解説
人生に向き合えない落語家や神話の国・宮崎に伝わる信仰を守る女性らの人間模様を綴る群像劇。噺家の三語郎は自堕落な日々を過ごし、落語から目を背けている。手を出した女に痛い目に遭った彼は、苛立ちを恋人の真海にぶつけ、深く傷ついた彼女は姿を消す。監督はCMディレクターを経て映像作家・写真家として活動する壱岐紀仁。長編初監督作品である本作は、第39回モントリオール世界映画祭ファーストフィルム・ワールドコンペティション部門に正式出品された。作中、入船亭扇遊が人情噺『替り目』を披露。また、宮崎県新富町の新田神社に伝わる新田神楽も登場する。2016年10月15日より宮崎キネマ館にて先行上映。
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この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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評論家上野昻志大事なことがありながら、目先の楽なことに逃げる。誰にでも多少はある人間の弱さだが、この男は、肝腎の落語はおろそかにして、酒に逃げ、女に逃げる。まったくしょうもな... もっと見る
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映画評論家上島春彦私は一時期ずっとカセットテープで落語の「替り目」を聞いていた。志ん生バージョンである。この映画もそれを基にしているようだ。また「ファット・シティ」を思わせる話の... もっと見る
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映画評論家モルモット吉田ちゃんと正面からクズを描いている。控え気味でも過剰になっても嘘くさくなって監督の人間を視る目が露呈するというのに、彼女に優しくされるほどに露悪ぶってサディスティ... もっと見る
「ねぼけ」のストーリー
噺家の三語郎(友部康志)は落語と向き合えず、稼ぎもないのに酒や女に逃げ、自堕落な日々を過ごしていた。ささやかな幸せを願う恋人の真海(村上真希)とも互いに気持ちがすれ違ってばかりで、なかなか結婚に踏み切れない。点雲師匠(入船亭扇遊)はうだつのあがらない弟子にしっかりしてもらいたい一心で叱咤。三語郎はそんな師匠の気持ちを知りつつもやはり逃げまくり、ついには弟分・小万亀(秋山勇次)の恋人である砂織(大竹佳那)に手を出す始末。しかし心に深い闇を持つ砂織に翻弄され、泥沼に。苛立ちを募らせた三語郎はついカッとなって真海を傷つけ、真海は悲しみのあまり我を失い姿を消してしまう。彼女を失ってはじめてその存在の大切さに気付いた三語郎は、覚悟を決め彼女の故郷へ。そして神話の海辺に向かった彼は、彼女の秘められた過去を知る。
「ねぼけ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ねぼけ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2016 |
公開年月日 | 2016年12月17日 |
上映時間 | 111分 |
配給 | 映画「ねぼけ」製作委員会 |
レイティング | |
カラー/サイズ | カラー |
公式サイト | http://neboke.info/ |
コピーライト | (C)壱岐紀仁/映画「ねぼけ」製作委員会 |
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