報はこちら 配信サービス情報はこちら ●Blu-ray 5,280円(税込) ●2018年/イギリス 、 アイルランド 、 フランス 、 アイスランド/本編124 分+特典映像 10 分 ●監督・脚本/P.B. シェムラン、共同脚本/トッド・コマーニキ 出演/メル・ギブソン、ショーン・ペン、ナタリー・ドーマー、エディ・マーサン、ジェニファー・イーリー、スティーヴ ・ クーガン ●発売元:カルチュア・パブリッシャーズ/販売元: ポニーキャニオン/レンタル販売元:カルチュア・パブリッシャーズ ©2018 Definition Delaware, LLC All Rights Reserved -
こんな時だから改めて“家族”の良さを実感。 『浅田家!』を始め、優しく温かい家族の物語!
2021年3月19日こんな時だから改めて“家族”の良さを実感 『浅田家!』を始め、優しく温かい家族の物語! ©2020「浅田家!」製作委員会 新型コロナウイルス感染対策による自粛生活も1年が過ぎ、これまでの日常が大きく変わる中、家族と過ごす時間が増えた方も多いのではないでしょうか。今回は、ユニークな家族写真を撮り続けた写真家・浅田政志の実話を基に、温かい家族の絆をユーモアを交えて描いた『浅田家!』を始め、じんわり温かな気持ちになる家族の姿を描いた作品をご紹介します。 1.映画「浅田家!」 映画「浅田家!」の作品概要 二宮和也主演、中野量太監督による実在の写真家と彼を支えた家族の物語。父の影響で幼い頃から写真を撮っていた政志は、家族全員でなりたかった職業などに扮したユニークな家族写真で権威ある賞を受賞。それを機に各地の家族写真を撮るようになるが、東日本大震災が発生し…。 映画「浅田家!」の見どころ 予測不能な次男坊を受け入れる家族と、好きなことをする苦労と幸せを活写! 摑みどころがなく突拍子もない次男坊の主人公、政志。弟に巻き込まれその無茶なお願いにも協力する兄ちゃん、大らかで少し天然な母に、家族のために主夫となり温かく見守る父。二宮和也を始めとする芸達者な役者陣が、近所にいそうな家族を自然体で演じ、映し出されるその日常が愛おしくなります。ここに幼馴染みで腐れ縁の、黒木華演じる女性が注ぐ愛情が加わり、つくづく政志は幸せ者だなと羨望の念が湧くほど。家族の温かさと、好きなことを続ける苦しさと幸せについて考えさせられる珠玉の物語です。 発販:東宝より3月17日リリース 2.映画「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」 発販:バップよりリリース中 映画「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」の見どころ ゲームから始まる不器用な親子の交流に涙 突然会社を辞めた父を息子がオンラインゲーム「ファイナルファンジー」の世界へ誘い、自分の正体を隠して一緒に冒険に出るという実話を実写化。息子はゲームの世界で今まで知らなかった父の姿に触れていくうちに、現実の家族、仕事にも変化が訪れます。終盤のラスボス戦はゲーム、現実共に感動必至です。 3.映画「湯を沸かすほどの熱い愛」 発販 ・セル:クロックワークス/TCエンタテインメント ・レンタル:クロックワークスよりリリース中 映画「湯を沸かすほどの熱い愛」の見どころ 母の愛は無限大! 無上の愛が家族を結ぶ感動作 余命僅かであることを知った母が、その日から“絶対にやっておくべきこと”を実行していく姿を描いた、中野量太監督の渾身の1作。見た目は儚げな宮沢りえ演じる母の、無上の愛溢れるパワフルな行動に終始感情が揺さぶられていきます。そしてそれに応えた、残された家族の母の“葬り方”。鑑賞後に見るタイトルに震えます。 4.映画「海街diary」 発販:フジテレビジョン/ポニーキャニオンよりリリース中 映画「海街diary」の見どころ 鎌倉を舞台に丁寧に綴られる四季と四姉妹の営み 吉田秋生の人気コミックを是枝裕和監督が実写化。鎌倉に住む三姉妹と、そこにやって来た腹違いの妹が織り成す日常を丁寧に描いた本作は、個性の異なる姉妹が時に衝突しながらも重ねていく日々の尊さを感じます。また、末娘を演じる広瀬すずの無垢で鮮烈な、魅力溢れる姿を見られるのも◎。 今回ご紹介した作品は、誰にとってもいちばん身近な家族という存在を題材にした秀作ばかりです。コロナ禍が続き家族と過ごす時間が増えている今、これらの作品をご覧になって改めて家族について考えてみてはいかがでしょうか。 映画「浅田家!」 制作=キネマ旬報社 -
【あの頃のロマンポルノ】第7回 田中登監督の「人妻集団暴行致死事件」
2021年3月19日2021年に、日活ロマンポルノは生誕50年の節目の年をむかえました。それを記念して、「キネマ旬報」に過去掲載された記事の中から、ロマンポルノの魅力を様々な角度から掘り下げていく特別企画「あの頃のロマンポルノ」。「キネマ旬報WEB」とロマンポルノ公式サイトにて同時連載していきます。 今回は、ロマンポルノ作品として1978年第52回「キネマ旬報ベスト・テン」の日本映画第9位に選ばれた『人妻集団暴行致死事件』をピックアップ。1978年8月下旬号より、寺脇研氏による『田中登監督の「人妻集団暴行致死事件」』を転載いたします。 1919年に創刊され100年以上の歴史を持つ「キネマ旬報」の過去の記事を読める貴重なこの機会をお見逃しなく! 若者たちの〈甘え〉とそれを許す中年の男女 いかにも直裁な題名だ。登場人物たちが紹介され情況が説明された段階で、すでにして物語の結末は明らかになってしまう。その「人妻集団暴行致死事件」へ向けて、映画は小気味よいほどの調子で進んでいく。次に何が起きるか、という期待を観る側に持たせる方法ではなく、あらかじめ示した終結点へ力強く運んでくれるのだ。 そもそも事件の発生自体、蓋然性からのものというよりは必然的に起きるべくして起きたといえる。中年男は、ついていなかった、と述懐するけれど、決してそうした偶然の所産ではない。彼が若者たちの〈甘え〉を許したこと、そればかりか仲間意識を持って同化しようとしたことが悲劇的結末を生むのは予測に難くあるまい。三人の若者たちを取りまく環境、社会、そして何より〈甘え〉に満ちた軟弱な性格、それと反比例して強烈な性欲は、犯罪を惹起せずにはおかなくなる。 若い心の中には、誰しもある種の獣性が宿っている。自ら馴致できるかどうかは紙一重だ。たとえば同じ日活・白鳥信一監督「課外授業・熟れはじめ」は、高校生の性と生活を楽天的に明るく描いた好篇だったが、そこに現われている健全な青春を送る少年たちにしても、一歩まちがえれば歪んだ欲望の深淵に落ちるに違いない。だから、三人組も、中年男の言うように「そんなに悪い奴じゃない」のであり、〈甘え〉や獣性は若さの切り離せない附属物なのだ。 男ばかりではない。性犯罪の上では被害者の立場になりがちな若い女たちの方にも、〈甘え〉と獣性はある。三人が放縦な交渉をする相手になるスケ番あがりの娘たち。さらに靴工場で働く少女ですら、挑む若者をいったんは退けながら、独り暮らしの寂しさを露呈してしまい、男を招き入れる。組みしかれて大仰に悔んでみせても、意識下に働いた欲望を否定することはできない。 こうした若者の〈甘え〉と獣性を、正面から取り上げるのでなしに、中年の男女とからませて相対化して扱っている。田中登監督の前作「女教師」ではオトナたちと少年たちの対比はさほど鮮明ではなかった。それがこの作品では、くっきりと対照され、中年夫婦を鏡にして若さの実像が写し出される。この構造のありかたは、同じものを法や裁きという鏡に写し出そうとしてみせた野村芳太郎監督「事件」を想起させる。 しかし、この田中登監督会心の一作の方が、はるかに鋭くきびしく若さの陰の部分を頚上に載せている。法だの裁きだの、いわば血の通っていない無機質のものと相対させても、〈甘え〉や獣性の醜さは浮き彫りにされてこない。若者たちと同じく血の通った、まさに集団暴行されれば死んでしまうような生身の人間たちの生きざまと対峙させて、はじめて正しく認識させ得るのだ。まして、中年夫婦は、昔同じように〈甘え〉と獣性たっぷりの青春を送ってきている存在だ。二十年後の彼ら若者たちが二重写しになっているといえる。「野良猫ロック・マシンアニマル」など旧日活青春映画で不良少女を好演していた黒沢のり子が中年の女であるだけに、なおさらその感が強い。 毒を喪くした男の異様なまでの嘆きと哀しみ。死に致らしめた若者たちへの怒りよりも、自身への悔恨の思いが先立っている。心臓の病を知らせることさえ容易にできなかった妻、気取ることのできなかった自分。自責の念に追われて若者たちへの憤怒は没却される。〈甘え〉にまみれた彼らは過ぎた日の自分でもあるわけなのだから。 若さは強い。中年男女の生活をふみにじっても、平気で先へと進み続ける。うちの一人は、靴工場の少女と同棲し、結語の部分では笑いさざめきあう楽しい暮らしぶりを見せるほどだ。醜い面なんかふっとばして若さを謳歌する。だが、彼らもまた死んでいった中年夫婦のように、〈若さ〉からしっぺ返しを食う日が、いつか来る 文・寺脇研 「キネマ旬報」1978年8月下旬号より転載 「人妻集団暴行致死事件」 監督: 田中登 脚本:佐治乾 価格:3,800円+消費税 発売:日活株式会社 販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング 日活ロマンポルノ 日活ロマンポルノとは、1971~88年に日活により製作・配給された成人映画で17年間の間に約1,100本もの作品が公開された。一定のルールさえ守れば比較的自由に映画を作ることができたため、クリエイターたちは限られた製作費の中で新しい映画作りを模索。あらゆる知恵と技術で「性」に立ち向い、「女性」を美しく描くことを極めていった。そして、成人映画という枠組みを超え、キネマ旬報ベスト・テンをはじめとする映画賞に選出される作品も多く生み出されていった。 オフィシャルHPはこちらから -
韓国時代劇の名作『オクニョ 運命の女(ひと)』が愛され続ける理由とは ?
2021年3月17日韓国時代劇の名作『オクニョ 運命の女(ひと)』が愛され続ける理由とは ? 韓国時代劇の名作『オクニョ 運命の女(ひと)』が、お得なコンパクトセレクションDVDシリーズでリリース。そこで、『オクニョ 運命の女』の魅力を今改めて紐解くと共に、いつの時代も愛される韓国時代劇を厳選してご紹介します。 多彩なキャストが織りなす時代劇 『オクニョ 運命の女』の見どころ 16世紀半ばの朝鮮王朝時代。刺客に襲われた妊婦が監獄に逃げ込み、女児を出産後に命を落とす。オクニョと名付けられ、監獄で育てられた彼女には生まれ持った才能があった。囚人たちから教わる法や易経などの知識や武芸を修得し、成長したオクニョは、やがて母の死の真相を明らかにする中で、国を揺るがす陰謀に巻き込まれていく…。 見どころは何といっても、多彩なキャストが時代劇で魅せる演技力。典獄署で生まれ育ち、囚人たちから幅広い知識や武芸を学び、何をやっても並はずれた力を発揮する、明るく元気で聡明なオクニョを演じるのは、今や新世代の「時代劇クイーン」の異名を持つチン・セヨン。本作は、彼女をトップ女優の座に引き上げた作品と言えるだろう。監獄育ちでありながら、母の死の真相を突き止めたいと願う、聡明にして芯の強いヒロイン像を本作で確立させた彼女の演技はまさに必見である。 そして、頭脳明晰で腕っ節が強く、商売を広げて金と権力を手に入れ、ある目的を果たそうとしている商人のユン・テウォンを演じるのは実力派俳優コ・ス。初の時代劇作品として本作に出演し、普段はぶっきらぼうだが、いざとなるとオクニョを助けるユン・テウォンを熱演し、「朝鮮時代のツンデレ」というニックネームも付いた。 ほかにも、『ホジュン~宮廷医官への道~』以来、イ・ビョンフン監督とは2度目のタッグとなるチョン・グァンリョル扮する、典獄署(チョノクソ)の地下牢に20年間囚われていた謎の人物でオクニョに武術と学問を教え、身を呈してオクニョを守る姿は必見。また、朝鮮3大悪女として名高いチョン・ナンジョン役を好演したパク・チュミは、主役を圧倒するほどの演技力で物語をより際立たせている。 『オクニョ 運命の女(ひと)』が愛され続ける理由とは? その1:韓国時代劇の巨匠イ・ビョンフン監督が作る“勧善懲悪”の世界 本作が愛される理由は、何と言っても、本作品が韓国時代劇の巨匠イ・ビョンフン監督最新作であることだ。イ・ビョンフン監督と言えば、『宮廷女官チャングムの誓い』、『イ・サン』、『トンイ』など、数々の名品を世に送り出してきたことで有名。その巨匠が満を持して作ったのが本作である。イ・ビョンフン監督の作品には「安心感」がある。最も特徴的なのが、ほとんどの作品に共通するテーマが“勧善懲悪”な物語であること。主人公は悪役の存在により、何度も窮地に立たされるが、様々な努力の末に道を切り拓いていく。そして悪役は最後に必ず罰を受ける。この「悪いものは必ず最後に罰を受ける」という徹底した“勧善懲悪”こそが作品と観る者に「安心感」を与えているに他ならない。 その2:「安心感」、「人間味あふれる悪役」、「魅力的な脇役」 また、「人間味あふれる悪役」の存在もイ・ビョンフン監督作品の特徴の一つとしてあげられる。例えば、『トンイ』の序盤では決して悪役として描かれていないチャン・ヒビン(張禧嬪)は、トンイの出現によって、次第に粛宗(スクチョン)からの寵愛を失うことになる。やがて、一人の女性としての嫉妬心がチャン・ヒビン(張禧嬪)を悪女へと変えていくのだが、そこに至るまでの、葛藤や苦悩もしっかりと丁寧に描いているところも魅力的である。 他にも、イ・ビョンフン監督の作品には「イ・ビョンフンファミリー」と呼ばれる脇役陣が数多く登場する。本作では、コン・ジェミョン(商団の大行首)役を演じたイ・ヒドや、チョン・マッケ(チョン・ナンジョンの兄)役を演じたメン・サンフンなど、イ・ビョンフン監督の作品では、お馴染みの顔ぶれがコミカルさを与えている。そして、身寄りのない主人公を親のように面倒を見てくれる存在も見逃せない。本作では、チ・チョンドク(オクニョの継父)がオクニョの成長を助けながら、父親らしい人間になろうとする役を務めている。 その3:史実と架空人物を絡めて描き出す権力抗争 イ・ビョンフン監督は、実在した歴史的人物に架空の人物を絡ませて物語を展開させることが特徴的だ。しかしながら本作では、その逆で主人公のオクニョは実在しない。架空の人物オクニョに、実在した人物を絡ませた設定が特徴的である。(本作で歴史的に実在した重要人物は、文定王后、明宗、ユン・ウォニョン、チョン・ナンジョンの4人) 朝鮮王朝史上、数々の悪行を繰り返してきた文定王后、ユン・ウォニョン、チョン・ナンジョン。自らの出生の秘密を追っていく中で、架空の人物であるオクニョが実在した歴史上の人物と真っ向から立ち向かう姿や、史実を絡めた権力抗争も本作の見どころである。 しかしながら、架空の人物であるオクニョが、もし本当に実在したならば、歴史は変わっていたかもしれない。そんな視点からこの作品を観てみると、また違った発見があるかもしれない。 そのほかにもオススメ名品時代劇をご紹介! 『仮面の王 イ・ソン』 韓国で同時間帯視聴率1位を記録した大型時代劇 朝鮮王朝時代。仮面で素顔を隠すことを強いられた王位継承者は、水を独占して富と権力をむさぼる秘密結社の存在を知り、国を取り戻すために運命の闘いに挑む。韓国で同時間帯視聴率1位を記録した大型時代劇。子役時代から演技力に定評があるユ・スンホとキム・ソヒョンは恋の相手役として初共演し、話題に。世子の影武者役をつとめたエル(キム・ミョンス)は時代劇初挑戦とは思えない演技力で好演し、2017年MBC演技大賞で最高の闘魂演技賞を受賞した。 『イニョプの道』 激変する環境に負けず、力強く生きるヒロインを描く 一夜にして両班から奴婢へと転落した令嬢の試練と復讐を、彼女を見守る男たちの愛を絡めて描く。激変する環境に負けず、力強く生きるヒロインを描く。スタート直後、撮影現場の火災事故により1ヵ月の放送中断を余儀なくされるが、最終的には高い視聴率を記録。聡明なヒロインをチョン・ユミ、寡黙で男らしい奴婢に扮したオ・ジホ、純粋ゆえに暴走する若君をキム・ドンウクがそれぞれ熱演している。 いつの時代も愛され続けるイ・ビョンフン監督最新作『オクニョ 運命の女(ひと)』の魅力をスペシャルプライス版で再見すると共に、韓国名品時代劇をぜひ鑑賞してみてください。 文=平松相善/制作:キネマ旬報社 『オクニョ 運命の女(ひと)』コンパクトセレクションDVD-BOX1~5 ●3月17日(水)発売 ●各6,600円(税込) ●発行:NHKエンタープライズ 販売元:ポニーキャニオン ©2016MBC 『仮面の王 イ・ソン』コンパクトセレクションDVD-BOX1~2 ●3月17日(水)発売 ●各6,600円(税込) ●発行:NHKエンタープライズ 販売元:ポニーキャニオン ©2017MBC 『イニョプの道』コンパクトセレクションDVD-BOX1~2 ●好評発売中 ●各6,600円(税込) ●発行:NHKエンタープライズ 販売元:ポニーキャニオン ©JTBC Co.,Ltd. -
【第8回】みうらじゅんのグレイト余生映画ショーin日活ロマンポルノ
2021年3月12日2021年に、日活ロマンポルノは生誕50年の節目の年をむかえました。それを記念して、ロマンポルノの魅力を様々な角度から掘り下げる定期連載記事を、本キネマ旬報WEBとロマンポルノ公式サイトにて同時配信いたします。 衛星劇場の協力の下、みうらじゅんがロマンポルノ作品を毎回テーマごとに紹介する番組「グレイト余生映画ショーin日活ロマンポルノ」の過去の貴重なアーカイブから、公式書き起こしをお届けしたします。(隔週更新予定) 2012年5月放送、第8回のテーマは「軟乳」 どうも、みうらじゅんと申します。今回の「グレイト余生映画ショー In 日活ロマンポルノ」第8回を迎えることになりました。今回のテーマは「軟乳」ということでございます。軟式と硬式があるように、オッパイにも軟乳と硬乳があるということでしょうか? 生まれた瞬間から始まる、余生へのカウントダウン。残された人生をよりハッピーエンド&グレイトにすごすため、男たちの永遠のバイブル!日活ロマンポルノ青春ロードショー!今晩のオカズは究極のとろけ〜るオッパイ!大きいだけじゃものたりない、メンズもてあそんじゃう、デンジャラスな果実を大特集!!変幻自在に波打つスィング、自由奔放なヤツからもう目が離せない。重力と慣性が交錯する魔法の方程式「乱入」♡ 今回の特集、日活ロマンポルノ中でもとりわけ軟乳そうな方たちをお呼びして見てみようということでございます。『新妻地獄』では谷ナオミさん。『新・団地妻 売春グループ13号館』は珠瑠美さん、『団鬼六 OL縄奴隷』は麻吹淳子さん『団鬼六 美教師地獄責め』は真咲乱さんの軟乳をとくとご覧あれ。 ここで、おっぱい考察をして行こうと思います。「三大乳」と呼ばれてるものがあるんじゃないかなと思います。大きく分けて「微乳」「美乳」そして「巨乳」ですね。 そして、巨乳にも色々種類があるって言う事で、こうなってる人、寝たときに広がりがある人、北ウイングと南ウイングに分かれる感じの人もあります。 巨乳がどうやわらかいか、図解してみました。下から見上げる時、「やわらかいな〜 いいな〜」みたいな鍾乳洞感をだしているというのが良い「軟乳」ということになりますね。 選んで!みうらさん 今月の厳選作 そして今回上映します『新妻地獄』の谷ナオミさん。もう本当に柔らかそうなおっぱいで、観ていても堪らなかったもんです。 そして今回このシリーズでは初めての放送だと思いますけど『団鬼六 OL縄奴隷』の麻吹淳子さん。麻吹さんの作品は、いくつかこれまでも上映したとおもいますけど、『団鬼六 OL縄奴隷』もものすごくいいですよね。最後ピンクローター、略してピンローを銀行員の方が装着されて遠隔操作されるなんてね、日活ロマンポルノ史上でも名シーンのオチでしょう。 そして、今回始めて登場するのが、真咲乱さん。映画のポスターに「1000ミリバスト」って書いてあります!これまた団鬼六さんの原作がまた、とってもいやらしい設定で、田舎に赴任してきた教師がですね、色んな事に巻きこめまれていくんです。一番特出すべきシーンは、剣道着を着てお尻丸出しになってる「そんな行儀ないだろう」っていうシーンです。 そして珠瑠美さん。この方の作品も1975年製作ですから、『新妻地獄』の谷さんと同じぐらいですね。この方も当時「柔らかいなぁ」と、当時すごく思っておりました。今たくさんおっぱいのおっきい方もAVなんかに出てきてますけど、この頃は、やっぱその柔らかさが美しさの基準だったんじゃないかなぁって思っていました。 ということで、この4本お楽しみに観てください。 『新妻地獄』(1974年) 『新・団地妻 売春グループ13号館』(1981年) 『団鬼六 OL縄奴隷』(1985年) 『団鬼六 美教師地獄責め』(1975年) ※各作品はFANZAをはじめする動画配信サービスにて配信中です 次回はですね、「ロマンポルノ界の〇〇」という特集を無理やり組んでみました(笑)。それではあなたもグレイト余生を! 出演・構成 みうらじゅん プロデューサー 今井亮一 ディレクター 本多克幸 製作協力:みうらじゅん事務所・日活 ■2021年3月放送予定 【衛星劇場】(スカパー!219ch以外でご視聴の方) ・『タクシー野郎 夜の淫花』 ・『ラブホテル』 ・『恥辱の部屋』 ・『高校教師 失神!』 【衛星劇場】(スカパー!219chでご視聴の方) ・『タクシー野郎 夜の淫花』(R-15版) ・『トルコ最新テクニック 吸舌』(R-15版) ・『快楽温泉郷 女体風呂』(R-15版) あわせて、衛星劇場では、サブカルの帝王みうらじゅんが、お勧めのロマンポルノ作品を紹介するオリジナル番組「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ♯94」を放送! ※人気コーナー「みうらじゅんのグレイト余性相談室」では、皆様から性のお悩みや、疑問を大募集! 【日活ロマンポルノ】 日活ロマンポルノとは、1971~88年に日活により製作・配給された成人映画で17年間の間に約1,100本もの作品が公開された。一定のルールさえ守れば比較的自由に映画を作ることができたため、クリエイターたちは限られた製作費の中で新しい映画作りを模索。あらゆる知恵と技術で「性」に立ち向い、「女性」を美しく描くことを極めていった。そして、成人映画という枠組みを超え、キネマ旬報ベスト・テンをはじめとする映画賞に選出される作品も多く生み出されていった。 日活ロマンポルノ公式ページはこちらから