サンクスギビングの映画専門家レビュー一覧

サンクスギビング

Q・タランティーノとR・ロドリゲスが手掛けた2007年公開の「グラインドハウス」で上映されたイーライ・ロス監督によるフェイク予告編を、ロス監督自身が長編映画化。感謝祭発祥の地で次々と住民たちが殺されるなか、地元の高校生ジェシカたちは、謎のインスタ投稿にタグ付けされたことに気づく。出演は、「魔法にかけられて」のパトリック・デンプシー、ドラマ『ヒーズ・オール・ザット』のアディソン・レイ、ドラマ『ゾンビーズ』シリーズのマイロ・マンハイム。
  • 翻訳者、映画批評

    篠儀直子

    公式サイト等の紹介文を読んで「『料理長(シェフ)殿、ご用心』じゃん!」と思う人が出そうだが(わたしじゃ)あそこまで律儀にメニューをなぞりはしないものの、実際、ホラーというより猟奇風味強めの連続殺人ミステリの感。事件の背景が作りこまれていて、冒頭のパニック描写をしっかりやってるのが効果的で◎。この題材ならもっとユーモアがあったほうがとか、プロットの細部が意外に雑とか、ラストの思わせぶりはもうやめようよとか言いたいことはあるけれど、全体的に楽しい。

  • 編集者/東北芸術工科大学教授

    菅付雅信

    タランティーノ一派のイーライ・ロスが「グラインドハウス」で手がけた存在しないホラー映画の予告篇「感謝祭(Thanksgiving)」を自らの手で長篇映画化。感謝祭発祥の地とされる米マサチューセッツの街を舞台に人々が次々と残酷な手口で殺される。ホラーの名作「スクリーム」「13日の金曜日」などへのオマージュ満載の構成ながらもオタク的でないヌケの良さ。ホラー映画の美学を更新せんという意思がある。これぞ教養としてのホラー映画最新版。

  • 俳優、映画監督、プロデューサー

    杉野希妃

    2007年に制作された映画「グラインドハウス」内のフェイク映画の予告篇から作られたという本作。典型的なスラッシャー映画。インスタの特性を巧みに使った手法には新しさを感じるものの、グロテスクな描写にこだわりすぎて、ストーリーテリングはそっちのけ感あり。肝心の犯人の動機が薄く、その狂気はクライマックスで突如失速し迫力に欠ける。その上、脚本が弱いせいかキャストは誰一人印象に残らず、イーライ・ロス監督が調理したい感謝祭ディナーのただの材料と化している。

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