解説
宇宙の守護神ガメラと超遺伝子獣ギャオスの壮絶なバトルを描いた特撮怪獣映画。本作品は、65年に「大怪獣ガメラ」として登場したシリーズの9作目にあたり、80年の「宇宙怪獣ガメラ」に続く14年ぶりの作品である。最新のSFXを駆使して、迫力の映像を展開。監督は「毎日が夏休み」の金子修介。脚本は「ネクロノミカン」の伊藤和典。特技監督に「未来の想い出 Last Christmas」の樋口真嗣がそれぞれあたっている。主演は「四姉妹物語」の伊原剛志、「ゴジラVSメカゴジラ」の中山忍、スティーヴン・セガールの娘・藤谷文子ら。封切り代表館である日比谷映画では、上映期間中「ガメラシアター」と館名を変更し、ポスター展などを場内で開催して話題を呼んだ。95年度キネマ旬報ベストテン第6位。同・読者選出ベストテン第2位。2016年7月2日より4Kデジタル復元版が劇場公開される。
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2025年5月4日放送
BS12 トゥエルビ
ユーザーレビュー
「ガメラ 大怪獣空中決戦」のストーリー
プルトニウム輸送船「海竜丸」の警護にあたっていた海上保安庁の巡視船に、「海竜丸」が座礁したとの連絡が入った。海底ははるか下方だったが、確かに環礁に乗り上げているのが確認される。だが、その環礁はまもなくまるで生き物のように「海竜丸」から離れて行った。その頃、福岡市の動物園に勤める鳥類学者・真弓は、五島列島の姫神島で消息を絶った恩師・平田を心配して県警の大迫とともに島に飛んでいた。彼女がそこで見たものは、巨大な鳥によって破壊しつくされた島の変わり果てた姿だった。その後の調査により、人を食糧としている巨大な謎の鳥型生物が生息していることが判明。しかもそれは3匹だった。事態を重く見た内閣は鳥を捕獲することを決定した。一方、「海竜丸」の座礁事件の謎を追う保安庁の米森は、海上保険会社の草薙を頼って調査船に乗り込む。太平洋上で環礁を発見し上陸した米森たちは、そこで不思議な金属片と、碑文の書かれた大きな石碑を見つける。ところがその瞬間、環礁は再び生き物のように動き出し、上に乗っていた調査隊は海中に投げ出されてしまった。その時、米森は海中で環礁の正体を見る。それは、巨大な亀の形をした生物だった。巨大鳥捕獲のためにかりだされた真弓は、福岡ドームに罠を仕掛け、鳥の飛来を待った。果たして、3匹の鳥はドーム内の餌に食らいつき、まんまと作戦に嵌まったように見えたのだったが、狙撃隊の発砲が一瞬早かったために鳥が暴れ出し、ドーム内はパニックに陥る。そこへ、あの環礁と思われていた生物が正体を現して飛来して来た。亀の恰好をしたその巨大生物は、鳥の1匹を殺すと、逃げて行く他の2匹を追って、ジェット噴射を噴き出して空の彼方へ消えた。1万2000年前、一夜にして海底に沈んだ伝説の大陸アトランティスで使われていた未知の金属オリハルコンと推定された石碑の文字を解読した米森は、「最後の希望ガメラ、時の揺籠に託す。災いの影、ギャオスとともに目覚めん」という文章に今回の事件を重ね合わせて見ていた。古代文明人は、遺伝子の操作によって自らが誕生させたギャオスによって滅亡の危機に遭い、さらにその手から逃れるためにガメラを誕生させたのだ。そして今、永い眠りから目覚めたギャオスと共にガメラもまた目覚めたのである。木曾山中に現れたガメラは、そこで1匹のギャオスを退治。残りの1匹を追って、さらに富士の裾野へ飛行を続けるのだった。ところが、ガメラがギャオスを倒すために蘇ったということを信じられない政府は、ガメラにもミサイルを発射。ガメラは、深い傷を負ってしまう。ところが、ガメラが傷つくと、草薙の娘・浅黄もまたガメラと同じところから血を流して倒れてしまうのであった。どうやら、米森がガメラの背中から拾って浅黄にあげた金属片がマガタマとなって、ガメラと浅黄の心が通じてしまったようだった。ガメラは海底深くに身をひそめ、回復を待っていた。ガメラの攻撃から逃れた最後のギャオスは、東京に出現。次々に人々を襲っては、より凶悪に、より巨大に成長していく。ギャオス退治に躍起になる自衛隊。東京タワーなどが破壊され、東京はその機能を失っていく。だがその時、昏睡状態になっていた浅黄が目覚め、ガメラの復活を告げるのだった。その言葉通りガメラは復活し、ギャオスと大バトルを展開する。その末に、ガメラの放ったプラズマ火球がギャオスをとらえ、断末魔の叫びと共にギャオスは粉々に砕け散った。役目を終えたガメラは、米森や真弓、そして浅黄らが見守る中、海の彼方へ消えて行くのだった。
「ガメラ 大怪獣空中決戦」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ガメラ 大怪獣空中決戦」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | SF |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1995 |
公開年月日 | 1995年3月11日 |
上映時間 | 95分 |
製作会社 | 大映=日本テレビ放送網=博報堂作品(製作協力*IMAGICA=徳間書店=徳間ジャパンコミュニケーションズ) |
配給 | 東宝 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | ドルビー |
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