これが「子連れ狼」シリーズの最後と言うことで、劇画の通り最後は柳生烈堂と拝一刀の一騎打ちで、決着は大五郎が、と思って観たら、あれ?これがラストなの?で終わってしまった。
しかし、ついにここまで来てしまったか。これはもう時代劇なのか。確かに着物着ているし、刀で斬り合いしているし。「大魔神」の特撮映画の続編と観れば良いのかな。でも、巨大な大魔神や怪獣みたいなのは出てこないので、変身物の映画と観れば良いのかな。確かに土蜘蛛一族なる物達が出てくるので、時代劇版特撮物と観ればいいかな。
柳生烈堂が将軍様に会うシーンがあるが、烈堂はこのくらい偉い人だったんだ。だけど、表柳生は本シリーズでは全く出てこなかったなあ。烈堂は次々息子達を殺されて最後に残った娘を最終兵器として拝一刀に差し向けるのだが、これがあっさりと返り討ちにあってしまうのね。最終兵器として弱くね?
その後、烈堂は今度は妾腹の子で幼くして土蜘蛛一味に棄てた息子に拝一刀を殺す様頼む。この土蜘蛛の首領を木村功が演じているんだけど、これってもったいない。「七人の侍」の木村功だよ。「暗殺」で清河八郎を殺した木村功だよ。なんでこんな妖怪映画に使ってるの。で、土蜘蛛の首領(木村功)が拝一刀に斬られ、ようやくのこと妹の元にたどり着いて子どもを作ろうと妹と合体しているところを烈堂が串刺しにするなんて。烈堂にとっても孫が出来れば血筋が繋がるのに、殺してしまっては子供たちみんな死んでいるじゃない。それとも他にも妾腹がいるか、まだまだ頑張るぞ、なのか。土蜘蛛一味の精鋭で土の中で90日鍛えたという3人がいて、土の中を潜っていくんだけど、”鬼滅の刃”思い出しちゃった。この3人のうちの2人が草野大悟と石橋蓮司か。まだ何でもOKの脇役だったんだなあ。もう一人の宮口二郎さんはよく知らない。土蜘蛛一味が子連れ狼に関わった人達を殺していくのは、ここは不気味だった。唯一怖さを感じさせた。
ラストの雪原のシーンは何だろうねえ。何でもありになってしまったなあ。まず、その前のシーンは夏か秋のシーンなのに、なんでいきなり雪原のシーンになるの?なんでスキーしているの?スキーが日本に紹介されたのは、明治以降なんだけど。もう時代考証も何もかも無視して、ただ壮大な立ち回りを撮りたかっただけなのかな。
映画なんだから原作になくたって話を作って撮れば良いのに。「座頭市」だって「眠狂四郎」だって、オリジナルなお話があるでしょ。それでいいのに、それによってまた新しい血が入るのに、全く時代劇と違う物になってしまった。そりゅあ最後だわな。