解説
アウグスト・ストリンドベルイの同名の著名な一幕戯曲より、スウェーデン王室演劇場出身のアルフ・シェーベルイが脚色・監督した一九五一年度作品で、同年カンヌ国際映画祭においてグランプリを獲得した。撮影はイエラン・ストリンドベルイ(原作者と親戚)、音楽はダグ・ヴィレーンの担当。主演はすべて王室演劇場出身のアニタ・ビョルク、ウルフ・パルメ、アンデルス・ヘンリクソン(彼は監督者でもある)。以下、メルタ・ドルフ、リッシ・アーランド、子役のインゲル・ノウルベルイ、ヤン・ハーゲルマンらが助演。
ユーザーレビュー
「令嬢ジュリー」のストーリー
夏至祭の宵、豪農の納屋の中では女中や農夫が、白夜の一刻を踊り狂っていた。父伯爵カウント(A・ベンリクソン)が近所の農家を訪問した留守、娘のジュリー(A・ビヨルク)は楽の音に誘われてダンスに出かけ、下男のジャン(U・パルメ)と踊った。しかし彼の厚かましい態度を怒ったジュリーは彼を置去りにして去ったが、やがて台所で許婚のクリスチン(M・ドルフ)と語らうジャンをみると、ジュリーは挑発的な態度で彼をからかわずにはいられなかった。生来卑しい農夫にすぎなかったジャンは少年の頃からどんなにジェリーを想いつづけて来たことかと、彼女を口説きはじめ、ついにジュリーはその夜ジャンに身を任せた。彼女は、不幸な少女時代のこと、自分を神経質な女に育ててしまった暗い家庭生活をジャンに打明けた。彼は、二人でイタリアに逃げ、新生活を打立てようと誇らしげに彼女をはげますが、聞くほどにジュリーは、男のいい加減な妄想と二人の食い違いを思い知らされるのであった。夜明けと共に父は帰宅しジャンは再び卑屈な召使いに戻った。今は一夜の悪夢もさめ果てたジュリーは、彼女の誇りを全うする唯一の手段--自殺を選ばなければならなかった。
「令嬢ジュリー」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「令嬢ジュリー」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | スウェーデン |
製作年 | 1951 |
公開年月日 | 1952年8月15日 |
上映時間 | 90分 |
製作会社 | サンドリュー |
配給 | 北欧映画=欧米映画 |
レイティング | |
カラー/サイズ | モノクロ |
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