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「フライト・リスク」マーク・ウォールバーグが悪役への愛を語るインタビュー映像公開
2025年3月11日メル・ギブソン監督×マーク・ウォールバーグ主演により、アラスカ上空の小型飛行機で繰り広げられる攻防を描いた「フライト・リスク」が全国公開中。謎多きパイロットに扮したマーク・ウォールバーグのインタビュー映像、ならびに場面写真が到着した。 https://www.youtube.com/watch?v=3C02txrhoyg 「今回は久しぶりに特徴ある悪役を演じ、ワクワクしました」と話すマーク。「物語を動かす悪役が登場する映画の大ファンなんです。『ザ・シークレット・サービス』(1993)のジョン・マルコヴィッチや『ケープ・フィアー』(1991)のロバート・デ・ニーロなど、他にもたくさんいます」と尊敬する俳優たちを挙げ、「映画の原動力となるような偉大な悪役は数え切れません。そういう映画は特別に感じますし、つい悪役を応援してしまうんです。結末がどうなるか分かっていてもね」と続けていく。 全米では初登場第1位の好発進。誰が絶望のフライトを生き抜くのか、劇場で見届けたい。 Story 重要参考人のウィンストン(トファー・グレイス)を、アラスカからニューヨークまで空路で移送することになったハリス保安官補(ミシェル・ドッカリー)。初顔合わせとなるベテランパイロットのダリル(マーク・ウォールバーグ)は、陽気な会話で彼女の緊張をほぐしていく。そうしてアラスカ山脈上空を行く中、後部座席のウィンストンが落ちていたパイロットライセンス証を見たことで、ダリルの恐るべき正体が明らかに……。 ©2024 Flight Risk Holdings, LLC. All Rights Reserved 配給:クロックワークス ▶︎ メル・ギブソン監督×マーク・ウォールバーグ主演。高度10,000フィートの攻防「フライト・リスク」 ▶︎ 相席スタートが「フライト・リスク」で吹替えに挑戦。“セルフ混線を楽しんで” -
アッシュ・メイフェア監督が困難な愛を描く「その花は夜に咲く」、著名人コメント公開
2025年3月10日「第三夫人と髪飾り」のアッシュ・メイフェア監督が、トランスジェンダーの歌手とボクサー青年との愛の軌跡を描いた「その花は夜に咲く」が、3月21日(金)よりシネマート新宿ほか全国で順次公開される。このたび著名人のコメントが到着、またワールドプレミアとなる日本での上映に合わせて監督が来日することが決定した。 〈コメント〉 傷跡からも孤独からも目を背けず、はち切れそうな魂を常にフレームの真ん中で捉え続ける監督の眼差しが胸に刺さりました。 愛し合う者同士が当たり前のように祝福される世の中になることを祈り続けた120分でした。 ──門脇麦(俳優) 人を想う力は果てしなく大きく、時には狂気ともなりうる。 人は自由に生きているから、悲しい決断も潔くできる。 この映画は同じ時代に生きる私達に幸せとは何かを問いかけた。 ミス・インターナショナル・クイーンベトナム大会に挑戦したクァンちゃんは大会で素晴らしい経験をされたと思います。 世界中のトランスジェンダーにあなたの映画は大きな共感、感銘そして勇気を得ることでしょう。 ──はるな愛(タレント) 愛する事は「罪」ですか?他人のために「愛」は存在していない。 目の前にいる相手が「愛」を教えてくれる。今作は繊細で儚い。 だが突き刺さる美しい世界観に魅了される。 あの眼差しに潜む社会への叫びが木霊し、美しい歌声として響き渡る。 言葉は時に無力だが、こうした「芸術」が現代社会を変える、そんな希望がみえた作品。 アナタは誰をなんのために「愛」しますか? ──サヘル・ローズ(表現者) 多くの人、いや、すべての人は「望まない何か」に生まれつき、「望む何か」を求め続ける。それは苦闘でありながら、快楽にもなり得る。 この映画のように、悲恋こそが一番美しい恋愛なのだから。 ──岩井志麻子(作家) この映画で、サンの美しさに目を奪われない者はいないだろう。 それでも「私って醜い?」と問う彼女の心のもだえが、ベトナムの光と湿度のなかに、焼きつくように映っていた。 ──小川紗良(文筆家、映像作家、俳優) ままならない人生を、肉体を、ベトナムの湿った夜にぶつけあうサンとナム。 ふたりの放つ火花の瞬きがサイゴンの路地裏にクィアネスを浮かび上がらせる。 トランスジェンダーの役は必ずしも当事者が演じなければいけないわけではない。 だがアッシュ・メイフェア監督がなぜ演技経験のない19歳のトランスジェンダー女性に主演を託したのか、答えは映画を観れば明白だろう。 ──東海林毅(映画監督「片袖の魚」「老ナルキソス」) 夜に咲くのは、そこでしか生きる術がないから。 トランス女性や貧しい若者たちは闇の中で血を流しながら愛し合い、権力者はその美しさを冷酷に摘み取る。 いまだ明けない夜に、せめて一筋の光を。 ──ブルボンヌ(女装パフォーマー) 女性たちを対立させる社会に抗して、『その花は夜に咲く』は決して女性同士の絆を手放さない。トランスの女性とシスジェンダーの女性、立場の異なる女性たちがそれでも育む親密性は、今こそ凝視されるべきだ。 ──水上文(文筆家) チャン・クアンの凛然としたその存在感はまさに圧巻。 美しく切り取られた映像美のフィルター越しでなければ直視できないほど哀切な世界がそこにはあり、それもメイフェア監督が見た一つの現実なのだ。 ステレオタイプでもあり、新しくもあり、ないまぜの気持ちと共に大事な人と議論したくなった。 ──ミヤタ廉(LGBTQ+inclusive director) 90年代ベトナムの物語だが、社会は少ししか変わっていない。 理不尽に苦しむ人々が対峙する闇を、この作品から感じ取ることができれば、世界は変われるのに。 ──よしひろまさみち(映画ライター) チャン・クアンは、ときに翼をもがれたカナリアのように、ときに生まれたまま世界に投げ出された胎児のように、サンの生を一身に引き受ける。 その身体性、実在性はたやすく代替できるものではない。 『その花は夜に咲く』のように、彼女でなければ決してその役を演じられなかったと観客に確信させられる作品が、もっと必要なのだ。 ──児玉美月(映画文筆家) https://www.youtube.com/watch?v=0oMvCLUCDW0 Story 1998年のサイゴン。望まぬ性に生まれてナイトクラブで歌うサンと、ボクサーのナムは、都会の片隅で愛し合って生きていた。そうした中、街のフィクサーであるヴーンがステージ上のサンに目をとめる。手術費用を得ようとサンはヴーンと逢瀬を重ね、一方でナムは稼ぎの良い地下格闘技に身を投じ、二人はすれ違いながら夜の世界にのまれていくが……。 「その花は夜に咲く」 監督・脚本:アッシュ・メイフェア 出演:チャン・クアン、ヴォー・ディエン・ザー・フイ、ファン・ティ・キム・ガン、井上肇 2025年/ベトナム=シンガポール=日本/ベトナム語/121分/シネスコ/カラー/5.1ch/R15 配給:ビターズ・エンド ©An Nam Productions, Đông A Films, Akanga Film Asia, Bitters End, Mayfair Pictures 公式サイト:https://www.bitters.co.jp/yorunisaku/ -
森のヴィラで配信者たちが恐怖に遭遇。台湾発オカルトホラー「ガラ」
2025年3月10日怪しげなヴィラの探索に乗り出した配信者たちを、予期せぬ恐怖が襲う──。台湾発のオカルトホラー「ガラ」が、5月9日(金)よりシネマート新宿ほか全国で順次公開。ビジュアルと予告編が到着した。 ライブ配信者の母に付き添い、森の中のヴィラにやってきたアーシュー。一人で先に帰るが、同行していたスタッフが不可解な死を遂げ、戻ってきた母の様子もおかしい。 アーシューの友人であるティエンレンが、死んだスタッフから送られてきた不気味な映像をネットにアップすると、大バズリ。そこでアーシューとティエンレンは、ネットで募ったメンバーと共に、ヴィラの調査と配信に乗り出す。やがてヴィラの建設中に事故で多数の死者が出たこと、そこに邪教の儀式が関わっていたことが明らかに──。 https://www.youtube.com/watch?v=_vdCMxkV9v4 タイトルになった〈GALA〉とは、台湾で歯ぎしりを表す擬音語。監督は主にテレビドラマで活躍してきたツェン・ダーヘンが務め、キャストには『次の被害者』の新星リー・エンヨウ、インフルエンサーのメイビスらが名を連ねる。 台湾公開時には退席者が相次ぐとともに、台湾・中国映画興行収入ランキングで初週1位および年間ベスト10にランクイン。「呪詛」の特殊メイクアーティストが生み出したビジュアルとともに、おぞましい物語に震えるはず。 ツェン・ダーヘン監督メッセージ 皆さん、こんにちは!監督の曾大衡(TSENG TA HENG)です。 私たちの映画「GALA」が5月9日に公開されます。 恐怖のジェットコースターのような旅を映画館でぜひ体験してください。 「ガラ」 監督:ツェン・ダーヘン エグゼクティブプロデューサー:リウ・フォンチー、チウ・マオティン 出演:メイビス、シュー・ハオシャン、リー・エンヨウ 2024年/台湾/カラー/シネスコ/5.1ch/97分/中国語 原題:嘎啦 日本語字幕:近藤朝恵 配給:ライツキューブ ©2024 MACCHIATO DIGITAL IMAGING CO., LTD., Halo-mavis corporation, Richbear Marketing Ltd., YOUR LOVE CO., LTD., Taiwan Creative Content Agency, Three-Act Production Co, Ltd., MaZoo DIGITAL IMAGING CO., LTD., 9Film Develop Coporation, Morigami International Co., Ltd., Dayan Wenchuang International Co., Ltd. All Right Reserved 公式サイト:https://x.gd/GALA_movie -
2017年、監督・堀貴秀が制作したSFストップモーションアニメ映画「JUNK HEAD」が、ファンタジア国際映画祭最優秀長編アニメーション賞をはじめ数々の海外国際映画祭で多数賞を受賞。その後2021年に全国10館で公開されると、口コミでも大きな話題を集め、ミニシアターランキング2週連続1位を獲得。興行収入1.4億円を突破するカルト的人気を博した。 そんな “JUNK”シリーズの第2弾「JUNK WORLD」が6月13日(金)に劇場公開決定した。 「JUNK WORLD」は、前作「JUNK HEAD」の1042年前の世界線が描かれた物語。 解禁された本ポスタービジュアルには、主人公のロボット・ロビンが大きく描かれている。ロビンは、前作ではパートンという名で登場しており、2作品の世界軸を繋ぐキーパーソンとなっている。 特報映像では、ロビンが、護衛として人間で女性隊長のトリスを守ろうと奮闘する様子が映し出されている。さらに本編映像に加えて堀貴秀監督をはじめとする制作陣が労力を注ぐ制作過程の一部も公開。特報からも垣間見えるキャラクターの多さに、制作陣の熱量と前作を超える大きなスケール感が伺える。 https://youtu.be/gEFxeMUzZaI 〈堀貴秀監督コメント〉 元々映画を見ることが好きなだけだった自分が、自分が見たいと思う映画として制作した「JUNK HEAD」は多くの方に評価していただきました。そして2作目となる「JUNK WORLD」でも同じく自分が見たいものを詰め込んだ作品になりました。コマ撮りという今では希少なアナログ技法で表現されたその映像は、現在では逆に新鮮な体験にもなり、物語もSF映画として楽しめるものになっているので是非ご覧ください。 Story 遥か昔、人類は地上の生息域減少により地下開発を進めた。その労働力として人間に似せた人工生命体のマリガンを創造。しかしマリガンは自らのクローンを増やして勢力を広め人類に反乱。第3次停戦協定から230年後の世界。人類は地上に留まり地球規模に広がった地下世界をマリガンが支配していた。 『地下世界に異変が-』 急遽、人間とマリガンによる地下世界の異変を探る調査チームが結成された。女性隊長トリス率いる人間チームと、クローンのオリジナルであるダンテ率いるマリガンチームは共に目的地である地下都市カープバールを目指すが、マリガンのカルト教団『ギュラ教』に襲撃されてしまう。彼らの標的は希少種とされる人間の女性=トリス。しかしトリスにはロボットのロビンが護衛として帯同していた。 『トリス様をお守りする』 『ギュラ教』と戦い、調査を進めるが、圧倒的な戦力の差に苦戦を強いられる調査チーム。その激しい攻防の中で彼らは次元の〈歪み〉を発見する。そしてロビンはトリスを守るため次元を超えた作戦を計画するが──。地下世界に隠された謎と異変の正体とは?そして次元を超えた戦いの末にロビンが下す決断とは? 「JUNK WORLD」 堀貴秀:監督/脚本/撮影/照明/編集 配給:アニプレックス ©YAMIKEN
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数々の名作テレビドラマを生み出した、脚本家・山田太一。その没後1年にあたって、『名優が紡ぐ 山田太一の言葉』と題した特集を、日本映画専門チャンネルで放送中。この特集では3月に、代表作『早春スケッチブック』(1983・全12話)と現在第一線で活躍する映画監督や脚本家、、山田太一のシナリオブックを出版している出版社代表、そして俳優・山﨑努が、山田作品の魅力を語る特別番組『魂に一ワットの光を~2025年・山田太一を語り継ぐ~』を放送。山田ドラマのファンは勿論、まだ彼の作品を観たことがない人にも入門編として必見の特集だ。 第一線で活躍するクリエイターたちが、山田太一作品の魅力を語る特番! 特別番組に登場するのは、脚本家では『リーガル・ハイ』(2012)や『コンフィデンスマンJP』(2018)の古沢良太や、『ホタルノヒカリ』(2007)、連続テレビ小説『スカーレット』(2019~2020)の水橋文美江。映画監督では「モテキ」(2011)、『地面師たち」(2024)の大根仁と「ディア・ドクター」(2009)、「すばらしき世界」(2021)の西川美和。出版社・里山社の代表で『山田太一セレクション』を出版している清田麻衣子。そして『早春スケッチブック』をはじめ、多くの山田作品に出演した山﨑努である。 古沢は山田作品の中でも『男たちの旅路』シリーズに(1976~1982)に一番影響を受けたと言い、警備会社を舞台に鶴田浩二演じる戦中派の上司と桃井かおりや水谷豊扮する戦後世代の若者たちが、毎回直面する社会問題に対してお互いの価値観をぶつけて話し合うこのドラマに、かっこよさを感じたという。また山田太一は芯にクールな視点を持ちながら、反骨精神があり、それでいてロジカルなところに惹かれると語っている。 水橋は山田作品のプロットをもらってシナリオの勉強をしたこともあるという、山田の大ファン。彼女もまた『男たちの旅路』の第4部第3話の『車輪の一歩』(1979)を観て、障がい者の生きにくい社会状況を描きながら、彼らをかわいそうな存在として扱わず、劇中で鶴田浩二が障がい者の青年に『きみたちは、迷惑をかけていいんだ』と言うセリフに、価値観を揺さぶられたと語る。 山田太一の文庫本のあとがきを書いたこともある西川美和は、人間の突かれたくないところを細い針で突いて、人間の本質に迫ろうとした山田のすごさ。それを誰にでもわかる言葉で書き、普通の人の日常生活を肯定する姿勢に惹かれると語る。 個人的にも山田宅を何度も訪れている清田は、山田が亡くなってから神格化されているのに違和感を覚えるという。山田自身は、行き届かない自分と常に葛藤していて、『人間は愚かで弱い』というドラマで繰り返し描いたテーマと向き合っていた人だと語る。 大根仁は山田作品には必ず笑いがあって、それは山田が落語のファンだったからではないかという。山田作品の魅力の一つはセリフにあって、普通であれば違和感を覚えるアフォリズムを含んだセリフでも、山田が書くと心にすっと入ってくるのが魅力だと語る。 多くの人に影響を与えた名編、『早春スケッチブック』 この特別番組に登場する多くの人が、忘れられない作品として語るのが『早春スケッチブック』。知らない人のためにドラマの設定をおさらいすると、主人公は東京郊外の一軒家に住む望月家の4人。妻の都(岩下志麻)は息子の和彦(鶴見辰吾)を連れて、良子(二階堂千尋)という娘がいるサラリーマンの省一(河原崎長一郎)と結婚して、10年以上になる。彼らは平凡ながらも仲のいい家族だったが、大学受験を控えた和彦の前に明美(樋口可南子)という美しい女性が現れたことで波紋が広がる。彼女は和彦を強引にアルバイトに誘い、バイト先の洋館に行ってみると、そこには一人の男が住んでいた。彼の名は沢田竜彦(山﨑努)。かつては気鋭の写真家だったが、今は目の病気を患い、治療しなければ命にかかわる状態にある。時には平凡に生きる人々を痛烈に罵倒し、あるときは人生に関して含蓄のある助言をするこの竜彦に和彦は魅せられて、影響を受けていく。 平凡な人々の幸せを否定する、沢田竜彦の言葉が印象的! さまざまな問題が起こっても家族の絆でそれを乗り越えていつもの日常を取り戻すという、それまでのホームドラマに描かれた庶民的な幸せの形を、存在そのもので否定する沢田竜彦。劇中、常識にとらわれた受け答えをする和彦に『お前らは、骨の髄まで、ありきたりだ』と竜彦は罵声を浴びせるが、彼は何事もなく平穏な日々を持続させるだけのありきたりな生活を送る人々に我慢がならない。明美が治療して長生きしてほしいと言うと、『なにかを、誰かを深く愛することもなく、なんに対しても心からの関心を抱くことが出来ず、ただ飯をくらい、予定をこなし、習慣ばかりで一日をうめ、下らねえ自分を軽蔑することも出来ず、俺が生きててなにが悪い、とひらき直り、魂は一ワットの光もねえ。そんな奴が長生きしたって、なんになる?』と彼は言い返す。竜彦にとって平穏な日々というのは、生きていないのも同じことなのだ。 視聴者に問いを投げかける、山田作品のイーブンの面白さ この型破りな沢田竜彦は、和彦の実の父親で、彼の登場によって望月家はみんなで保ってきた幸せの価値観を、否応なく揺さぶられていく。ただ山田太一のすごさは竜彦を、平凡を否定する破滅的なヒーローとして持ち上げるのではなく、物語の後半へ行くにしたがって、中学生の良子も含めた望月家のひとりひとりが家族を守ろうと行動していく中で、竜彦の心に影響を与えていく展開だ。ありきたりの幸せを望む望月家と、太く短く一ワットの光を求めて破滅的に生きる竜彦の想いが、拮抗していく意外性。古沢良太は『男たちの旅路』で戦中派の鶴田と桃井や水谷の戦後派若者の価値観の、どちらかを選ぶのではなくイーブンに描くところに山田太一の面白さがあると言っているが、ここでも望月家と竜彦の生き方の一方を支持しているわけではない。答えは視聴者が見つけるもので、山田太一は『あなたなら、どうしますか?』という問いを投げかける。それが時代を超えて、人間の本質に迫った問いになっているところに、山田作品の大きな魅力がある。 特別番組の最後に登場する山﨑努は、言うときに一字一句変えられない山田太一のセリフの書き方の特徴を説明し、自分に当て書きされた竜彦は、なじんで演じることができたと語る。また自分にとって一番印象に残っているドラマだったと彼は言っているが、山田太一を知る上でも欠かせない名作を、この機会に多くの方に観てほしい。 文=金澤誠 制作=キネマ旬報社 【没後1年を偲んで 名優が紡ぐ山田太一の言葉】 『早春スケッチブック』(全12話)(1983年) 脚本:山田太一 監督(演出):富永卓二 出演:岩下志麻、山﨑努、河原崎長一郎、鶴見辰吾、樋口可南子 ★放送日:3月13日(木)・14日(金)連日午後5時スタート 『山田太一特別番組 魂に一ワットの光を~2025年・山田太一を語り継ぐ~』 出演:大根仁、清田麻衣子、古沢良太、西川美和、水橋文美江(五十音順)/ 山﨑努 ★放送日:3月14日(金) 22:00 / 3月28日(金) 07:50 ▶日本映画専門チャンネルの公式HPはこちら