解説
「赤い文化住宅の初子」などの女性映画で知られるタナダユキ監督が、「フラガール」の蒼井優を主演に迎えて製作したロードムービー。アルバイトでお金を稼ぎ、100万円貯まるごとに転居を繰り返しつつ、自分の生き方を見つけ出していく20代女性の姿を描く。蒼井優が、不器用ながら一歩一歩成長していく主人公・鈴子を好演。
ユーザーレビュー
「百万円と苦虫女」のストーリー
短大を卒業後、就職に失敗した21歳の佐藤鈴子(蒼井優)。仕方なくウェイトレスのアルバイトを続けていた彼女は、友人からルームシェアを持ちかけられる。話に乗ったものの、事件に巻き込まれて警察の厄介に。家族の非難を受けた鈴子は“百万円貯まったら出て行きます!”と宣言。新聞配達にビル清掃、苦情受付係などを掛け持ちして働く。やがて百万円の貯金を達成して家を出た鈴子は、海辺の街に辿り着く。アルバイトを始めた海の家ではかき氷の腕を褒められ、ユウキ(竹財輝之助)というサーファーの青年に何かと声を掛けられる。だが、貯金が百万円になると次の土地を目指して出て行く。山間の村へ辿り着いた鈴子。喫茶店店主(笹野高史)が彼女に桃畑農家の住み込みのバイトを世話してくれる。デリカシーはないが優しい春夫(ピエール瀧)と、その母親の温かい老婆(佐々木すみ江)との田舎暮らし。楽しい日々だったが、村おこしのための“桃娘”役を断ったことで、村にいづらくなる。次に訪れたのは、東京から特急電車で1時間ほどの地方都市。ホームセンターでアルバイトを始めた鈴子は、先輩店員の中島亮平(森山未來)にお茶に誘われる。彼を信頼し、刑事告訴されたこと、百万円貯めては転々としていることなどを明かす。そんな彼女に中島は“好きです”と告白、2人の幸せな日々が始まる。だが、中島は鈴子の貯金が百万円に近づくと、金の無心をするようになる。中島に別れを告げた夜、いじめられっ子だった弟の拓也から手紙が届く。そこには、いじめっ子に反撃したことなどが書かれていた。拓也の言葉に感きわまった鈴子は、ひとしきり泣いてから、今までの自分を振り返り、これからの決意を綴る。次の街へ行くために駅へと向かう鈴子。そのあとを中島が自転車で追いかけていることは知らない。駅へ続く階段を登った鈴子は、今まで過ごした街を振り返り、改札に向かって力強く歩き始める。
「百万円と苦虫女」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「百万円と苦虫女」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2008 |
公開年月日 | 2008年7月19日 |
上映時間 | 121分 |
製作会社 | 「百万円と苦虫女」製作委員会(日活=ポニーキャニオン=イトーカンパニー=WOWOW=電通=幻冬舎=エキスプレス) |
配給 | 日活 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | ドルビーSRD |
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