アイス・ロードの映画専門家レビュー一覧

アイス・ロード

リーアム・ニーソンがトラック運転手に扮したアクション。カナダの鉱山で、作業員26人が地下に閉じ込められる爆発事故が発生。救出装置を運ぶため、腕自慢のトラックドライバー4人が、巨大トラック3台で危険な氷の道“アイス・ロード”を爆走する。共演は「ジョン・ウィック:パラベラム」のローレンス・フィッシュバーン。監督・脚本を担当したのは、「アルマゲドン」の脚本家、ジョナサン・ヘンズリー。
  • 映画評論家

    上島春彦

    はらはらさせてくれるから是非見てほしい。だが物語の整合性が弱く、星は伸びない。色々な趣向を盛り込みたかったのか、トラックをわざわざ3台にしてかえって不合理なことに。車全部を壊さない限り意味がないのに、悪玉がそれに全く気づいていない。途中で企画に変更を加えたのかも。また犯行動機とその手口がどう考えても不条理である。いっそシンプルな落盤事故にした方が楽しめたはずだ。そして勘のいいひとなら悪玉は現れた瞬間に分かる。犯人探しじゃないから許してあげたい。

  • 映画執筆家

    児玉美月

    リーアム・ニーソンがPTSDを患ってしまった死する弟の頬を、極寒のなか手袋を外してそっと触れる瞬間だけは印象に残っているが、そんな繊細なエモーショナルさとは対比的に、ツルツルした氷上で人間たちが繰り広げるアクションはいわば滑稽さのようなものと紙一重でもあり、純粋なスリル感に没入しがたい。のちに明らかとなる黒幕の表層的な人物造形と彼らの陰謀も陳腐であり、映像面とプロット面の両軸で決して上出来とは言えない作品に仕上がってしまっているのではないか。

  • 映画監督

    宮崎大祐

    リーアム・ニーソンがなんだか走ってなんだかジークンドーっぽい技を用いてなんだか事件を解決する近年のシリーズは意外と侮れない力作揃いなので本作にも期待していたところ、事件のきっかけになる場面のCGが初代プレイステーション並みのクオリティーで椅子から転がり落ちそうになった。それでも、クルーゾーやフリードキンに憧れた映画オタクによる、映画作りを楽しみながらも願わくはお客さんも楽しませたいプログラム・ピクチャーなのだと思って観続けたら、若干ほっこり。

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