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原発事故の町に動物と暮らす男の現在。「劇場版 ナオト、いまもひとりっきり」
2023年1月18日原発事故による全町避難で無人となった福島県富岡町にひとりで残り、置き去りにされた動物たちの世話を続けるナオト(松村直登さん)を見つめたドキュメンタリー「ナオトひとりっきり」(14)から8年。コロナの蔓延、東京オリンピックを経て、ナオトと動物たちはどうしているかを追った「劇場版 ナオト、いまもひとりっきり」が、2月25日(土)より渋谷イメージフォーラムで公開される。詩人の谷川俊太郎および “Wナオト” としてナオトと対談経験のある元内閣総理大臣・菅直人のコメント、ならびにメインビジュアルと予告編が到着した。 「オラ、何にも悪いことしてねぇ。悪いことしたのは国だべ」 高度経済成長の裏側でカネに翻弄される人生を送ってきたナオト。原発事故後、人生を金で解決したり、命を簡単に処分したりといった理不尽な政策に納得できず、残った動物たちの世話を始めた。生きること、生かし続けることへの闘いが、彼の生きる道となっていた。 前作から8年。ナオトは変わらぬ日々を送りながら、「将来の糧のため」ニワトリと蜜蜂の飼育を始めた。富岡町は帰還可能となったが、若い人たちは戻らない。コロナ禍で開催された「復興五輪」では、PRとして無人の福島を聖火リレーが走り過ぎた。 原発問題に終わりはない。汚染水が海に放出され、原発再稼働の動きが全国で粛々と進み、福島の記憶が薄れていく中、ナオトの生きかたを見つめながら私たちの今を考える。 感動しました、巨大な事実を小さな事実を通して長年個人的に追うことで、現実にひそむ真実が見えてきます。人間も他の生き物と同じ限られたいのちを生きていることを感じさせるドキュメントです ──谷川俊太郎 (詩人) 福島原発事故で、本当に日本の半分が、あるいは全部が壊滅してもおかしくない寸前だった。そのような非常に厳しい環境の中で動物の世話しながら暮らすナオトさんの勇気に感服し、動物たちや自然をけがしてしまった人間の罪深さを改めて感じた。 ──菅直人(元・内閣総理大臣) 「劇場版 ナオト、いまもひとりっきり」 出演:松村直登、松村代祐、半谷信一、半谷トシ子、富岡町の動物たち 撮影:中村真夕、辻智彦 編集:清野英樹 監督:中村真夕 製作・編集協力:山上徹二郎 製作・配給:Omphalos Pictures, Siglo 配給・宣伝協力:ALFAZBET 2023年/日本/日本語/HDV/カラー/106分 -
累計発行100万部を超える平尾アウリのコミックをドラマシリーズに続き映画化した「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」が、5月12日(金)より新宿バルト9ほかで全国公開。乃木坂46の元メンバー・松村沙友理が演じる主人公えりぴよの “推し” である市井舞菜(いちいまいな)の誕生日となる1月18日に合わせ、場面カットが解禁された。 フリーターのえりぴよは、地元・岡山のマイナー地下アイドル・ChamJam(チャムジャム)のメンバーである市井舞菜に人生を捧げる伝説的なファン。自身の服は高校時代の赤ジャージのみ、全収入を舞菜の応援に注ぎ込み、24時間彼女を思い、全力でその名を呼び、布教に明け暮れるなど、推しが生きる活力になっている。 場面カットは、えりぴよが仕事先のパン屋で市井舞菜の等身大パネルと肩を組み、恍惚としている一枚。この“布教”シーンをはじめ、劇中ではパワーアップした推し活を見せてくれそうだ。 「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」 出演:松村沙友理、中村里帆、MOMO(@onefive)、KANO(@onefive)、SOYO(@onefive)、GUMI(@onefive)、和田美羽、伊礼姫奈、豊田裕大、ジャンボたかお(レインボー) 原作:平尾アウリ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」(COMICリュウWEB/徳間書店) 監督:大谷健太郎 脚本:本山久美子 音楽:日向萌 製作:「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会 配給:ポニーキャニオン ©平尾アウリ・徳間書店/「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会 公式HP:oshibudo-movie.com 公式Instagram/Twitter:@oshibudo_abc
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主題歌はいきものがかりに決定。役所広司、菅田将暉、森七菜共演「銀河鉄道の父」
2023年1月18日宮沢賢治の父・政次郎を主人公に一家の家族愛を綴り、第158回直木賞を受賞した門井慶喜の小説を、主演に役所広司、共演に菅田将暉と森七菜を迎え、「八日目の蟬」「いのちの停車場」の名手・成島出のメガホンで映画化した「銀河鉄道の父」が5月5日(金・祝)より全国公開。主題歌がいきものがかり『STAR』に決定し、主題歌入り特報映像が解禁された。 2人体制になってから初の映画主題歌として『STAR』を書き下ろしたいきものがかり。コメントは以下の通り。 吉岡聖恵 映画『銀河鉄道の父』というこの作品がとてもあたたかみのある作品だと思いました。賢治の妹、トシへの深い愛情、そして、その中で新しい作品が生まれていくこと、それがとても印象的でした。そして、賢治をまるごと包み込む父、政次郎の深い愛情を感じました。たくさんあたたかさを感じる作品で、拝見してたくさん涙しました。私としては出産が近づく中での歌唱だったので、この曲に親子の関係をおもいながら、あたたかな気持ちで歌わせて頂きました。語るように歌いながら、一方であたたかく深い気持ちが爆発するような歌でもあると思います。心の中に熱いものを持ちながら歌いました。作中にある賢治の父、政次郎と賢治の関係に思いを馳せながら、自分にとってとても貴重なタイミングでこの歌を歌わせていただいた事がとても素晴らしい体験となりました。母になった今、出来上がったこの曲を、うんうん、としみじみ聞いてしまいます。自身の心境にリンクする曲にもなりました。 水野良樹 (映画を観て)やっぱり息子の顔が浮かんで、しょうがなかったですね(笑)。こんなことを言ったら怒られると思うのですが「俺も政次郎だよ!」と心のなかで叫びたいくらいで。そして、やはり各シーンでときに静かに、ときに激しく、生と死のあわいに身を寄せる相手に、言葉を送ろうとする登場人物たちがとても愛おしかったし、心打たれました。他人からみたら、大袈裟で、滑稽にみえるほど、相手を一生懸命に肯定するという瞬間が、人と人とのつながりのなかでは、ごくまれに生まれることがあると思います。誰かが誰かを肯定することを、優しく包み込めるような楽曲にできればいいなと思ってつくりました。いきものがかりというグループにとっても、このタイミングで親と子を描く作品に関わらせていただけることに、勝手ながら、なにか運命めいたものを感じました。 ユーモアと人間味あふれる父・政次郎をはじめ、宮沢家の面々が次々と映し出される特報映像。賢治が家業を継ぐと信じて疑わなかった政次郎だが、「イヤです」と反発されて面食らい、父と息子の戦いの日々が始まる。 農業大学への進学、人造宝石での商売、宗教など、我が道を行く賢治に困惑し、ぶつかってしまう政次郎。それでも賢治への愛は揺るがない。「お前は父でありすぎる」と爺に言われながらも、子供たちの幸せを願って親バカを貫く政次郎に胸を打たれるはずだ。 ©2022「銀河鉄道の父」製作委員会 配給:キノフィルムズ ▶︎ 直木賞受賞作『銀河鉄道の父』が役所広司、菅田将暉、森七菜の共演で映画化 -
豊田徹也の名作漫画を今泉力哉監督により映画化した「アンダーカレント」
2023年1月17日世界中で称えられた豊田徹也の漫画を、「愛がなんだ」「ちひろさん」の今泉力哉のメガホンで映画化したヒューマンドラマ「アンダーカレント」が2023年秋に公開される。 家業の銭湯を継いで夫の悟と切り盛りし、順風満帆な日々を送るかなえ。しかし突然、悟が失踪し、彼女は途方に暮れる。それでも休業していた銭湯を再開させると、謎の男・堀が現れ、手違いから住み込みで働くことに。その日から、かなえと堀の不思議な共同生活が始まった。 友人に紹介された胡散臭い探偵・山崎とともに期間限定で悟を探しながら、穏やかな日常を取り戻していくかなえ。しかしある事件をきっかけに、堀、悟、そしてかなえの閉ざされた心の深層(アンダーカレント)が徐々に浮かび上がる──。 2004年8月より1年間にわたり『月刊アフタヌーン』(講談社)に連載され、「まるで1本の映画を観ているようだ」「何度も読み返したくなる」と評論家や読者に高く評価され、2005年10月には単行本が出版された豊田徹也の唯一の長編漫画『アンダーカレント』。 2009年パリのジャパンエキスポではフランスの批評家と記者が選ぶ「第3回ACBDアジア賞」を受賞、2010年には“漫画界のカンヌ映画祭”と呼ばれるフランス・アングレーム国際漫画祭のオフィシャルセレクションに選出された。さらに2020年にフランスメディアが発表した〈2000年以降の絶対に読むべき漫画100選〉では、世界中の漫画がランクインする中で3位に入るなど、フランスを中心に海外でも人気を博している。 今回の映画化では、「愛がなんだ」の監督・今泉力哉と脚本家・澤井香織がタッグ結成。人を知ろうとすることの尊さに気づかせる、心震えるヒューマンドラマに期待したい。 今泉力哉監督コメント この世界にはそれが存在することで誰かが救われるという作品があって、そして、そういうものを生み出す人がいて、豊田徹也さんの『アンダーカレント』はそういう漫画で、豊田さんはそういう人だ。映画化にあたり、豊田さんと何度もふたりきりで会っていろんな話をした。はじめて会った日に4時間お茶をしたのだが、まだまだ話し足りなかった。帰り際、原田芳雄さんのエッセイ『B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ』をいただいた。豊田さんは「僕はいいんだけど、登場人物が嫌な思いをしない映画にしてください」と言った。登場人物が嫌な思いをしないように。とってもすてきな言葉だと思った。コロナ禍でお茶をしたある日、会計時に自分の分のコーヒー代を、きっとこういうご時世だからだろう、衛生面からラップにくるんでご用意してくださっていて。この繊細さをきちんと映画にしたいと思った。私はキリスト教徒なのだが、熱心な信者ではなくて、それでもたまに教会に行くと心が澄む感覚になるのだが、自分にとっての豊田さんはそういう人で、会うと心が澄む。とても繊細で面白い方で、日々、自分は映画監督に向いていないなと思いながら映画をつくっているのだが、こういう原作の映画化の話が来ることはとても光栄だし、きっと器用に生きることができない人にしか生み出せないものがあると信じて、これからも生きていきます。かなえや堀も、今もどこかで元気でいてくれたら。 「アンダーカレント」 監督:今泉力哉 脚本:澤井香織、今泉力哉 原作:豊田徹也『アンダーカレント』(講談社「アフタヌーンKC」刊) 製作幹事:ジョーカーフィルムズ、朝日新聞社 企画・製作プロダクション:ジョーカーフィルムズ 配給:KADOKAWA ©豊田徹也/講談社 ©2023「アンダーカレント」製作委員会 公式HP:undercurrent-movie.com 公式Twitter:@undercurrent_m -
世界が注目する新鋭・清原惟が、世代の異なる女性たちの一日の断片が響き合うさまを描いた第26回PFFスカラシップ作品「すべての夜を思いだす」が、第73回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品されることが決定。清原監督にとって初長編「わたしたちの家」から2作連続での同部門出品となる。 多摩ニュータウンですれ違う三人の女性。誰かの大切な記憶が、ほかの誰かの一日と呼応する──。街に積み重なる時間の痕跡に触れ、小さな変化が起きていく一日を描く本作。 出品されたベルリン国際映画祭フォーラム部門は、斬新な視点を提示する新進映像作家を紹介することで知られる。4年前に新たに就任した選考メンバーたちが清原作品に触れるのは初めてだったが、「全員一致で招待が決まった」という。 各者のコメントも到着した。 清原惟監督 『わたしたちの家』で初めて呼んでいただいた国際映画祭である ベルリン映画祭で、再び上映できること、とても嬉しく思います。 一日の小さな旅の映画が、そのゆっくりとした歩みで海のむこうへと 旅立っていくのを、楽しみに見守りたいです。 ベルリン国際映画祭フォーラム部門ディレクター クリスティーナ・ノード氏 冒頭のカットから、これは特別な映画だ、と直感しました。 3人の女性の一日を、離れたところから、ゆったりと見つめる。 その「場所」の素晴らしさにときめきながら、一緒に歩いていく。 『すべての夜を思いだす』は、眩しく、優しく、時に爽やかな風が通り抜ける あの夏の日、のような映画です。 クリチバ国際映画祭(※「わたしたちの家」がグランプリを受賞したブラジルの映画祭)プログラマー アーロン・カトラー氏 感動しました。 極めて微妙なニュアンスと繊細さをもって、説明せずとも人々に深い共感を呼び起こすことに成功していることに。 ずっと、ロベルト・ロッセリーニのこと、そして、歴史は常に我々を取り巻いている、ということを感じていました。 「すべての夜を思いだす」 監督・脚本:清原惟 出演:兵藤公美、大場みなみ、見上愛、内田紅甘、遊屋慎太郎、奥野匡 撮影:飯岡幸子 照明:秋山恵二郎 音響:黄永昌 美術:井上心平 編集:山崎梓 2022年/カラー/116分 ©PFFパートナーズ=ぴあ、ホリプロ、日活/一般社団法人PFF