解説
ガンと闘い、右腕切断の大手術をうけながらも、わずか十五年の人生を明るく、たくましく精一杯生きた少女の姿を描く関根庄一原作の映画化。脚本は寺島アキ子と「アラスカ物語」を監督した堀川弘通の共同執筆、監督も同作の堀川弘通、撮影は中尾駿一郎がそれぞれ担当している。
ユーザーレビュー
「翼は心につけて」のストーリー
鈴木亜里、十五歳。共働きの両親、弟と団地に住む平凡な女の子。ある日、テニスの練習中、突然襲った激痛にラケットを落とす亜里。検査の結果骨肉腫とわかり、医師から他への転移をふせぐため、右腕の切断の同意を求められた父母は生きる可能性があればと、病名をかくして、亜里に話した。涙もこぼさずうけ入れる亜里は、その腕にマニキュアをし、指輪をはめてみた。「学校へなんか戻らない。テニスも出来ないし、勉強なんかしたくない」と手術後の回復訓練も、友人の見舞いも拒絶する亜里。だが、そんな亜里も、生命をまもるためにつくす病院に働く人々の姿に次第に心を開く。「ケースワーカーなら片腕がなくてもできる」と生きる目標をつかんだ亜里は、今までの遅れを取り戻そうと勉強、機能訓練に猛然といどむ。あちこちの病室で彼女の明るい笑い声が聞こえた。だが、医師は両親に「ガンが転移し、治療法はワクチンだけ、それが効かない時は来春まで……」とつげるのだった。ケースワーカーになるには、どうしても大学へ行かねばと、永和高校を志望したが、今の偏差値では無理と言われた亜里。しかし、亜里の熱意に、教師は出来る限りの応援を送り、級友も彼女を励まし、ささえるのだった。努力はむくわれ、亜里は高校入試合格の喜びを手にしたが、亜里の残された僅かな生命も燃えつきようとしていた。
「翼は心につけて」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「翼は心につけて」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 社会派 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1978 |
公開年月日 | 1978年10月14日 |
上映時間 | 115分 |
製作会社 | 翼プロダクション |
配給 | 共同映画全国系列会議 |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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