解説
殺した相手の娘を気にかけ、伯父だといつわり文通を続けながら、彼女の成長を見守るうちに再び義理によって人を殺す男の姿を描く。脚本は「君は海を見たか」の倉本聰、監督は「夜の演歌 しのび恋」の降旗康男、撮影は「犬神の悪霊」の仲沢半次郎がそれぞれ担当。
ユーザーレビュー
「冬の華」のストーリー
関東の東竜会幹部、加納秀次は、会長の坂田良吉を裏切り、関西の暴力団に寝返った松岡を殺害した。殺された松岡には三歳になる洋子という一人娘があり、加納は洋子を舎弟の南幸吉に託して、旭川刑務所に服役した。服役中、加納はブラジルにいる伯父といつわり、洋子と文通を続ける。十五年の刑期を終え、出所した加納は、洋子に加納の手紙を運ぶうち彼女の恋人となった竹田の案内で、洋子の姿を見ることができた。ある日、洋子の手紙によく書かれていた喫茶店で、加納は彼女と出会う。加納がブラジルにいる伯父ではないかと思った洋子は、彼にそれを尋ねようとするが、加納はすばやく彼女の前から去り、店を出て行った。組結成の話も断わり、堅気になろうと決心していた加納は、坂田から、息子の道郎の相談相手になってくれと頼まれる。加納と道郎が再会を喜び合ったのも束の間、坂田は関西の暴力団員に殺される。その仇を討つため、関西連合の三枝と東竜会を裏切った山辺を、道郎が狙っていることを耳にした加納は、坂田から道郎を頼まれたこともあって、苦悩する。山辺殺害を決意した加納は、洋子へ電話をかけ、当分日本には帰れないというのだった。翌日、南に道郎が外に出られないように見張らせた加納は、山辺のもとへ向かう。それは、再び会うことができないであろう洋子の幸福を願いつつ、十五年前の状況に戻ってしまう加納の宿命であった。
「冬の華」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「冬の華」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1978 |
公開年月日 | 1978年6月17日 |
上映時間 | 121分 |
製作会社 | 東映京都 |
配給 | 東映 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1978年5月下旬号 |
グラビア 冬の華 特集 「冬の華」 1 孤独なる男の心象風景に優しい眼をそそいだ作品 特集 「冬の華」 2 倉本聰氏に聞く 「冬の華」は健さんへの私的ラブレターです 特集 「冬の華」 3 京撮に充足感あふれる健さんをたずねて 特集 「冬の華」 シナリオ |
1978年6月上旬号 | 日本映画紹介 冬の華 |
1978年7月上旬夏の特別号 |
外国映画紹介 ハーダー・ゼイ・カム 今号の問題作 冬の華 |