解説
「東京家族」の出演者8人が再結集し“新たなる一家”の物語を紡ぎ出す山田洋次監督作。結婚50年を迎えようとする周造と富子。そんな二人に持ち上がった離婚騒動を契機に開かれた家族会議で子供たちの不満が噴出、さらなる騒動が巻き起こる。橋爪功と吉行和子が離婚危機に瀕する熟年夫婦を演じ、長男夫婦に西村雅彦と夏川結衣、長女夫婦に中嶋朋子と林家正蔵、次男カップルに妻夫木聡と蒼井優が扮する。「男はつらいよ」シリーズ終了から約20年ぶりに手掛けた山田洋次の喜劇作品。
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この作品のレビュー
映画専門家レビュー
「家族はつらいよ」のストーリー
初秋。東京の郊外で暮らす三世代同居の平田一家の主・周造(橋爪功)は、モーレツサラリーマンだった時期を終えて今はすっかり隠居生活を送っている。今日も仲間とゴルフを楽しんだ後、美人女将・かよ(風吹ジュン)がいる小料理屋で散々女房の悪口を言って盛り上がり上機嫌で帰宅。長男・幸之助(西村雅彦)の嫁・史枝(夏川結衣)は酔っぱらっている周造に気を遣いながらも義父の苦言に笑顔で付き合う。妻の富子(吉行和子)もまたそんな夫を優しく迎え、寝室で脱ぎ捨てる服を拾い歩きながら着替えを手伝うのだった。周造はいつものように靴下を脱ぎ捨てながら、ふと寝室に飾られたバラの花瓶を見て「その花どうした」と尋ねる。なんでも誕生日に花をプレゼントする事は仲間の決まりで、今日は私の誕生日なのだと富子は言う。すっかり忘れていた周造だったが、たまには妻に誕生日プレゼントでもしてやろうかと欲しいものを聞いてみると、富子が机から持ち出してきたのはまさかの離婚届であった。突然の宣告を受け唖然と凍りつく周造。一方、富子はそんなことはお構いなしに冷静に部屋を出ていってしまう。こうして、平田家の“離婚騒動”は幕を開けた……。10月26日、秋晴れの日曜日。周造と富子、幸之助と史枝、長女・成子(中嶋朋子)と夫・泰蔵(林家正蔵)が集まっている。件の離婚問題について議論しようとしたとき、今日が家族会議だと聞かされていなかった次男の庄太(妻夫木聡)が恋人を紹介するため憲子(蒼井優)を連れてくる。なかなか本題に入れない一同だったが、ようやく憲子を交えた8人で家族会議が始まった。だが幸之助と成子が口論を始め、ついには史枝、庄太、泰蔵まで巻き込まれ、会議は思わぬ方向に進んでしまう。やがて長年抱え続けた富子の思いがけない本音が暴露されると、事態は更に思いも寄らぬ局面を迎えるのだった……。
「家族はつらいよ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「家族はつらいよ」のスペック
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