キッチン・ストーリー
きっちんすとーりー Kitchen Stories解説
50年代にスウェーデンで実際に行われたという“独身男性の台所での行動パターン調査”をヒントに、調査員と調査対象者となった2人の中年男性の交流をユーモラスに綴ったコメディ。監督は、「卵の番人」のベント・ハーメル。
ユーザーレビュー
「キッチン・ストーリー」のストーリー
ノルウェーの田舎で一人暮らしをしている、年老いたイザックの元へ、フォルケという男がやって来た。主婦の台所仕事が世界的に重要視され始めた1950年代初頭。キッチン棚の大きさや調理台の高さなど、台所の国際的な規格が出来上がっていた。そこでは製品開発など多くの面で「行動心理学」が大きな役割を果たしており、1944年にスウェーデンで発足した「家庭研究所」では、「ノルウェーとフィンランドにおける独身男性の台所での行動パターン」についての調査が開始されようとしていた。フォルケはその「家庭研究所」の調査員であり、トレーラーで国境を越えてスウェーデンからノルウェーにやってきたのだった。イザックは「馬」がもらえるという理由からこの調査に応募していたが、彼が手にしたものはスウェーデン特産の赤い「馬の人形」だった。応募したことを後悔したイザックは、フォルケを家に入れることを拒否。しかし、数日後、ようやくあきらめたイザックの家の台所には、彼を見下ろす奇妙な監視台が設置された。調査される側と調査員との間には、「お互い会話してはいけない」「いかなる交流ももってはならない」などのルールが厳しく決められていた。一日中、黙って自分を見下ろすフォルケに気を許せないイザックは、キッチンを使わず寝室でこっそり調理をする。弱った体を心配して、時々友人のグラントがお茶を飲みに尋ねてくる以外は、イザックの家に人が出入りすることは無かった。お互い気まずい観察生活が続いたある日、ついにフォルケとイザックは口をきいた。ゆっくりと確実に深まっていく二人の距離。いつしか、お互いにコミュニケーションをとることが楽しみになっていた。イザックの誕生日。フォルケは自分のトレーラーにイザックを招待し、いっぱいのロウソクを立てたケーキでお祝いする。トレーラーの外には、楽しそうな二人を窓から見て、持ってきたケーキを手に帰ろうとするグラントの姿があった。楽しい日々を過ごす二人だったが、フォルケは調査員としてのルールを破っていた。ついに頭のかたい上司に知られてしまい、フォルケはクビを言い渡されてしまう。そんなフォルケにイザックは、自分と一緒にクリスマスを過ごさないかと提案する。しかし、イザックの提案を受け入れたフォルケの元へ上司マームバーグが現れ、「スウェーデンとの国境までトレーラーを運べ」と命じるのだった
「キッチン・ストーリー」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「キッチン・ストーリー」のスペック
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2004年6月上旬号 |
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