解説
オダギリジョーによる長編初監督作。橋の建設が進む山村。川岸の小屋に住み船頭を続けるトイチは、村人の源三が遊びに来るとき以外は黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送っていた。そんなある日、トイチの前にひとりの少女が現れ、トイチの人生は大きく狂い始めてゆく。トイチを演じるのは「石内尋常高等小学校花は散れども」以来、11年ぶりの主演となる柄本明。共演は「銃」の村上虹郎、「望郷」の川島鈴遥。撮影監督を「宵闇真珠」のクリストファー・ドイル、衣装デザインを「乱」のワダエミが担当する。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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「ある船頭の話」のストーリー
美しい緑豊かな山村。船頭のトイチ(柄本明)は、川辺の質素な小屋に一人で住み、村と町を繋ぐための河の渡しを生業にしている。様々な事情を持つ人たちが渡し舟に乗ってくる日々。トイチを慕う村人の源三(村上虹郎)が遊びに来るとき以外、黙々と舟を漕ぐトイチは慎ましく静かな生活を送っていた。だがこんな山奥の村にも、文明開化の波が押し寄せてくる。川上では煉瓦造りの大きな橋が建設され、村人たちは、橋さえできれば村と町の行き来は容易になると完成を心待ちにしているがトイチは内心、複雑な思いでその様子を見守っていた。そんなある日、トイチの舟に何かがぶつかる。流れて来たのは一人の少女(川島鈴遥)だった。トイチは少しの間その子の様子を見てやることにするが、それと同じ頃、トイチは渡し舟の客から奇妙な惨殺事件の噂を耳にする。少女の存在はトイチの孤独を埋めていくが、その一方でトイチの人生を大きく狂わせ始める……。
「ある船頭の話」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ある船頭の話」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2019 |
公開年月日 | 2019年9月13日 |
上映時間 | 137分 |
製作会社 | (制作プロダクション:RIKIプロジェクト) |
配給 | キノフィルムズ/木下グループ |
レイティング | PG-12 |
公式サイト | http://aru-sendou.jp/ |
コピーライト | (C)2019「ある船頭の話」製作委員会 |
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