イン・ザ・ハイツの映画専門家レビュー一覧
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映画・音楽ジャーナリスト
宇野維正
オフブロードウェイでの初演から16年を経て、(いくつかの脚色は加えられてはいるが)政治的にもますますアクチュアリティを増しているリン=マニュエル・ミランダの作劇の素晴らしさだけでなく、「クレイジー・リッチ!」では保留せざるを得なかったジョン・M・チュウの演出手腕にも唸らされた。舞台に対する明確なアドバンテージであるロケーションの力を最大限活かした、ミュージカル映画の「不自然さ」を逆手にとった非現実的なギミックの数々に素直に大興奮。
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ライター
石村加奈
移民の街、ワシントン・ハイツを舞台にした、傑作ミュージカルの映画化だけあって、歌とダンスのシーンが素晴らしい。中でも、プールでの〈96,000〉のパフォーマンスと、ニーナ&ベニーのファンタスティックな壁ダンスが印象的。ハイツのゴッドマザー・アブエラ(手袋のエピソードがさりげなくて素敵)や、ハイツのチアリーダー(言い得て妙!)ことダニエラ、年配女性陣の存在感が圧倒的すぎて、主人公ウスナビのキャラクターが、弱まってしまった感も。恰好いいのだけれど。
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映像ディレクター/映画監督
佐々木誠
個人的に、特にミュージカルは登場人物のリアリティを求めてしまう。急に心情を歌い出す、その違和感を超えるには背景への十分な理解が不可欠だ。本作のNYで生活する移民達は、「どこで、どう生きるか」ということと常に対峙しているが、この一年半、それを考えてきた多くの人にその姿は突き刺さるだろう。終盤の夕焼けのジョージ・ワシントン橋を背景にしたダンスシーンが秀逸、「世界中がアイ・ラヴ・ユー」のセーヌ河岸での幻想的なダンスと同様、今後何度も観たくなると思う。
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