『魔女の宅急便』作者の “魔法” に迫る「カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~」公開。語りは宮﨑あおい

 

『魔女の宅急便』の作者として知られる児童文学作家・角野栄子の日常に4年にわたって密着したドキュメンタリー「カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~」が、2024年1月26日(金)より角川シネマ有楽町ほかで全国公開。本ビジュアルが到着した。

 

 

カラフルな衣装と個性的な眼鏡がトレードマークで、鎌倉の自宅では《いちご色》の壁や本棚に囲まれる角野。5歳で母を亡くし、戦争を経験し、結婚後24歳でブラジルに渡り、34歳で作家デビューするなど波乱万丈な人生を歩み、持ち前の冒険心と好奇心で幾多の苦難を乗り越えてきた。

代表作『魔女の宅急便』は野間児童文芸賞や小学館文学賞を受賞し、映画化や舞台化がなされ、世界的ロングセラーに。自身は2000年に紫綬褒章、2014年に旭日小綬章を受章。2018年には児童文学の《小さなノーベル賞》といわれる国際アンデルセン賞・作家賞を受賞した(日本人では3人目)。

 

 

映画は2020〜2022年にNHK Eテレで全10回放送された『カラフルな魔女〜角野栄子の物語が生まれる暮らし』に、新たな撮影分を加えて再編集したもの。番組に引き続き、語りを宮﨑あおい、監督を宮川麻里奈(これが映画初監督)、音楽をロンドンを拠点に活躍する気鋭の作曲家・藤倉大が担当する。

なお11月3日(金)の《文化の日》には、隈研吾設計による〈魔法の文学館〉(江戸川区角野栄子児童文学館)がオープン。角野の世界観をイメージし、彼女が選んだ約1万冊の児童書で、子どもが豊かな想像力を育める場を提供する。

“想像力こそ、人間が持つ一番の魔法” と言う角野栄子とはいかなる人物なのか? 88歳のキュートな “魔女” が、老いや衰えも逆手に取り、今なお夢いっぱいの物語を生み出す秘訣とは──。

〈コメント〉

出演:角野栄子
子どもの頃、戦争があった。大変窮屈な時代だったから、そこから解放された時、この自由な気分はもう絶対放したくない! と思った。戦後も食糧は非常に乏しく、何もかもが足りなくて、我慢、我慢が続いた。でも、縛られていた糸がほどけるように、まわりの空気は変わっていった。そして、本当にささやかなことから、自分の好きなものを自分で選ぶ自由が手に入るようになった。例えば、手ぬぐいの模様、下駄の鼻緒など……。好みのものを初めて選ぶことができたときの嬉しさは、今でも忘れられない。それが、「人と違ってもいいから、自分の『好き』を大切にする」という私のスタイルに繋がっていった。そして、世の中に合わせるのではなく、「自分がなりたい大人になろう!」と決意した。時にはわがままに見えたかもしれない。時には孤独だった。でも、悔いはない。自由はかけがえのないものだから。私の暮らしの中で、一番大切にしているのは、気持ちが自由になること。食べるものも着るものも、シンプルで軽く、気持ちがいいもの。どこか気持ちが引っかかったら、できる限り避けたい。そう思いながら、自由で心地よいものを選び続けていたら、なんと『カラフルな魔女』になってしまったみたい。

語り:宮﨑あおい
ナレーションを担当させていただき、角野栄子さんの透明感とチャーミングなお人柄、
カラフルなお洋服、楽しい視点にいつも幸せな気持ちになっていました。
角野さんの観ている世界をぜひ劇場で覗いてみてください。
今まで見ていた景色がちょっと違って見えるかも♪

監督:宮川麻里奈
20歳になる娘が言うのです。「『魔女の宅急便』がなかったら、私は思春期をうまく通過できなかったかも」と。
主人公キキと同じ13歳ごろの、友人関係や自分自身のままならなさに悩む時期、娘にとって『魔女の宅急便』シリーズは、折に触れて読み返す、いわば精神安定剤のようなものだったそう。
私はそんなことはつゆ知らず(苦笑)、あるインタビュー記事で角野さんのことを知り、「こんなおしゃれで素敵な人なんだ!」「1950年代にブラジルに移住しちゃうなんて、ぶっ飛んでる!」と驚き、「いつかこの人を取材したい」と思っていたのです。
コロナ禍の間をぬいながら撮影を続けて4年。角野栄子さんは、とことん「愉快」―愉しく快い―方でした。
好奇心旺盛で頭の回転が速く、そして何よりも自由で。角野さんの精神の自由さ、のびやかさには、いまだに圧倒され続けています。
角野さんの、何でもない日常の1コマ1コマを生き生きとさせる「ありかた」、88歳にしてあふれんばかりの好奇心と冒険心は、おのずと、見る人に伝染すると確信しています。
角野さんという、地球上見渡しても稀有な「魔女」にスクリーンで出会い、そのハッピーオーラを浴びてください。

 

「カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~」

語り:宮﨑あおい
監督:宮川麻里奈 音楽:藤倉大
プロデューサー:山田駿平 宣伝プロデューサー:大﨑かれん 編集部協力:岡山智子
ラインプロデューサー:松本智恵 撮影:髙野大樹 編集:荊尾明子 音響効果:河原久美子 監督補:岡澤千恵
制作:NHKエンタープライズ 制作協力:角野栄子オフィス、エネット 映像提供:NHK
製作・配給:KADOKAWA
©KADOKAWA
公式HP:https://movies.kadokawa.co.jp/majo_kadono

今日は映画何の日?

注目記事