ジェクシー! スマホを変えただけなのにの映画専門家レビュー一覧

ジェクシー! スマホを変えただけなのに

「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」の原案・脚本を手掛けたジョン・ルーカス&スコット・ムーアが監督したコメディ。恋人も友だちもいない青年フィルの人生は、スマホのライフコーチ機能“ジェクシー”のおかげで変わり始めるが……。主演は「マイ・インターン」などで活躍する人気コメディアン、アダム・ディヴァイン。ジェクシーの声を「15年後のラブソング」のローズ・バーンが演じている。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    コメディ版「her/世界でひとつの彼女」のような作品かと思いきや、AIとのやりとりは一本調子で、うだつの上がらないライターが無理めのガールフレンドを射止める話が本筋。人気ラッパーご本人登場シーン(リル・ヨッティ→キッド・カディ)も含めて、同時期に製作されていた傑作「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」との共通点が多すぎる。で、そうなると自分の行動を台詞でいちいち説明する主人公の描写を筆頭に、どうしても本作の演出の野暮ったさが目立つ。

  • ライター

    石村加奈

    脚本、監督が「ハングオーバー!」シリーズ第一作を手がけた脚本家コンビゆえに、自ずと期待は高まる。持ち主の生活向上を目的とするスマホ・ジェクシーに翻弄されっぱなしの、意識高い系オタク・フィルのチャームとは、演じるアダム・ディヴァインのそれとあいまって、好きな女の子からの恰好の打ち明け話「本当の幸せを探しているの……」を聞いたところで、調子良く「僕が見つけてあげるよ!」等とは出しゃばらず、個を尊重する謙虚さだと信じていたので、この大団円にはちと不満。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    日々、世界中で増えているスマホ依存者をシニカルに描いたラブコメなのだが、どうもラブと笑い、皮肉な視点が微妙にかみ合っていない。主人公の職業がネットニュースのライターということで、序盤の“配信記事作成あるある”なんかはニヤリとするが、スマホ内蔵のAIアシスタントが自我を持ち、彼の恋愛に嫉妬して暴走する展開は、そもそもの設定が曖昧なのでいまいち入り込めず。「デイズ・オブ・サンダー」ネタは嫌いじゃなかったが、ちょっとしつこかったかな……。

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