コントラクト・キラー

こんとらくときらー I Hired a Contract Killer
上映日
1991年3月9日

製作国
フィンランド スウェーデン

制作年
1990
上映時間
80分

レーティング
一般映画
ジャンル
サスペンス・ミステリー

check解説

自殺を試みたものの死にきれなかった男が、殺し屋に自分を殺してくれるよう頼んだことから始まる奇妙なストーリー。製作、監督、脚本、編集を「マッチ工場の少女」のアキ・カウリスマキ、原案はペーター・フォン・バック、撮影はティモ・サルミネンが担当。出演はジャン・ピエール・レオ、マージ・クラークほか。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     主役にジャン=ピエール・レオを迎えたり、イギリスの俳優を使ったりしている。すでに欧米ではアキ・カウリスマキは評価されていると言うことだろう。舞台もイギリスとなっている。ただし、実際のロケはフィンランドで行ったんだろうな。部屋の雰囲気とか、町の雰囲気がイギリスのそれではない。あの殺風景な部屋といい、部屋の壁の配色といい、北欧の雰囲気だ。イギリス映画を観てきてあんな部屋を見たことがない。いくらカウリスマキの好みとはいえ、イギリスの風景ではない。
     映画の出だしで壊れた廃墟とか、もう人もいない寂れたビル、街並みとか、カウリスマキはこんな風景が好きだね。
     彼のこれまでの映画同様、底辺の人間が主人公だ。主人公のアンリ(ジャン=ピエール・レオ)は職場をクビになって将来を絶望して、自分自身を殺してくれる様、裏社会のボスに依頼する。ボスは臨時で殺し屋を雇うと言ってアンリを返す。自分自身の殺害を殺し屋に頼むって設定、他の映画でも2,3回観ている。割とある設定なんだな。
     アンリは殺し屋を待っているが、ひょんな事でマーガレットと言う女性と知り合い愛し合う様になる。そうすると生きたいと思う様になり、殺し屋から逃げるのだが、最後、殺し屋に見つかって。
     アキ・カウリスマキの恋愛映画第3弾。結局、彼は純愛を信じているんだなあ。実は映画を観ている間、しばらくはマーガレットが本当の殺し屋だろうと思っていた。私がいかにアメリカ映画に毒されているかが良くわかる。これは、ちゃんと純愛映画だったんだ。
     この映画で特徴的なのは、画面に2人で登場するカット、2人が画面の右と左に分かれて距離を置いた構図にしている。2人の間の心理的な距離を表しているのだろう。
     で、やっぱり最後は逃避行で終わる。今回の舞台は港町ではないので、船ではなく列車での逃避行だが、今いるところから希望の持てる地への旅立ちだ。
     はたしてそこに希望はあるのか。

「コントラクト・キラー」のストーリー

フランス人のアンリ(ジャン・ピエール・レオ)はある日突然、15年勤めてきた水道局を首になり、呆然自失のまま家に帰ってガス自殺をはかる。だがそれも失敗に終わり翌朝新聞で必殺の実績を誇る殺し屋、コントラクト・キラーの記事を目にしたアンリは、意を決しキラーのボスの所へ行き自分を殺してくれるように頼む。その翌日アンリはバーで、まるで女神のような花売り娘マーガレット(マージ・クラーク)に出会い一目で恋に落ちたことから、突然死ぬのが嫌になった。そしてその時から逆に、コントラクト・キラーから逃げ回るはめに。アンリはマーガレットのアパートに逃げ込むが、そこに追手が現れ、2人は着のみ着のまま場末のホテルにたどりつく。しばらくそこに潜んでいたが、町へ出た時殺し屋の手下たちが強盗をはたらいている所に出くわし犯人の濡れ衣を着せられてしまった。警察からも追われることになり行方をくらましたアンリを、コントラクト・キラーは必死で追った。実は彼はガンで余命いくばくもなく、焦っていたのだ。その後アンリとマーガレットは再会を果たし、二人は海外に逃亡することを決める。一足先に出たマーガレットと落ち合うため駅に向かおうとしたその時、コントラクト・キラーが現れた。しかし、彼はアンリに向けていた銃口を突如自分の方へ変え、そのまま自殺してしまった。アンリの命は救われたのである。

「コントラクト・キラー」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「コントラクト・キラー」のスペック

基本情報
ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 フィンランド スウェーデン
製作年 1990
公開年月日 1991年3月9日
上映時間 80分
製作会社 ヴィレアルファ・フィルム・プロ
配給 フランス映画社
レイティング 一般映画
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
音量 モノラル

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