解説
アドレア海の孤鳥でおきた殺人事件の謎を名探偵が解くというミステリー。ジョン・ブラボーンとリチャード・グッドウィンが、EMIのために製作。監督は「クリスタル殺人事件」のガイ・ハミルトン、アガサ・クリスティの『白昼の悪魔』(早川書房)に基づき、アンソニー・シェーファーが脚色。撮影はクリス・チャリス、コール・ポーターの音楽をジャック・ラーチベリーがアレンジ、演奏の指揮をとっている。出演はピーター・ユスティノフ、ジェーン・バーキン、ダイアナ・リグ、ニコラス・クレイ、ジェームズ・メイソンなど。ロンドンのリー・インターナショナル撮影所とスペインのマヨルカ島で撮影。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
TVで観る
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
-
ミャーノフ大佐
クリスティ物の3作目の鑑賞。今回はポアロ物だった。出演者は「ナイル殺人事件」、「クリスタル殺人事件」ほど豪華ではなかった。
ジェーン/バーキンは「ナイル殺人事件」に続いての出演。大変だよなあ。「ナイル殺人事件」では殺されて、今回は...。何かで読んだことあるけど、英語圏の女性がフランス語を話すと可愛い、とかだったが、ジェーン・バーキンは英国からフランスに渡って活躍して、英語の映画にも出ている。ちょっとしたフランスなまりの英語が呂律が少し回ってなくて可愛いい。
映画は...、うーん、こんな物かな。犯行が行われるまでが長すぎる。登場人物たちの紹介とその背景を描く必要はあるんだろうけど。犯人も一番犯人らしくないのが犯人だろうし。映画の最初でイギリスの片田舎で起きた殺人事件を描いているが、それが最後に繋がってくる。ポアロは似た事件としているが、うーん、似ているようには見えないけど。
それにしても、「クリスタル殺人事件」でもそうだったけど、女優ってあんなに意地悪で見栄っ張りに描かなくてもいいんじゃない。現代の女優も裏の顔はあんなのかと思ってしまう。後は、原作が書かれた時代が1940年代なので致し方ないのかもしれないが、白人、金持ちしか出てこないのも鼻白む所かな。
「地中海殺人事件」のストーリー
イギリスの荒地で、ハイカーが婦人の死体を発見したと警察に通報する。その後、ロンドンの保険会社で、エルキュール・ポアロ(ピーター・ユスティノフ)が重役から模造宝石に保険をかけようとしたホーレス卿(コリン・ブレークリー)の捜査を依頼された。ポアロは彼に会い、「結婚の約束をした女優のアリーナ(ダイアナ・リグ)に20万ドルの宝石を与えたのだが、彼女が他の男と結婚したので、宝石を取りもどしたところ、それが模造品だった」と聞かされる。当のアリーナはアドレア海の孤島にあるホテルで休暇をすごす予定なので、ポアロもそこへおもむく。ホテルの女主人ダフニー(マギー・スミス)はタイラニア国王の元愛人で、手切れ金の代りにこのホテルをもらったという人物。アリーナとは昔、一緒に舞台に出たことがあり、二人は再会すると互いに笑いながら嫌味を言い合う。アリーナが新夫ケネス(デニス・クイリー)、ケネスと前妻との間の子リンダ(E・ホーン)とホテルに到着したのを待っていた人々がいる。彼女を再び舞台に復帰させようというプロデューサーのオデル(J・メイソン)とマイラ(S・ミルズ)のガードナー夫妻。彼女の伝記を執筆したジャーナリストのレックス(ロディ・マクドウォール)。だが、アリーナは女優復帰を拒否、伝記の出版も拒絶した。そして、ラテン語教師のパトリック・レッドファーン(ニコラス・クレイ)と大っぴらにいちゃつき、人々の非難の目をあびた。彼女のことでパトリックが妻クリスティン(ジェーン・バーキン)と喧嘩しているのを、多くの人が聞きつける。ある日、ホテルを一人で出たアリーナは、ホテルと反対側の浜辺で日光浴をしていた。パトリックとマイラがボートでその浜辺へ。パトリックは横になっている彼女のところへ行き彼女の死を発見する。ダフニーの依頼で、捜査にあたるポアロ。ちょうど、やって来たホーレス卿を含め、皆それぞれ犯行の動機を持っていた。ポアロは死亡推定時刻の11時半から12時までの皆のアリバイを聞き、誰一人としてアリーナを殺すことは不可能なことを知る。リンダとクリスティンは犯行現場とは反対側の海辺でスケッチをしていたし、ケネスは部屋でタイプを打っていたし、レックスは別の海上にいた。ダフニーは従業員とミーティングをし、窓からオデルが庭で読書しているのを目撃していた。皆が、ホテルを去るという日、皆を集めて犯人を指摘するポアロ。ポアロは犯人はレッドファーン夫妻だという。クリスティンはあらかじめリンダの時計を進めておいて、浜辺でリンダに時間を聞き、「12時5分前」という返事に急いで浜辺を去る。そしてアリーナのところへ駆けつけ、彼女をなぐり、彼女の水着を着て浜辺で横になる。遠くから見ただけのマイラが、彼女をアリーナと思い込んだのも無理はなかった。マイラがホテルに知らせに行った隙にパトリックがアリーナを絞殺。犯行動機はイギリスでアリーナと知りあったパトリックが、20万ドルの宝石を奪い、偽物とすりかえたことを誤魔化すためだった。そのためパトリックとクリスティンはわざと喧嘩を演じてみせていたのだ。さらに、ポアロはイギリスの荒地で発見された婦人がパトリックの前妻で、通報したハイカーがクリスティンであったことを語り、二つの犯行が類似していること、そして解決の鍵となったのはパトリックの何げない言葉であったと話すのだった。
「地中海殺人事件」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「地中海殺人事件」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | サスペンス・ミステリー ドラマ |
製作国 | イギリス |
製作年 | 1982 |
公開年月日 | 1982年12月4日 |
上映時間 | 117分 |
製作会社 | ジョン・ブラボーン=リチャード・グッドウィン・プロ |
配給 | 東宝東和 |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1982年9月上旬号 | 試写室 地中海殺人事件 |
1982年12月上旬号 |
グラビア 地中海殺人事件 特集 地中海殺人事件 ガイ・ハミルトン監督作品 作品評 特集 地中海殺人事件 ガイ・ハミルトン監督作品 脚本アンソニー・シェイファーについて 特集 地中海殺人事件 ガイ・ハミルトン監督作品 クリスティ映画の系譜 |
1982年12月下旬号 | 外国映画紹介 地中海殺人事件 |
1983年1月下旬号 | 外国映画批評 地中海殺人事件 |