解説
1930年代の暗黒街のメッカ、シカゴでは血を血で洗うギャング戦争が日常茶飯事のごとく起こっていたが、一方その道のエリートと自認する連中のあいだでは、血なまぐさい暴力沙汰を軽蔑し、頭脳で相手を出し抜くことを粋とする風潮があった。これは、そのコンマンと呼ばれる詐欺師の物語。製作総指揮はリチャード・D・ザナックとデイヴィッド・ブラウン、製作はトニー・ビル、マイケル・フィリップスとその妻ジュリア・フィリップス、監督はジョージ・ロイ・ヒル、脚本はデイヴィッド・ウォード、撮影はロバート・サーティース、美術はヘンリー・バムステッドとジェームス・ペイン、編曲はマーヴィン・ハムリッシュ、ピアノ演奏はスコット・ジョプリン、編集はウィリアム・レイノルズが各々担当。出演はポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・シヨウ、チャールズ・ダーニング、レイ・ウォルストン、アイリーン・ブレナン、ハロルド・グールド、ジョン・ヘファーナン、ダナ・エルカー、ジャック・キホーなど。
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「スティング」のストーリー
<下ごしらえ> 1936年。シカゴに近いジョリエットの下町で道路師と呼ばれる詐欺師3人が通りがかりの男から金を奪った。これがこの物語の事件の発端である。数日後、主謀者のルーサーが死体となって見つかった。仕掛けた男はニューヨークの大親分ロネガンの手下で、賭博の上がりをシカゴに届ける途中、3人組に金を奪われた男だった。大組織に手を出した当然のむくいとしてルーサーは消されたのだが、組織の手は一味の1人フッカー(ロバート・レッドフォード)にものびていた。ルーサーの復讐を誓ってフッカーはシカゴのゴンドルフを訪ねた。だが頼みとするドンドルフは、ギャング同志の争いでFBIから追われ、今では売春宿に幸うじて身を隠している有り様だった。しかし、親友の死を知ったゴンドルフ(ポール・ニューマン)は、相手がロネガン(ロバート・ショウ)と聞き目を輝かせた。 <シナリオ> その日から2人は、ロネガンの身辺を洗い、彼がポーカーと競馬に眼がないこと、近くシカゴを訪れることなどを調べ上げた。ゴンドルフは急ぎ昔の仲間を集め、シカゴの下町にインチキノミ屋を構えた。 <ひっかけ> シカゴに向かう列車の車中で、ロネガンはいつもポーカー賭博をやると聞いたゴンドルフは、その仲間入りをし、いかさまでロネガンを大きくへこませた。しかも、ロネガンのサイフはゴンドルフの情婦にスリ取られていたために負け金を払うことも出来ない始末だった。 <吊り店> 翌日、ロネガンの宿にゴンドルフの勝金を取りにきたフッカーは、ゴンドルフのポーカーがイカサマであることを告げ、頭にきたロネガンに負け金の何十倍も稼げる話を持ち込んだ。それによると、ゴンドルフの経営するノミ屋に電送されてくる競馬の中継は、電報局の局長を組んで2分程遅らせて放送しているので、実際にはすでにゴールしている馬券を買えるから、ゴンドルフを破産させるのは訳がないをいうのだ。その代償として、ゴンドルフの縄張りを自分にくれというのがフッカーの条件だった。 <しめ出し> だが、彼らの活発な動きはFBIの目にとまり始めていた。フッカーを追うスナイダー(チャールズ・ダーニング)という悪徳警官もうろついている。ロネガンはフッカーの持ち込んだ話が信用できるのかどうか、あらゆる手を打ってフッカーをためしていた。そしてついに、50万ドルの大金を注ぎ込むことにしたロネガンは、自らノミ屋に出向いた。 <最後にぐっさり> ロネガンが50万ドル注ぎ込んだレースが始まった瞬間、ノミ屋にFBIが踏み込んできた。ゴンドルフは自分を裏切ったフッカーを射殺し、そして自らもFBIの銃弾に倒れた。店内は蜂の巣をつついたような大騒ぎになり、ロネガンはFBIに連行された。だがこれは、FBIまでふくめたすべてがゴンドルフの書いた筋書きだったのだ。こうしてゴンドルフとフッカーは見事ロネガンを再起不能な状態に陥れた。
「スティング」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「スティング」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | コメディ サスペンス・ミステリー |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1973 |
公開年月日 | 1974年6月15日 |
上映時間 | 129分 |
製作会社 | ビル/フィリップス・プロ作品 |
配給 | ユニヴァーサル映画=CIC |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | モノラル |
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