解説
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ミャーノフ大佐
将軍家斉の御落胤の兄妹、江戸での所業が悪辣なため天領甲府へ封ぜられたが、その甲府でも村人を拉致しては殺していくという始末。兄の土門家武(川津祐介)は毒の研究家、妹の紫(緑魔子)は村人をいたぶって殺す。江戸から目付役(渡辺文雄)が来て悪行をやめる様諭すが兄妹はやめようとしない。目付役は甲府に来ていた眠狂四郎に兄妹を始末する様頼む。
で、村人が土門達に拉致されていくのはまるで蜘蛛の巣に引っかかる様だ。そうだ、この映画のタイトルが「眠狂四郎人肌蜘蛛」だった。
やっぱり魅力は緑魔子だよなあ。時代劇にあっているかは、少し違うかな、とは思うけど、その妖艶さはさすがだ。山田洋次の「吹けば飛ぶよな男だが」とはまた違った魅力。須川栄三の「日本人のへそ」とも違った魅力。石橋蓮司はどうやって彼女を射止めたんだろう。川津祐介は私のイメージは爽やかな青春スターのイメージだ。この映画で悪役をやっているが、やっぱり今ひとつ迫力に欠けるかなあ。もっと悪役らしいアクがあると良いんだけど。そして渡辺文雄は江戸幕府の目付役。映画の前半から中盤は、家武の毒矢にあたって死ぬ寸前だった眠狂四郎を助けるなどして、良い役かよ、と思っていたが、やっぱり違いましたね。ただ、ラスト辺りの設定はいかにもで、とってつけた様な設定に感じる。それでも渡辺文雄、小津の映画なんかでは善良なサラリーマンをやったりしているけど。あと、寺田農が若い。この映画の頃は20代中盤でまだまだ売り出し中と言うところか。大映の大部屋俳優伊達三郎さんの役がだんだんと出世していくのが楽しい。眠狂四郎シリーズも前半では、チンピラやしがない素浪人役だったのがだんだんと地位の高い役になってくるのが観ていて楽しい。
映画はどうか、って?うん、楽しかったよ。初めて狂四郎が死ぬ間際までいったし。
「眠狂四郎人肌蜘蛛」のストーリー
「眠狂四郎人肌蜘蛛」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「眠狂四郎人肌蜘蛛」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 時代劇 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1968 |
公開年月日 | 1968年5月1日 |
上映時間 | 80分 |
製作会社 | 大映京都 |
配給 | 大映 |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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1968年6月上旬号 |
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