チャップリンの独裁者

ちゃっぷりんのどくさいしゃ The Great Dictator
上映日
1960年10月22日

製作国
アメリカ

制作年
1940
上映時間
126分

レーティング
一般映画
ジャンル
コメディ ドラマ

check解説

チャールズ・チャップリンの3大名作の1つといわれる「偉大なる独裁者」(原題)がついに日本で公開される。1940年、ヒットラーのナチスがドイツで、ムッソリーニのファシストがイタリアで、それぞれ独裁をなしとげ、その黒い手を世界にのばし始めた頃、そのファシスト独裁者を痛烈に批判し、全世界の人々に自由のために闘うことを呼びかけようと作られたのが、この作品であった。またチャップリンが始めて完全なトーキーを使った作品であり、山高帽・ドタ靴・ステッキ・アヒル歩きのチャップリン・スタイルの最後の作品である。例によって、製作・脚本・台詞・監督・主演はチャップリン自身。撮影はカール・ストラッスとローランド・トセロー。音楽監督はメレディス・ウィルソン。出演はチャップリンがトメニアの独裁者ヒンケルとユダヤ人の床屋との2役に扮するが、バクテリアの独裁者ナパロニにジャック・オーキー、ユダヤ人の美少女ハンナにポーレット・ゴダードが扮しし、そのほか、レジナルド・ガーディナー、ヘンリー・ダニエル、ビリー・ギルバートらの出演。チャップリンの永年の共演者チェスター・コンクリも姿を見せる。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
  • 【DVD】チャップリン メモリアル・エディション DVD-BOXⅢ

  • 【BD】独裁者

  • 【DVD】独裁者 (2枚組)

  • 【DVD】独裁者 コレクターズ・エディション

TVで観る

この作品のレビュー

ユーザーレビュー

「チャップリンの独裁者」のストーリー

1918年――第1次世界大戦の末期、トメニア軍陣地では1兵卒であるユダヤ人の床屋(チャーリー・チャップリン)が奮戦していた。しかし、敗色は濃く、前線では敗退がつづき、上層部ではひそかに平和交渉が始められていた。何も知らぬ将兵は勝利を信じて戦った。トメニア軍の空軍将校シュルツ(レジナルド・ガーディナー)は敵に包囲され、危ないところを床屋に救われた。傷ついたシュルツを助けて2人はトメニアに命からがら逃げかえったが、その時すでに戦争には負けていた。床屋は戦傷のためすべての記憶を失い病院に収容された。数年の年月が流れ、トメニアに政変が起こった。その結果ヒンケル(チャーリー・チャップリン)という独裁者が現われ、国民の熱狂的な歓迎を受けた。彼はアーリアン民族の世界制覇を夢み、他民族ことにユダヤ人の迫害を行った。ユダヤ人街のジャッケル(モーリス・モスコヴィッチ)の家族やハンナ(ポーレット・ゴダート)らは、不安な毎日を送っていた。床屋は政変のあったのも知らず、このユダヤ人街の自分の店に戻って来ていた。突撃隊の隊員はユダヤ人街に来ては乱暴した。ハンナはくやしがった。臆病者の床屋も彼女と協力して彼等に抵抗した。ある時、突撃隊に逮捕されかかった床屋を、通りかかった今は突撃隊指揮官になったシュルツが救った。おかげでユダヤ人街にも平和な日々が戻った。ヒンケルは自分の独裁政治をかくすため、国民の関心を外に向けようとオスタリッチ進駐を考え、軍資金をユダヤ人財閥に借款を申し入れたが拒絶された。ユダヤ人迫害が再開された。シュルツはヒンケルの政策の非を進言し、そのせいで失脚した。彼はジャッケルの家に隠れていたが、突撃隊に発見され床屋とともに逮捕された。床屋を慕うハンナは身の危険をさけるためジャッケル氏らとオスタリッチに逃げた。独裁者ナパロニ(ジャック・オーキー)指揮のバクテリア軍もオスタリッチに侵入した。ヒンケルはバクテリア軍を撤退させようと、ナパロニを招き、お互いにオスタリッチの主権を尊重する誓約書に署名させ、撤退に成功した。そのスキに自軍進駐の準備をした。床屋とシュルツは軍服を盗んで収容所を脱出した。国境で進駐準備の軍隊がヒンケルと間違え、進軍を開始した。その頃、ヒンケルは鴨狩中を床屋と間違えられ、警備兵に逮捕された。数万のヒンケル軍はオスタリッチに到着、床屋は演説をしなければならなくなった。壇上に立った床屋は狼狽したが、気持ちを落着けて話しはじめた。“独裁者の奴隷になるな!民主主義を守れ!”彼の声はしだいに熱をおび自由と平和を守ろうと叫んだ。それはオスタリッチのハンナたちにも語りかけているようだった。

「チャップリンの独裁者」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「チャップリンの独裁者」のスペック

基本情報
ジャンル コメディ ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1940
公開年月日 1960年10月22日
上映時間 126分
製作会社 ユナイテッド・アーチスツ映画
配給 東和
レイティング 一般映画
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
カラー/サイズ モノクロ/スタンダード
音量 モノラル

関連するキネマ旬報の記事

関連記事一覧
2020年7月下旬号 読者の映画評 「グレート・ウォー」吉田伴内/「チャップリンの独裁者」原田隆司/「よこがお」関根和俊
2011年1月上旬号 午前十時の映画祭 「ライムライト」「チャップリンの独裁者」「フォロー・ミー」
1973年9月上旬号 グラビア 「チャップリンの独裁者」
特別対談 「チャップリンの独裁者」研究1 「チャップリンの独裁者」について語ろう! 淀川長治×斎藤耕一
分析研究 チャップリンの独裁者
特別対談 「チャップリンの独裁者」研究2 民衆的な政治人間としてのチャップリン
1960年9月下旬号 新作グラビア チャップリンの独裁者
1960年10月上旬秋の特別号 外国映画紹介 チャップリンの独裁者
シナリオ チャップリンの独裁者
1960年11月下旬号 外国映画批評 チャップリンの独裁者
1960年12月下旬号 「チャップリンの独裁者」ヒットの要因 各界アンケート

今日は映画何の日?

注目記事