「バーダー・マインホフ 理想の果てに」のストーリー
1967年6月、ドイツ・西ベルリンで起こったイラン国王夫妻の訪問に抗議するデモ隊と警察隊の衝突で、1人の学生が射殺される。左翼系ジャーナリストのウルリケ・マインホフ(マルティナ・ゲデック)はその事件をきっかけに、学生運動に興味を抱く。68年4月、自称ジャーナリストのアンドレアス・バーダー(モーリッツ・ブライブトロイ)と学生グドルン・エンスリン(ヨハンナ・ヴォカレク)がベトナム反戦を掲げデパートに放火、逮捕される。さらに無政府主義者ルディ・ドゥチュケ(セバスティアン・ブロンベルグ)への銃撃や殺人未遂事件をきっかけに、都市部で市街戦が勃発する。69年6月、バーダーとエンスリンは控訴審判決まで釈放され、弁護士ホルスト・マーラー(ズィモン・リヒト)の手引きでイタリアに身を隠す。70年4月、バーダーは密かにベルリンに戻り逮捕される。そのころマインホフは、“ファシスト国家の暴力には暴力で応じるしかない”と語るエンスリンに畏敬の念を抱く。マインホフは武装グループを手引きし、取材として面会したバーダーを脱走させる。こうしてマインホフは活動家としての道を歩み出す。5月、メディアから“バーダー・マインホフ”グループと呼ばれていた彼らは、正式にドイツ赤軍(RAF)を立ち上げる。ドイツ赤軍はヨルダン・ファタハで戦闘訓練を受け、銀行強盗、駐留アメリカ軍や右派出版社への攻撃などのテロ事件を引き起こす。ドイツ連邦警察のホルスト・ヘロルド(ブルーノ・ガンツ)はグループを追跡し、72年6月にリーダー格3人と多数のメンバーを逮捕する。ペトラ・シェルム(アレクサンドラ・マリア・ララ)、ブリギッテ・モーンハウプト(ナディア・ウール)ら新メンバーはさらなるテロ活動を行うが、活動方針を巡り組織内の緊張を高めていく。76年5月、マインホフが獄中自殺する。77年9月、ドイツ赤軍は実業家シュライヤーを誘拐し、10月、パレスチナ解放戦線と共にルフトハンザ機をハイジャックする。