ローグの映画専門家レビュー一覧
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映画・音楽ジャーナリスト
宇野維正
あたかもシリーズ作品かのようにキャラクターの背景説明や状況描写もないまま、冒頭から30分近く延々とのっぺりとしたアクションシーンが続くのを呆然と眺めながら、もしかしたら新しいストーリーテリングにチャレンジしているのかもと好意的に解釈しようとも思ったのだが、M・J・バセット、どうやらただの天然だ。エンディング・クレジットで取ってつけたような問題提起がされるのだが、それが専門書や専門家の言葉の引用ではなく、監督本人の文章なのにもずっこけた。
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ライター
石村加奈
ミーガン・フォックス扮するサムの敵が、アフリカのテロリストなのか、ライオンなのか? はたまた世の男性なのか? 判然とせぬまま、固唾を飲みつつ、迫力のアクションを見守っていたが、冒頭のシークエンスまできっちり回収して後味スッキリ。M・J・バセット監督の目的は、密猟者の拠点となる、ライオンの繁殖場に対する問題提起だったようだが、雌ライオンを筆頭に、サム、人質の学生アシリアとテッサ、群れない女たちの強さが、監督の思いを観客に訴えかけるパワーとなった。
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映像ディレクター/映画監督
佐々木誠
東アフリカ、誘拐された知事の娘の奪還に成功した傭兵チームは、犯人グループに追撃され、ある敷地の家に逃げ込むが、そこには……。というプロットに「サイコ」や「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のような後半から違うジャンルに変化するトンデモ作品を期待したが、前半の流れを中途半端に組み込む想定内の展開に。闇夜に浮かび上がる象の群れは美しく神秘的だったが、肝心のライオンはCG丸わかりで迫力に欠けた。ミーガン・フォックスのボスぶりは意外とハマっていた。
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