子連れ狼 三途の川の乳母車
こづれおおかみさんずのかわのうばぐるま Baby Cart at the River Styx
解説
原作・小池一雄、劇画小島剛夕のコンビによる、『漫画アクション』に連載中の『子連れ狼』の映画化第二作目。脚本は「子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる」の小池一雄。監督も同作の三隅研次。撮影も同作の牧浦地志がそれぞれ担当。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
まず、話が裏柳生との戦いと、刺客稼業の2本立てとなるから、話がごちゃごちゃしちゃっている。江戸の裏柳生家はどうやら前作で負けたため、直接、拝一刀親子を狙えないらしい。前作、そんなシーンあったけな。それで関西(四国?)に来た拝一刀を狙うのは明石柳生と黒鍬衆(ウェキおじさんに教えてもらった)だ。明石柳生は女だけの集団で当主を松尾嘉代が演じている。一方で拝一刀は阿波藩から江戸に護送される男を殺す様頼まれる。江戸への護送役に屈強な幕府の護送人が警護にあたる。
前半から中盤までは明石柳生と黒鍬衆との戦い。松尾嘉代を除いて皆殺される。この間、阿波藩案件は殆ど出てこない。仕事はきちんとしないと。なんせ報酬が500両だよ。
それと後半というかラスト近くに阿波藩の仕事をするのだが、護送人の3兄弟というのがもう漫画だね。あの武器は何?子ども向け変身物のテレビと同じじゃない。よくもあんな武器やキャラクターを登場させた物だ。やっぱり劇画をそのまま映画化しようとするとおかしな映画になってしまうなあ。三隅ファンの私としては、これは三隅研次の責任じゃなく小池一雄の責任でしょ。大体、素人に脚本を書かせるからこんな漫画になってしまうんだ。劇画と映画とは違う物なんだから、映画化する時には映画向けに変えなきゃいけないのに。まあ、だから小説や漫画、劇画を映画化した時に原作者と意見が対立するんだろうけど。
護送人の1人を岸田森が演じている。怪優岸田森はこんなおかしなキャラクターを時々やるんだよね。そういえば天本英世も怪優だったなあ。
今回の映画は女性の裸は出てこなかった。珍しい。 -
錆色さびいろ
「子連れ狼 三途の川の乳母車」のストーリー
虚無僧が抜刀しながら宙を駆る。一刀「柳生か!」斬り込んでくる虚無僧。それをはずし上段から叩き斬る一刀。天蓋が両断され宙に舞う。虚無僧の頭部に一刀の銅太貫がくいこむ……。元公儀介錯人、拝一刀は今日も、大五郎を乗せた箱車を押して流浪の旅をつづける。拝一刀殺害に失敗した、黒鍬小角は明石柳生の女指南役、柳生鞘香に一刀殺害を依頼する。鞘香を首領とする別式女八人の一刀襲撃が開始される。百姓女に扮した四人。小川の底に四本の白刃が沈められている。また女角兵衛獅子に扮した二人もトンボを切りながら一刀を襲う。それらを次々と斬り倒す一刀。水鴎流新馬刀を駆使する一刀の敵ではなかった。が、一刀も傷つき川原の小屋に倒れる。「ちゃん……」大五郎は健気にも、一刀の唇に自分の手をつけた水を浸すのだった。外を吹く強い風の音。その時、軽快な太鼓の音が風にのって聞こえてくる。大五郎はその音に引きつけられ、小屋を出る。復讐の念に燃える黒鍬衆の罠である。大五郎は捕われ、井戸のつるべに釣るされてしまう。黒鍬小角は、大五郎の命を助けたければ降服せよとせまる。「殺したくば殺すがよかろう!だが何のためになる……権謀術策を弄し一門の繁栄のみを願う柳生への忠義だてなのか……」冥府魔道に生きる父と子、宿命の刺客に生きる父を大五郎は、死を覚悟したかのように見詰めるのだった。黒鍬衆はこの恐しいまでの父と子の肉親愛に愕然とする。その間隙をぬって一刀は見事大五郎を救出し、黒鍬衆を全滅させた。拝一刀に刺客を依頼したいと願う者は、魔道の護符を街道沿いの神社仏閣に貼り出すことになっている。今日は、阿波藩からの刺客の依頼を受ける。「事情は全てお聞かせ願おう」冷たく言い放つ一刀。幕府より阿波藩の浮沈を賭けた阿波藍の秘法を知る幕屋忠左衛門を奪う為派遣された公儀護送役、弁・天・来の三兄弟を殺すという仕事である。阿波へ向う渡海船の中で一刀は初めて三兄弟と出会う。ところが船火事が超こり三人は巧みに海へ逃れる。一刀も又、長巻を使って大五郎と共に猛火の中をかいくぐり海へ逃れる。やがて、三兄弟は、幕屋忠左衛門の奪取に成功して砂丘を江戸へ向うことになった。砂の下に潜んでいた阿波藩家臣が不意をついて襲撃するが、弁馬の手甲鉤、天馬の混飛、来馬の鉄挙に次々と倒されていき、やがて全滅。浜風が砂を舞い上らせる。と、その向うに遠く黒い人影が浮びあがる。「やはり来たか!」弁馬が低く強く言い放つ。「まいる……」一刀は胴太貫を抜き放って砂地を蹴り、三人に向って突進した……。
「子連れ狼 三途の川の乳母車」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「子連れ狼 三途の川の乳母車」のスペック
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