胸騒ぎの映画専門家レビュー一覧

胸騒ぎ

米スタジオのブラムハウス製作、ジェームズ・マカヴォイ主演でのリメイクが決定した、クリスチャン・タフドルップ監督によるデンマーク製ホラー。休暇中に出会ったオランダ人夫婦の家に招かれたビャアンら家族は、彼らの歓待に居心地の悪さと恐怖を覚え……。2022年第38回サンダンス映画祭ミッドナイト部門でのワールドプレミア上映、2022年第26回富川国際ファンタスティック映画祭最優秀監督賞を受賞、2023年第38回デンマーク・アカデミー賞(ロバート賞)に11部門ノミネートするなど、様々な映画祭で注目された。
  • 文筆業

    奈々村久生

    友達の家で出された手作りのおにぎりを食べられない。あるいは親戚一同で集まったとき、他の一家のルールに触れて驚いたり拒絶反応を示す。そんな経験は誰しも心当たりがあるのではないか。これは家族という最小単位のコミュニティ間で起こる摩擦であり、自分の家が正しくて相手の家が間違っているわけでもないが、それに近い感覚を覚えてしまう。この言語化しづらくどうしようもない違和感を可視化する本作の過激な試みに、その手があったかと思う。他人の家という異文化の空間はかくも恐しい。

  • アダルトビデオ監督

    二村ヒトシ

    外国や田舎で地獄のような目にあうホラー映画はたくさんあるが、これは前半というか3分の2までずっと具体的な恐ろしいことはおきず、ただただ嫌な胸騒ぎと自己嫌悪(しかも主人公の自己嫌悪が観客に伝染する)が延々と続いて、すばらしい。本当に気分が悪く、ラスト近くでやっとホラーになってくれてむしろ安心した。終わりかたがまた絶望的なのだが、この絶望ってきっと聖書についての知識があると、もっと絶望的で、もっと呆然とできるんだろうな。いつか牧師さんの知り合いに訊いてみよう。

  • 映画評論家

    真魚八重子

    こういった生理的な不快感を呼び起こすスリラーも、随分流行が続いている。本作は早くもリメイクが制作中で、かなりどす黒い好奇心を刺激するのだろう。“断り切れない気の弱さ”は、誰しも経験があるだろうし、脚本もその流れをうまく作っている。話が気になって、技術面の注視は忘れるほどだった。ただ、この悪意ある人々の労の取り方は、厭な映画を作ることが目的過ぎて、現実味が乏しく不自然だ。そして動体視力の良い人なら視認できる残酷な幼児虐待カットもあり、嫌悪感を覚える。

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