「安藤組外伝 群狼の系譜」のストーリー
関東に拠点を置く秋田会の代貸・殿村が、関東進出を狙う関西系三雄会ヒットマンの手によって刺殺された。時を同じくして、14年間の刑期を終えた伝説の男、秋田会行動隊長の小諸が出所した。彼は誰の出迎えもなかった訳を火葬場で知った。秋田会会長の秋田に暖かく迎えられた小諸。だが三雄会の動きも気になる兄弟分の草野は、出所したばかりの小諸を気遣ってしばらく身を隠すように勧める。また、小諸が入獄するときに若衆のひとりだった新庄が、直径の舎弟になり自分の組を持つまでに出世しており、時代の移り変わりを肌で感じる小諸だった。実家に戻っていた妻の光代に会うため、小諸は電車に乗る。だが、堅気の男と再婚していた光代を見て、小諸は静かに身を引く……。東京に戻った小諸は、かつての兄弟分である田所と再会、となりの部屋に住んでいたチンピラの真野とその恋人・かすみと心を休める日々を送る。そして、とある怪我で入院した病院で出会った看護婦・秋江の優しさに、小諸は次第に心を奪われていく。秋江と彼女の娘と三人で遊園地を楽しみ、レストランで娘に甘いものを無理やり食べさせられる。これが本当の幸せなのかもしれない、と思い始める小諸。しかし、徐々に激しさを増す三雄会との抗争で、草間や真野は命を落としてしまう。怒りに燃えた小諸は、三人で一緒に暮らすことを夢見ていた秋江と娘を置いて、三雄会に向かう。裏で三雄会と手を組んでいた新庄の姿が浮かび上がったのだ。新庄に向かって引き金を引く小諸。その時、引越しの準備を済ませた秋江親子は部屋で、戻るはずのない小諸を待っていた。「おじちゃんの嘘つき」。少女の声がさびしく部屋の中に響いた。