「太陽に恋して」のストーリー
ハンブルクで教育実習生をするさえない青年ダニエルは、明日から夏休みだというのに何も予定がない。そんなダニエルに、自由気ままなアクセサリー売りのユーリ(クリスティアーネ・パウル)は惹かれていた。偶然彼女の前でダニエルの買い物袋が裂けてしまったところで、彼に言葉をかける。太陽のついた指輪を彼に売り、間もなく太陽を身につけた理想の女性と出会うだろうと告げる。そして彼は、太陽が描かれた服を着るイスタンブールに向かう旅の途中のメレク(イディル・ユネル)というトルコ人に恋をする。ユーリも太陽のついた服を着ていたのに、気づいてもらえなかった。メレクは、金曜日の正午にボスポラス大橋の下で恋人と会う約束をしているといって旅立っていく。彼女に夢中な彼は、女の後を追ってイスタンブールへ向かう。途中、彼がヒッチハイクの女性を拾うと、それは恋に失望し、ただ遠くに行きたい気分のユーリだった。女のために人を殴り闘ったり、マリファナ煙草の味を知ったりと、初めての経験づくしのダニエル。不安感からか、あるいはどんどん好きになっていくユーリの影響か、ダニエルは人が変わったようにエネルギーと行動力に満ちている。しかしユーリに、自分をメレクに会わせたくないのだろうと責めてしまい、傷ついたユーリは彼から去ってゆく。ダニエルはその後、同じくイスタンブールを目指す男イザ(マフメット・クルトゥルス)と出会い、トルコの国境までたどり着く。二人にはそれぞれボスボラスでのデートの約束があったが、ダニエルはパスポート、イザは車のトランクに隠した荷物に問題があり、国境を通過するのが難しそうだった。