眠狂四郎人肌蜘蛛

ねむりきょうしろうひとはだぐも
上映日
1968年5月1日

製作国
日本

制作年
1968
上映時間
80分

レーティング
ジャンル
時代劇

check解説

「遊侠三国志 鉄火の花道」の星川清司が脚本を担当し、「妖怪百物語」の安田公義が演出したシリーズ第十作目。撮影は「陸軍中野学校 開戦前夜」の武田千吉郎。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     将軍家斉の御落胤の兄妹、江戸での所業が悪辣なため天領甲府へ封ぜられたが、その甲府でも村人を拉致しては殺していくという始末。兄の土門家武(川津祐介)は毒の研究家、妹の紫(緑魔子)は村人をいたぶって殺す。江戸から目付役(渡辺文雄)が来て悪行をやめる様諭すが兄妹はやめようとしない。目付役は甲府に来ていた眠狂四郎に兄妹を始末する様頼む。
     で、村人が土門達に拉致されていくのはまるで蜘蛛の巣に引っかかる様だ。そうだ、この映画のタイトルが「眠狂四郎人肌蜘蛛」だった。
     やっぱり魅力は緑魔子だよなあ。時代劇にあっているかは、少し違うかな、とは思うけど、その妖艶さはさすがだ。山田洋次の「吹けば飛ぶよな男だが」とはまた違った魅力。須川栄三の「日本人のへそ」とも違った魅力。石橋蓮司はどうやって彼女を射止めたんだろう。川津祐介は私のイメージは爽やかな青春スターのイメージだ。この映画で悪役をやっているが、やっぱり今ひとつ迫力に欠けるかなあ。もっと悪役らしいアクがあると良いんだけど。そして渡辺文雄は江戸幕府の目付役。映画の前半から中盤は、家武の毒矢にあたって死ぬ寸前だった眠狂四郎を助けるなどして、良い役かよ、と思っていたが、やっぱり違いましたね。ただ、ラスト辺りの設定はいかにもで、とってつけた様な設定に感じる。それでも渡辺文雄、小津の映画なんかでは善良なサラリーマンをやったりしているけど。あと、寺田農が若い。この映画の頃は20代中盤でまだまだ売り出し中と言うところか。大映の大部屋俳優伊達三郎さんの役がだんだんと出世していくのが楽しい。眠狂四郎シリーズも前半では、チンピラやしがない素浪人役だったのがだんだんと地位の高い役になってくるのが観ていて楽しい。
     映画はどうか、って?うん、楽しかったよ。初めて狂四郎が死ぬ間際までいったし。

「眠狂四郎人肌蜘蛛」のストーリー

母の墓参に、甲府へ立寄った眠狂四郎は、将軍家斉の妾腹の子という権力をカサに、暴虐の限りを尽す土門家武、紫の兄妹の鬼館へ、召出された薬師寺兵吾の身変りとして出かけた。甘美な肌を誘いに迫る紫や奴隷男蜘珠手の攻撃を受けた狂四郎は、敵の一瞬のスキをみて、鬼館を脱した。だが、戻ってみると兵吾と村娘はるの姿はなく、瀕死の七蔵が横たわっているのみだった。七蔵は、二人の救出を依頼すると世を去った。一方、紫、家武の一派は、種種の好策を隠して狂四郎に迫った。狂四郎は、ハンセン病を装う女を見抜いたものの、不覚にも家武の毒矢を腕に受けてしまった。薄れゆく意識の中、狂四郎は辛くも草むらに身を隠したが、ついに力尽きてしまった。そんな狂四郎の危機を救ったのは、公儀目付役都田一関だった。そこで狂四郎は、将軍家安泰のため乱行の紫兄妹を葬ってくれと頼まれたが、救命の礼を述べ、その申出を断った。そんな折、狂四郎の身を気遣って近付く女が現われた。紫の一味で門付女須磨だった。だが狂四郎の魅力にとりつかれた須磨は、身の危険も省りみず、陶酔の夜を燈すのだった。須磨の裏切りを察知した紫は、兵吾との交換条件を持出し、狂四郎を森の荒家に誘った。危険はもとより承知の上、森の一軒家に出かけたものの、十字架にかけられた須磨の裸体を前に一瞬歩を止めた。その時、火煙筒が投げ込まれ、死体を装っていた紫一派の集中攻撃を浴びた。しかし狂四郎の円月殺法は冴えわたり、狼狽する敵陣深く斬り込んでいった。やがて狂四郎は紫の身体を冷やかに賞味すると、兵吾との交換を家武に伝えさせ、闘技場に向った。しかし、面前で兵吾を射殺された狂四郎は、鋭く迫る一味に敢然と斬り込んだ。冴えわたる円月殺法に蜘蛛手はじめ次々と倒れ家武も血しぶきをあげて倒れた。あえない兄の最後を見とどけた紫は、炎上する鬼館へ身を投げた。土門家破滅の礼を装い斬りかかった都田も狂四郎の一閃に最後をとげた。同じ黒ミサの運命を受けた、混血青年兵吾の屍を前に佇む狂四郎。その姿は憂愁をおびていた。

「眠狂四郎人肌蜘蛛」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「眠狂四郎人肌蜘蛛」のスペック

基本情報
ジャンル 時代劇
製作国 日本
製作年 1968
公開年月日 1968年5月1日
上映時間 80分
製作会社 大映京都
配給 大映
レイティング
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ

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