解説
ケチな探偵コンビが繰り広げる義理と人情の旅を、コミカルに描いたロードムービー。監督は「ビリケン」の阪本順治。脚本は往年のTVシリーズ『傷だらけの天使』のキャラクターをもとに、「のぞき屋」の丸山昇一が執筆。撮影を「ユメノ銀河」の笠松則通が担当している。主演は「八つ墓村(1977)」の豊川悦司と「あの夏、いちばん静かな海。」の真木蔵人。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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89bubble93
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ミャーノフ大佐
阪本順治だから観た、といってもいい。脚本も丸山昇一。そんなに酷くはならないだろうと思っていたのに。阪本順治の監督作品は「トカレフ」までは全て観ていて、この映画はその「トカレフ」の次の作品となる。当然、70年代にショウケンと水谷豊のコンビで大ヒットしたテレビドラマ「傷だらけの天使」をモチーフにしているのでしょう。ただテレビドラマ版は東宝が制作に噛んでおり、映画版は松竹の配給となっている。権利関係はどうやってクリアしたんでしょう?
ハッキリ言って駄作でした。もっというとダメ映画でした。前半から中盤にかけて、話の筋も粗いし、雑な撮り方をしているけど、それでもちょっとコミカルな演出で、テレビの「傷だらけの天使」をオマージュしているんだろうなあ、と思って、これはこれで良し、として観ました。だが、後半、子供を父親側の祖父(菅原文太)に預けてからがいけない。どうでも良いエピソードを繋ぎながらだらだら映画を伸ばしている。ヤクザの絡みも突然出てくるし。
子供を祖父に届けるところでロードムービーを終わらせて良かった。そしてヤクザの絡みはもっと前半から織り込んで、ひたひたとヤクザが追っているところを描かないと。30分は短くできるのでは?
ひょっとして映画を撮りながら脚本を書いていた?せっかく菅原文太や麿赤児をゲスト出演させているのにもったいない。
こんな雑な映画を作ったことを恥としないと。阪本順治さん、丸山昇一さん。
「傷だらけの天使(1997)」のストーリー
満と久は、行き当たりばったりの生活を送る探偵コンビ。久に愛想を尽かされ、とうとう事務所をたたむことになった満は、足立から最後の仕事を受け、シャブ絡みの調査のためにある雑居ビルに潜入する。ところが、そこでヤクザに襲われて瀕死の状態の倉井という男に出会ったことから、彼の幼い息子の蛍を別れた妻の元に届けることになってしまった。お人好しの満は蛍を連れて、一路岩手県宮古へと向かう。しかし、母親は青森に引っ越してしまった後で、ふたりは途中で合流した久とともに青森へ向かった。だが、ようやく会えた満の母・和江は、別の男との結婚を控えていて、蛍を引き取ることはできないと言う。いたたまれなくなった満と久は、蛍を父方の祖父が住む七戸へ連れていき、引き取ってもらうことにした。ひと仕事を終え、満と久は東京に戻ろうとするが、満は自分が一緒にいては迷惑がかかると、自ら久と別れることを決意する。その後、満は青森で知り合った東京の化粧品講習のインストラクターの英子と再会した。仕事にプライドを持っているキャリアウーマンの英子に、満はハートを熱くさせたが、その一方で恋愛に傷つき、いつまでもそれを引きずっている自分を変えようとしている彼女の気持ちを知り、また東京で会うことを約束して別れる。満のことが忘れられず、またしても彼を追ってきた久と一緒に、満は東京へ戻ることにしたが、その途中、満は倉井を襲ったヤクザの殺し屋に襲われてしまう。
「傷だらけの天使(1997)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「傷だらけの天使(1997)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1997 |
公開年月日 | 1997年4月19日 |
上映時間 | 118分 |
製作会社 | 吉本興業=電通ヤング・アド・ルビカム(製作協力*TIMES IN=KNHO) |
配給 | 松竹=松竹富士 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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