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  • 恐竜との共生は可能か? 環境科学から見たジュラシック・シリーズ 文=五箇公一(国立環境研究所・保全生態学者)   [caption id="attachment_14934" align="alignleft" width="1024"] (c) 2021 Universal Studios. All Rights Reserved[/caption]   隔離から共存ヘ──テーマの変化 小学生のときに「ジョーズ」(75)を観て以来、大のスピルバーグ・ファンを貫き、彼が生み出したジュラシック・シリーズも全作観てきた。特に、彼自身が監督した1作目「ジュラシック・パーク」(93)と2作目「ロスト・ワールド」(97)は、肉食・草食問わずあらゆる恐竜が野生の本能剥き出しに容赦無く人間に襲いかかってくる姿を再現していて、その徹底した生物学的描写に惚れ込んでいる。 この2作で、恐竜は、人間が管理することなど不可能な野生動物として描かれており、「ジョーズ」のサメ同様にひたすら恐怖を感じさせる存在となっている。この描写には、2作の原作者マイケル・クライトンの作風も大きく影響している。クライトンは、とりわけ生命科学に通じた作家とされ、生命現象には人智が及ばぬ領域があることをテーマとした作品が多い。 ところが、監督が交代した3作目「ジュラシック・パークⅢ」(01)から、少し、シリーズのテーマに変化が生じてくる。恐竜たちはめちゃくちゃ凶暴性を発揮するものの、ラストでサム・ニール演じるグラント博士とヴェロキラプトルが一瞬、心通わすシークエンスが登場するのだ。 そして4作目「ジュラシック・ワールド」(15)では、クリス・プラット演じるオーウェンがヴェロキラプトルを調教し、そのうちの1頭、ブルーとは、5作目「炎の王国」(18)で戦友ともいえる関係にまで発展する。つまり、凶暴な恐竜も心開けば、「仲良くなれる」可能性がある、というメッセージが込められるようになったのである。 さらに5作目のラストでは、管理区域から逃げ出した恐竜たちが世界のあちこちでほぼ定着しているさまを表し、ジェフ・ゴールドブラム演じるマルコム博士に「これからは人間と恐竜が共存する時代だ」と言わしめる。 1作目、2作目で、恐竜はとても人間の手に負えるものではなく、恐竜は人間と離れて(島に隔離されて)生きていくしかない、と、明確にゾーニングの必要性が謳われていたのに対して、「ジュラシック・ワールド」シリーズになってからは、恐竜との共存の道が模索されるようになったのである。 最新作「新たなる支配者」では、この「恐竜との共存」が、直球のメインテーマとなっている。ヴェロキラプトルのブルーは、さらわれた子供の救出をオーウェンに託すほどまでに、人間との絆を強めており、多様な恐竜たちが身近なところで普通にうろうろしているという世界が描かれる。 恐竜ファンとしてみれば、実物の恐竜を眺めながら生活できるなんて、夢のような世界に映るが、現実問題として、恐竜との共存は、映画で謳われるほど容易なことではなく、また、その世界観自体は環境科学としても問題を含むものである。ここで少し、環境科学を生業とする身として、この映画が示す「恐竜との共存」というテーマの問題点について論考してみたい。 共存のテーマが導く厳しい現実 まず、ブルーのように人間と心通わす恐竜の存在が、人間と恐竜との共存の可能性のキーとして描写されているものと思われるが、ブルーの場合は、餌付けによって飼い慣らされた動物と位置づけられ、むしろ、この描写は野生生物管理の観点から問題がある。 近年、国内でも野生のクマやシカ、サルなどが、人間社会へと進出してきて、農作物を食い荒したり、時には人間を襲ったりするなどの被害が続出しているが、これは、人間と動物たちとの間のゾーニングが崩壊した結果とされる。 本来、こうした野生動物たちと人間の間には食うか、食われるかという敵対的緊張関係があった。動物と人間双方が相手を警戒し、距離を置く形で共生関係が維持されてきた。それが近代以降、人間にとって彼らは捕食対象からむしろ愛でる存在となり、さらには、人間が良かれと思って餌を与えてしまう行為まで繰り返された。その結果、動物たちは人間を恐れなくなり、人間の食物も、人間自体も自分たちの餌と認識するようになってしまった。真の共生・共存とは、人間と野生動物の双方が、生息域と資源の取り分を弁え、お互いに過剰に干渉しないというゾーニングの確保で初めて成立する。ブルーのように一度、餌付けしてしまった動物は、野生ではなく人間の管理下に置かれる必要がある。自然界で餌不足に陥ったとき、人馴れしたブルーが人間の家畜や人間白身を捕食の対象とすることは容易に想像される。 [caption id="attachment_14935" align="alignleft" width="1024"] (c) 2021 Universal Studios and Storyteller Distribution LCC. All Rights Reserved.[/caption]   そして、映画の終盤で、さまざまな恐竜たちが、現存する野生動物たちに混じって自然の中で生きているシーンが映し出され、シャーロット博士の「お互いに寄り添って生きていけば共存は可能」という言葉で締め括られるが、残念ながら、実際に大量の恐竜を現世に蘇らせたならば、そんな甘美な理想論では片付けられない事態となるであろう。 恐竜たちは異なる時代の環境で進化してきた生物たちであり、現代の地球生態系においてはその存在は、人為的に持ち込まれた「外来生物」ということになる。現在の生物たちと一切の共進化の歴史を経ずして、恐竜という異世界の生物が突然出現すれば、生態系のバランスは大きく崩れる恐れがある。 それ以前に、アフリカゾウやライオンなど現存の野生動物たちですら、人間の自然破壊によってその生息数の減少が危ぶまれている。巨大な恐竜たちが繁殖可能な数で生きながらえられる環境は、今の地球には残ってはいない……。 いずれにせよ、蘇らされた恐竜たちが、今の地球で幸せに生き続けることは難しいと思われる。悲しいかな、地球の歴史上、最大の暴君はT・レックスでもギガノトサウルスでもなく、必要以上に資源を浪費し、地球環境をも改変している我々、人間であり、人間が今の生活を続ける限りは、恐竜に限らず、どんな生物も人間との共生は困難と結論される。 だが、希望はまだある。人間が今すぐにでもライフスタイルを改め、豊かな生物の生息域を取り戻すとともに、ゾーニング管理さえ徹底できるようになれば、この地球上で恐竜が生きていく道が開かれるかもしれない。現世に蘇った恐竜の運命は、人間の振る舞い一つで決まるということになる。環境科学の視点からも、ジュラシック・シリーズは、いろいろと考えさせてくれる映画なのだ。   「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」 2022年・アメリカ・2時間27分 監督:コリン・トレボロウ 脚本:エミリー・カーマイケル、コリン・トレボロウ キャラクター原案:マイケル・クライトン  製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、アレクサンドラ・ダービーシャー、コリン・トレボロウ 出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、サム・ニール、B・D・ウォン、オマール・シー 他 原題:Jurassic World: Dominion 配給:東宝東和 ◎全国にて公開中   五箇公一 ごか・こういち/富山県出身。1996年より国立環境研究所に所属、現在は生態リスク評価・対策研究室室長。著書に『クワガタムシが語る生物多様性』『これからの時代を生き抜くための生物学入門』など。   ※キネマ旬報2022年8月上旬号より転載
  • 「アメリカン・ビューティー」「007」シリーズの名匠サム・メンデスがサーチライト・ピクチャーズとのタッグで贈るヒューマン・ラブストーリー「エンパイア・オブ・ライト」(原題)が、2023年2月よりTOHOシネマズ 日比谷ほかで全国公開。予告映像が到着した。     1980年のイギリス南岸のリゾート地に生きる人々の絆と、“映画と映画館という魔法”を描く本作。 「女王陛下のお気に入り」のオスカー女優オリヴィア・コールマンが主演を務め、「ブルー・ストーリー」で注目された新鋭マイケル・ウォード、「英国王のスピーチ」のオスカー俳優コリン・ファースらが共演する。 撮影監督は、メンデスとは「ジャーヘッド」以来の盟友であり、「ブレードランナー 2049」「1917 命をかけた伝令」で2度のオスカーに輝いたロジャー・ディーキンス。 メンデスが初めて単独で脚本を手掛け、「最も個人的な思いのこもった作品」と位置づける注目作だ。        「エンパイア・オブ・ライト」(原題) 監督・脚本:サム・メンデス 出演:オリヴィア・コールマン、マイケル・ウォード、コリン・ファース、トビー・ジョーンズ、ターニャ・ムーディ、トム・ブルック、クリスタル・クラーク 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン 2022年/イギリス・アメリカ/原題:Empire of Light 公式サイト: https://www.searchlightpictures.jp ©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
  •   明日8月30日が命日で没後30年となる鬼才・五社英雄監督。「没後30年 五社英雄 情念の軌跡」と題したプロジェクトが進行中で、8月27日には池袋の新文芸坐で五社監督作品の『鬼龍院花子の生涯』と『吉原炎上』が上映された。 上映終了後、熱烈な五社監督ファンとして有名な友近がスペシャルトークに登場。『吉原炎上』さながらの赤い襦袢を身にまとい、『吉原炎上』テーマ曲をバックに花魁道中のごとく優雅な佇まいで、1分近くかけステージのセンターへ歩を進め、会場の注目を集めた。 [caption id="attachment_15423" align="aligncenter" width="1024"] 『吉原炎上』さながらの赤い襦袢を身にまとい1分近くかけステージセンターへ[/caption] このスペシャルトークではマツコデラックスも出演予定で、事前に友近とマツコでメールのやりとりもして楽しみにしていたそうだが、残念ながらマツコはコロナ陽性のため欠席。代わりにマツコの分まで五社英雄愛を熱弁した。 あらゆることで五社イズムを取り入れている [caption id="attachment_15421" align="aligncenter" width="1024"] 『吉原炎上』©東映 <新文芸坐にて上映中>[/caption] 五社監督ファンになったきっかけはテレビで見て、そこからどんどんのめり込んでいったという。お気に入りの作品は「映像がきれいな『吉原炎上』、ストーリーならば『鬼龍院花子の生涯』、他に『薄化粧』や『櫂』など、五社作品はいずれも大好き」と回答。続けて、「自分の単独ライブでは、いつも『吉原炎上』のサントラを使用したり、水谷千重子の「五月雨道中」は『吉原炎上』のイメージでとオーダーして出来上がった楽曲だったり。あらゆることで五社イズムを取り入れている。」と五社監督の影響を強く受けていることを語った。 スクリーンに“このシーンがスゴい!”映像が流れるとさらにトークが加速。 [caption id="attachment_15422" align="aligncenter" width="1024"] 『鬼龍院花子の生涯』©東映 <新文芸坐にて上映中>[/caption] 『鬼龍院花子の生涯』から、つる(佳那晃子)と少女時代の松恵(仙道敦子)が、どちらが嘘をついたかで叩き合うシーンをみて 「二人の叩き合いを見つめている仲代達矢さんの表情が好き。子供なのに仙道敦子さんが殴られるのを見て、ひどい!と気持ちがグッと入ってしまう」 『鬼龍院花子の生涯』から、母の歌(岩下志麻)が病疫で亡くなる前に、松恵(夏目雅子)に許しを乞うシーンをみて 「こちらはマツコさんが選んだシーンで、見ると勇気をもらうシーン」 とコメント。 また、五社監督ファンと言い続けたことで、五社作品出演者の方々と仕事で共演することができたこと。さらには、『花宵道中』という遊郭を舞台にした映画でオファーが届き、「かつて五社作品に登場した女将役の女優さん達をイメージしながら、演技した。劇中では「股開かざるもの 食うべからず」という五社イズム溢れる名セリフをいただき、自分の宝としている。ただし、4歳の姪が真似するのは困った。」というエピソードも。 「没後30年 五社英雄 情念の軌跡」プロジェクト [caption id="attachment_15427" align="aligncenter" width="1024"] 命日の8月30日には先行して5作品が初パッケージ化[/caption] 「没後30年 五社英雄 情念の軌跡」プロジェクトでは、9/6まで続く新文芸坐での2本立特集上映のほか、これまでパッケージ化されていなかった五社作品「牙狼之介」「御用金」「人斬り」「女殺油地獄」など9作品が初ブルーレイ・DVD化される。また、東映チャンネル・日本映画専門チャンネルなどCS・BSでも特集放送が予定されている。五社監督作品で描かれるアクションやエロティシズムは今観ても強烈なインパクトがあり、当時と異なる世代の人が見るとより新鮮な感覚があるはず。ぜひこの機会に五社監督作品に触れてみて欲しい。 「没後30年 五社英雄 情念の軌跡」プロジェクト  公式HPはこちら 【パッケージ情報】 ■8月30日(火)発売 「御用金」(69年) Blu-ray:5,170円(税込) DVD:4,180円(税込)/発売元:フジテレビジョン 販売元:ポニーキャニオン 「人斬り」(69年) Blu-ray:5,170円(税込) DVD:4,180円(税込)/発売元:フジテレビジョン 販売元:ポニーキャニオン 「女殺油地獄」(92年) Blu-ray:5,170円(税込) DVD:4,180円(税込)/発売元:フジテレビジョン・松竹撮影所 販売元:ポニーキャニオン 「牙狼之介」(66年) DVD:4,180円(税込)/発売元:東映ビデオ 販売元:東映 「牙狼之介 地獄斬り」(67年) DVD:4,180円(税込)/発売元:東映ビデオ 販売元:東映 ■12月21日(水)発売 「獣の剣」(65年)発売・販売元:松竹 「五匹の紳士」(66年)発売・販売元:松竹 「十手舞」(86年)発売・販売元:松竹 「出所祝い」(71年)発売・販売元:東宝 【CS・BS特集放送情報】 「東映チャンネル×日本映画専門チャンネル共同企画 没後30年 五社英雄 情念の軌跡」 ■東映チャンネル 8月「極道の妻たち」(86年)「肉体の門」(88年)「牙狼之介」(66年)「牙狼之介 地獄斬り」(67年) 9月「北の螢」(84年)「丹下左膳 飛燕居合斬り」(66年)「暴力街」(74年) ■日本映画専門チャンネル 8月「鬼龍院花子の生涯」(82年)「陽暉楼」(83年) 9月「櫂」(85年)「吉原炎上」(87年) ■時代劇専門チャンネル 8月「三匹の侍」(64年) ■ WOWOW「没後30年 五社英雄の時代劇」 9月「獣の剣」(65年)「五匹の紳士」(66年)「御用金」(69年)「人斬り」(69年)ほか2本 ■ 衛星劇場「没後30年 五社英雄 情念の軌跡」 10月「 226」(89年)「陽炎」(91年)「雲霧仁左衛門」(78年)「闇の狩人」(79年)ほか1本 11月「 薄化粧」(85年)「十手舞」(86年)「女殺油地獄」(92年)ほか2本 【上映情報】 「“没後30年 五社英雄 情念の軌跡” in 新文芸坐」 9/6(火)まで五社英雄監督の名作を2本立連続上映中 ※上映時間など詳細は新文芸坐HPにてご確認ください。 8/30(火)「極道の妻たち」(86年)「陽暉楼」(83年) 8/31(水)「丹下左膳 飛燕居合斬り」(66年)「三匹の侍」(64年) 9/1(木)  「226」(89年)「女殺油地獄」(92年) 9/2(金)  「吉原炎上」(87年)「鬼龍院花子の生涯」(82年) 9/3(土)  「丹下左膳 飛燕居合斬り」(66年)「三匹の侍」(64年) 9/4(日) 「極道の妻たち」(86年)「陽暉楼」(83年) 9/5(月)  「人斬り」(69年)「御用金」(69年) 9/6(火)  「226」(89年)「女殺油地獄」(92年)
  • 愛と毒のあるコラムの数々を送り出した高山真の自伝的小説を、鈴木亮平と宮沢氷魚の共演で、「トイレのピエタ」の松永大司のメガホンにより映画化。独りよがりな愛の献身を描く「エゴイスト」が、2023年2月より全国公開される。場面写真と特報映像が解禁された。       自分を守る鎧のようにハイブランドの服に身を包み、気ままながらもどこか虚勢を張って生きている浩輔(鈴木亮平)。戸惑いながらも浩輔からの救いの手を取った、自分の美しさに無頓着で健気な龍太(宮沢氷魚)。 特報映像はキスをしたり髪を乾かしてあげたりといったふたりの幸せな時間を切り取っていくが、最後に浩輔が「僕は愛がなんなのかよくわからないです」と吐露する。その真意とは──?   © 2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会 配給:東京テアトル ▶︎ 鈴木亮平 × 宮沢氷魚。独りよがりな愛の献身を描く「エゴイスト」が2023年公開
  • 8月より「甲州街道より愛を込めて」「遠くへ,もっと遠くへ」「あいたくて あいたくて あいたくて」と公開ラッシュを迎えているいまおかしんじ監督作。そのラストを飾る、高校生男女の青春物語「神田川のふたり」が、9月2日(金)より池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほかで全国順次公開される。監督のインタビューが到着した。     互いに気はあるものの、思いを伝えられずに別々の高校へ進学した舞と智樹は、中学時代のクラスメイトの葬式を機に再会。ふたりは奇妙で濃密でキュートでファニーな24時間を共にすることに……。 全編の85%以上で屋外ロケを行い、東京都杉並区から隣の武蔵野市にある井の頭恩賜公園までの小さな旅を描いたロードムービー「神田川のふたり」。舞を「スパゲティコード・ラブ」の上大迫祐希、智樹を「アルプススタンドのはしの方」の平井亜門が演じる。   いまおかしんじ監督インタビューは以下。 ──「高校生の男の子が想いを寄せている女の子に告白するため、井の頭公園に向かって二人で神田川沿いを歩く」という企画に、「好きな人に告白する前に死んだ友達の代わりに、二人がその想いを伝えに行く」というアイデアを出したのはいまおかさんだと聞きましたが、そのアイデアを加えた理由を教えてください。 いまおか 映画で描くとしたら、ちょっと特別な日を描いた方がいいと思って、友達の葬式の日としました。僕も実際そういう日については、どんな雲だったかとか、どんな人とどんなことをしゃべったかとか覚えているんで、そういう1日を描けば映画としてはいいんじゃなかろうかと思いました。 ──脚本執筆の前の段階で、「井の頭公園に向かって二人で神田川沿いをいく」ということは決まっていたので、シナハン・ロケハンが重要だったかと思いますが、実際に歩いてみていかがでしたか? いまおか 井の頭公園から新宿の辺りまで何回か行ったり来たりしました。神田川は長いのでどこからスタートするかというのは考えました。脚本上、神社とかの設定もあったので、実際に走れるような位置関係を探していたら、あの辺からスタートするのがいいということになりました。 ──映画が83分なので、約半分が1カットになりましたが、ちょうど半分になったのはたまたまですか? いまおか たまたまです(笑)。 ──長回しは、1発OKだったんですか? いまおか 2回撮りました。別日に3回目を撮影する予定もあったんですが、2回撮って、「何回やっても一緒だな。何かは映っている」と思い、3回目は撮らなかったです。 ──「れいこいるか」にも登場した佐藤宏さん演じるオレンジ色のジャージの男が出てきますが、登場させることにした理由はありますか? いまおか 大した理由はありません。僕が個人的に好きで「彼を見たい」というだけです。劇中では、普段あいつが夜寝ている時に着ているジャージを着ています。 ──撮影エピソードはありますか? いまおか 佐藤宏と絡むところはセリフがないから、何を言っても佐藤宏が全くリアクションしなくて平井君が困ってました(笑)。 ──劇中、舞に南沙織の「17才」を歌わせた理由はありますか? いまおか 川﨑くんの選曲だったか、話の内容とリンクしているし、今の曲じゃなくて、昔の青春の歌をやるというのも、舞のキャラもあっていいかなと思って、決まりました。 ──読者にメッセージをお願いします。 いまおか 神田川や井の頭公園はみんな知っているかもしれないですけど、実際行ってみたくなるといいなと思っています。映画を観て、神田川を歩いて、井の頭公園に行くと、より一層面白いかと思います。   ▲予告編   ▲40分長回しシーンの一部   「神田川のふたり」 出演:上大迫祐希、平井亜門、椎名糸、岡本莉瑚、橋本達、内藤光佑、有永結咲、美波愛子、たきみずなお、村田美輪子、佐藤宏、石綿宏司、逢澤みちる 製作:嶋田豪 プロデューサー:佐藤嘉一 アシスタント・プロデューサー:安藤佑介、舟橋清美、瀧水和生 脚本:川﨑龍太、上野絵美 撮影監督:藍河兼一 録音:赤羽一真 美術・小道具:阿多満 編集・効果:川﨑雄太 MA・整音:平井光一 メイク:伊藤里香、佐藤由佳 主題歌:「流星」(歌:D☆SHOUT 作詞:Zenny 作曲・編曲:Toshihiro Takita) 制作:株式会社H&Sエンターテイメント 製作:株式会社サニーレイン 監督:いまおかしんじ 2021年/日本/カラー/83分/ビスタサイズ/5.1ch/DCP/G 配給・宣伝 アイエス・フィールド Ⓒ2021 Sunny Rain 公式WEBサイト:is-field.com/kandagawanofutari/