解説
「悪魔の美しさ」に次ぐルネ・クレールの一九五二年作品で、例によって脚本・潤色・台詞・監督をひとりで担当している。現実と夢の交錯を描いたコメディ。撮影は「情婦マノン」のアルマン・ティラール、音楽は「浮気なカロリーヌ」のジョルジュ・ヴァン・パリスの担当。主演は「花咲ける騎士道」のジェラール・フィリップとジーナ・ロロブリジーダ、「浮気なカロリーヌ」のマルティーヌ・キャロル、新人マガリ・ヴァンデゥイユで、「終着駅」のパオロ・ストッパ、「肉体の冠」のレイモン・ビュシェール、「悪魔の美しさ」のレイモン・コルディ、「花咲ける騎士道」のジャン・パレデス、「快楽」のパロオ、「沈黙は金」のベルナール・ラジャリジュ、マリリン・ビュフェルらが助演する。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
これはジェラール・フィリップのための映画でした。
彼はどの時代にいっても女性に積極的で、もてて、その結果、周りと軋轢が起こる、美男子は大変だね。
現実世界でも成功するし。
一つ。カメラ〔撮影)なんだけど、主人公達が映っている範囲は映像がクリアで、その背景は濃淡を落としている。白化させている。フォーカスは合っている。どうやって撮っているの。カメラが動いてクリアのエリアが広がったりする。カットは入ってない。素人なのでわからないんだけど、どんなテクニックでやっているのでしょう?フィルターをかけてピントをシャープのままにしているの?
「夜ごとの美女」のストーリー
貧しい音楽教師クロード(G・フィリップ)は、隣家の娘シュザンヌ(M・ヴァンデゥイユ)に愛されていたが、どっちを向いても憂うつなことだらけの世の中にすっかりクサっていた。だが彼はふと迷いこんだ夢の世界で素晴しい歓びを発見した。時はさかのぼって一九〇〇年、自作の曲を夜会で披露したクロードは、若い貴婦人エドメ(M・キャロル)に並々ならぬ好意を寄せられ、オペラ座の支配人は彼のオペラの上演を約束してくれた。夢からさめたクロードは、「儂の若い頃は良かった」という老人の言葉をきっかけに、再び夢の世界でエドメに会い、オペラ上演も目前に迫るが、ここでまたも昔を惜しむ老人が現われて、夢は一八三〇年のアルジェリア征伐に変った。ここではクロードは勇敢なラッパ手でアラビアのレイラ姫(G・ロッロブリージダ)と相抱いた。そこへ再び昔を懐しむ老将校があらわれ、夢はルイ十六世時代の貴族の邸宅となり、クロードは、現実のジュザンヌとその名も同じ貴族の令嬢シュザンヌと恋を囁く。しかし夢からさめればクロードは、郵便配達と喧嘩したり、月賦屋に追いかけられたり、挙句のはては幼な馴染の巡査に毒づいて留置所入りとなった。ここでクロードは夢のつづきを見る。ルイ十六世時代ではシュザンヌと駆落ちの約束をし、アルジェリアではレイラ姫から月の出に待つとの伝言、一九〇〇年ではエドメからディナーの後で来るようにと囁かれた。と、折角のところをクロードを釈放に来てくれた友人たちのために夢を破られ、クロードは一刻も早く夢の世界にもどろうとしたが、友人たちは彼の態度を怪しんで警戒怠りなく、やっとの思いで夢の世界に戻ったときは、すべて約束の時間をはるかにすぎさり、エドメのところでは彼女の夫に見つかって逃げ出し、アルジェリアではレイラ姫の兄たちに襲われ、シュザンヌは急進派に拉致されたあと。急いで牢屋に行った彼も、そのまま捕えられた。そこで夢は更にさかのぼってルイ十三世時代、ボナシュウ夫人との逢う瀬も束の間、剣豪ダルタニァンにおそわれて命からがら逃げ出し、やっと夢からさめた。こんどは夢のつづきを見るのが怖く、眠るまいと頑張ったが、ついウトウトしてしまい、決闘だ銃殺だという騒ぎに逃げに逃げて、原始時代からノアの箱船の大洪水時代、ローマ帝国時代などを走りぬけ、やっと現実に舞い戻った。そこへほんとにクロードのオペラが上演される通知がまいこみ、彼とシュザンヌもめでたく結ばれた。
「夜ごとの美女」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「夜ごとの美女」のスペック
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