帰ってきた あぶない刑事の映画専門家レビュー一覧

帰ってきた あぶない刑事

1986年にスタートしたTVドラマ『あぶない刑事』の劇場版が8年ぶりに復活。刑事を引退しニュージーランドで探偵事務所を立ち上げたタカ&ユージ。再び横浜に戻り探偵を始めた彼らの前に、依頼人第一号として現れたのは2人にとって旧知の女性・夏子の娘だった。舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル、ベンガル、長谷部香苗といったお馴染みのメンバーに加え、「マッチング」の土屋太鳳、「孤狼の血 LEVEL2」の西野七瀬が参加。監督はWOWWOWドラマ『ウツボラ』の原廣利。
  • ライター、編集

    岡本敦史

    自分たちが老いぼれたとはまるで思っていない主役コンビの活躍を描くというコンセプト自体は圧倒的に正しい。舘ひろしと柴田恭兵の(言い方はヘンだが)鋼鉄のように軽い芝居も、もはや至芸。問題は周囲のリアクションをどう描くかで、その相対化の欠如は今の娯楽映画とは思えない。旧キャスト陣が振り撒く不自然さを周囲の若手がほとんど指摘しない状態は、政界の忖度を見るかのようで不気味だ。とはいえ若々しさと分かりやすいオマージュで、前作の枯れた味わいとは一線を画した。

  • 映画評論家

    北川れい子

    スタートから約40年。近年このシリーズになると館ひろしも柴田恭平もどこかタガが緩むのか、もうほとんど趣味と遊びで演じているようなノリ。シリーズ初期から二人を見ているこちらも、そんな彼らにいつしか寛大になり、ふざけ合いと、そこだけ真面目(!)なアクションが楽しめれば、わざとらしい設定やムリムリのエピソードも、勝手にどうぞのノリ。若い観客層をまったく意識しない二人の言動も、逆に潔いとも言えなくもないし。ただ演出のキレがいまいちで、途中で何度かイライラ。

  • 映画評論家

    吉田伊知郎

    黒澤満も仙元誠三もいなくなったが、スタッフの世代交代を成功させた理想的一篇。かぶき者タカ&ユージの華麗なる老いが、BL寄りの初老ブロマンスを成立させる。銃を持てない枷を、どう潜り抜けてあぶデカになり得るかを硬軟織り交ぜた趣向で成立させたのも良い。過去のフィルムを自在に挿入してシームレスに繋げた芸当は「男はつらいよ お帰り 寅さん」と双璧。早乙女太一以外の若手は総じて影が薄いが、探偵バディものへのリブートは予想以上にうまくいっており、毎年観たくなる。

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