アレクサンドル・ソクーロフの関連作品 / Related Work

1-35件表示/全35件
  • 独裁者たちのとき

    制作年: 2022
    「太陽」「エルミタージュ幻想」のアレクサンドル・ソクーロフ監督による驚異の映像詩。黄泉の国を思わせる廃墟のなか、第二次世界大戦時に世界を牛耳っていたヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニといった4人の独裁者たちが、天国の門を目指し彷徨う。独裁者たちの姿は、膨大な量のアーカイヴ素材からのみで構築され、すべて彼らの存命中に撮影された実際の映像を使用。また、独裁者たちの語るセリフはいずれも過去の手記や実際の発言の引用である。第35回東京国際映画祭にて『フェアリーテイル』のタイトルで上映。
  • フランコフォニア ルーヴルの記憶

    制作年: 2015
    アレクサンドル・ソクーロフが、第二次世界大戦当時のナチス・ドイツのパリ侵攻を入り口に、ルーヴル美術館が見つめてきた美と戦争の歴史を辿る叙事詩。ルーヴルの館長ジョジャールとナチス将校メッテルニヒは、美術館を守るという使命で結ばれてゆく。撮影は実際にルーヴル美術館内で行われている。出演は「めぐりあう日」のルイ=ド・ドゥ・ラングサン。
    60
  • ファウスト(2012)

    制作年: 2011
    文豪ゲーテの名作を「太陽」のアレクサンドル・ソクーロフ監督が映画化。人生に迷い、生きる意味を探し求めていた学者が、愛を求めて悪魔と契約したことから翻弄されてゆく姿を描く。主演は、アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品「Revanche」にも出演のヨハネス・ツァイラー。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞。
    60
  • ボヴァリー夫人(2009)

    制作年: 2009
    19世紀にフローベールが発表し、風俗紊乱の罪に問われた仏文学の傑作を「チェチェンへ アレクサンドラの旅」のアレクサンドル・ソクーロフが映画化。夫に失望した町医者の妻が、他の男との情事と浪費の果てに破滅してゆく。主演は「La gare de...」のセシル・セルヴダギ。衣装デザインはクリスチャン・ディオール。
  • チェチェンへ アレクサンドラの旅

    制作年: 2007
    昭和天皇を主人公にした「太陽」で話題を呼んだアレクサンダー・ソクーロフ監督が、荒廃したチェチェン共和国のロシア軍駐屯地を舞台に、軍人の孫に会いに来た一人の老女の目を通して戦争の姿を描く。実在の駐屯地でロケを行い、出演者も素人を多数起用して製作された。主演は世界的なソプラノ歌手ガリーナ・ヴィシネフスカヤ。
  • ロストロポーヴィチ 人生の祭典

    制作年: 2006
    20世紀の最も偉大なチェリスト、ムスティフラフ・ロストロポーヴィチ。彼の妻でボリショイ劇場を席巻したソプラノ歌手、ガリーナ・ヴィシネフスカヤ。激動の20世紀を生き抜いてきた二人の、人生を通して紐解かれる人間愛と芸術の歴史を描いたドキュメンタリー。監督は、敗戦前後の昭和天皇の孤独と苦しみを描いた映画「太陽」や、驚異の90分ワンカット映像として話題となった「エルミタージュ幻想」などのアレクサンドル・ソクーロフ。
  • 太陽(2005)

    制作年: 2005
    1945年の8月から翌46年にかけて、昭和天皇が連合軍への降伏を受け入れ、人間宣言に至るまでの心の移ろいを描く異色の伝記ドラマ。監督は「エルミタージュ幻想」のアレクサンドル・ソクーロフ。歴史上の人物を描くという構想の全4部作のうち、ヒトラーの「モレク神」、レーニンの「牡牛座 レーニンの肖像」(日本未公開)に続く第3作目。主演は「トニー滝谷」のイッセー尾形。
  • モーツァルト・レクイエム

    制作年: 2004
    ロシアのサンクトペテルブルクで行われたモーツァルト《レクイエム》の演奏会の模様を記録したドキュメンタリー。監督は「エルミタージュ幻想」のアレクサンドル・ソクーロフ。2012年6月16日より、東京・渋谷ユーロスペースにて開催された「ソクーロフ特集2012 ドキュメンタリー」にて上映。
  • ファザー、サン

    制作年: 2003
    「エルミタージュ幻想」など現代ロシアを代表する監督アレクサンドル・ソクーロフが、「マザー、サン」に続いて発表した人間関係に焦点をあてた三部作のうちの第二作目。2003年カンヌ国際映画祭の国際批評家連盟賞を受賞した。俳優には多くの他作品同様に、素人を起用している。
  • エルミタージュ幻想

    制作年: 2002
    映画史上だれもなし得なかった90分間ワンカット、編集なし、本番一日という条件。しかも世界遺産であるエルミタージュ美術館の内部で撮影された驚異の映画。監督は、現代ロシアを代表するアレクサンドル・ソクーロフ。
  • 牡牛座 レーニンの肖像

    制作年: 2001
    ロシアの鬼才・アレクサンドル・ソクーロフ監督による、20世紀の権力者についての3部作の2作目。監督にとっては最も近しいであろうレーニンの末期に挑戦した問題作。レーニンをレオニード・モズゴヴォイが、その妻をマリーヤ・クズネツォーヴァが演じている。
  • ドルチェ 優しく

    制作年: 1999
    「静かなる一頁」「モレク神」など、現在のロシア映画の最高峰に位置するアレクサンドル・ソクーロフが、「死の棘」の作家・島尾敏雄と妻ミホの揺れる関係を見据えた。ドキュメンタリ-とも劇映画ともつかない野心的な一本。
  • モレク神

    制作年: 1999
    ロシアを代表するアレクサンドル・ソクーロフ監督が、独裁者ヒトラーを主人公に、その肖像を剥ぎ取りひとりの男としてとらえた作品。脱力したスラップスティック・コメディのような演出で、ファシズムの恐怖を描いている。
  • ソルジェニーツィンとの対話

    制作年: 1998
    『収容所群島』『イワン・デニソーヴィチの一日』でノーベル文学賞を受賞したロシアの作家アレクサンドル・ソルジェニーツィンと映画監督アレクサンドル・ソクーロフとの対話を記録したドキュメンタリー。旧ソ連を追放されたことによるアメリカでの亡命生活に始まり文学・宗教・政治など多岐に渡り対話している。監督は「マザー、サン」のアレクサンドル・ソクーロフ。2012年6月16日より、東京・渋谷ユーロスペースにて開催された「ソクーロフ特集2012 ドキュメンタリー」にて上映。
  • サンクト・ペテルブルグ日記 フラット・コージンツェフ

    制作年: 1998
    ロシアの映画監督アレクサンドル・ソクーロフが、「マクシムの青春」「リア王」など戦前戦後連ソ映画界を代表する監督グリゴーリー・コージンツェフを対象にしたドキュメンタリー。2012年8月4日より、東京・渋谷アップリンクにて開催された「映画/千夜、一夜 ―早すぎる、遅すぎる、映画を求めて」にて公開。
  • オリエンタル・ノスタルジー

    制作年: 1997
    「エルミタージュ幻想」以前にアレクサンドル・ソクーロフが日本を舞台に撮ったドキュメンタリー映画。劇場未公開作品。
  • 穏やかな生活

    制作年: 1997
    ロシアを代表するドキュメンタリー映画監督、アレクサンドル・ソクーロフが初めて日本で撮った、“日本の魂”が綴られた作品。彼が感じ取った“日本”を独特の技法を用いて表現、“魂の言葉”を引き出している。尺八の音色が情緒を盛り上げる。【スタッフ&キャスト】監督:アレクサンドル・ソクーロフ 出演:松吉うめの/古川利風
  • マザー、サン

    制作年: 1997
    母と息子、ただ二人の登場人物とシンプルな物語を通して、絵画的な構図の中に普遍的な「愛」を描いた一編。19世紀ドイツロマン主義を代表する画家、カスパー・ダヴィッド・フリードリヒの「海辺の修道士」をモチーフに、「精神の声」のアレクサンドル・ソクーロフが、精密な構図のうちに繊細なハーフトーンの映像を実現。脚本のユーリイ・アラボフ、編集のレーダ・セミョーノワはともに処女作「孤独な声」以来ソクーロフ作品には欠かせないスタッフである。撮影は「精神の声」にも参加したアレクセイ・ヒョードロフが、ビデオ作品「オリエンタル・エレジー」に続いて担当。出演は、母にガドラン・ゲイヤー、息子に「日陽はしづかに発酵し…」のアレクセイ・アナニシノフ。モスクワ国際映画祭でタルコフスキー賞、審査員特別賞、撮影賞、ロシア批評家賞を受賞したほか、ベルリン国際映画祭のパノラマ部門にも正式出品され大きな反響を呼んだ。
  • セレブレートシネマ101

    制作年: 1996
    映画生誕百年、世界で活躍する映画監督が自身の「映画を撮ることの意味」を映像化した短編オムニバス集。監修は宮岡秀行、織田要。参加監督は、マルコ・ベロッキオ、ビクトル・エリセ、ロバート・クレイマー、青山真治、ジョナス・メカス、ロブ・ニルソン、ヒデホ・ウラタ、アレクサンドル・ソクーロフ。Hi-8作品。1996年2月3日広島県シネツインにてプレミア上映。
  • オリエンタル・エレジー

      制作年: 1995
      ドキュメンタリー映画出身で、シュールな映像美を追求して止まないロシアの鬼才、アレクサンドル・ソクーロフ監督。彼が、奈良県明日香村で古風に暮らす老女の生活を綴った作品。ソクーロフを魅了する“穏やかな生活”が静かに力強く描かれている。【スタッフ&キャスト】監督:アレクサンドル・ソクーロフ
    • 精神の声<第1話-第5話>

      制作年: 1995
      旧ソ連のタジキスタン共和国で続く内戦に派兵されたロシア軍の若き兵士たちと生活を分かち合い、その魂の真実に迫る精神的・霊的なドキュメンタリーの試み。「静かなる一頁」「ロシアン・エレジー」など映像による独自の精神世界を切り開いてきた現代ロシア映画の鬼才アレクサンドル・ソクーロフがベータカム・ビデオを駆使して完成させた。映像による瞑想ともいうべき長編映像詩の金字塔。撮影は最初「セカンド・サークル」「ストーン」「ロシアン・エレジー」「静かなる一頁」などソクーロフ作品のほとんどを手掛けてきたアレクサンドル・ブロフが担当したが、途中から若手のアレクセイ・フォードロフに交代した。音楽はモーツァルトのピアノ協奏曲17番、19番、23番とベートーヴェンの交響曲第7番、それにフランス現代音楽の代表的巨匠で92年逝去したオリヴィエ・メシアンの作品から、そして第二部以降は日本の現代音楽最大の巨人で、映画音楽にも大きな足跡を残して先頃急逝した巨匠武満徹の『波の盆』が主要モチーフとして使われている。撮影の対象となったのはタジク=ロシア国境地域に駐屯するモスクワ国境警備隊第11駐屯地の兵士たちで、そのほとんどが撮影後戦死しているという。過酷な戦闘で遺品・遺骨もほとんどなく、唯一の形見として未編集の撮影テープが遺族に贈られた。ナレーションはソクーロフ本人。本作はまず95年ロカルノ映画祭に出品され、同年の山形国際ドキュメンタリー映画祭では特別招待作品としてクロージングに上映されて大きな衝撃を与えた。その後96年ベルリン国際映画祭、ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭でも招待上映、また95年10月にはロシアで全編テレビ放映されている。
    • ロシアン・エレジー

        制作年: 1993
        現代ロシア映画の鬼才アレクサンドル・ソクーロフが製作中のドキュメンタリー連作〈エレジー・シリーズ〉の7本目にあたる作品。本作はサンクト・ペテルスブルグ郊外にあるサナトリウムに入院している末期癌患者を一応の主題としているが、ソクーロフのイメージ映像は患者の内的世界に飛び込み、帝政ロシアの末期の写真や第一次大戦の戦闘の映像、ロシアの自然の光景へと自在に翼を広げ、死を目前に控えた人々と、彼らの住む国の魂を大胆に映像化していく。撮影は「静かなる一頁」「精神の声」まで近年のソクーロフのほぼ全作品を担当しているアレクサンドル・ブーロフ、録音も同じく常連スタッフのウラディミール・ペルソフ、編集はレーダ・セミョーノワ。音楽はP・I・チャイコフスキーの作品から、ピアノソナタ『子供のためのアルバム』のなかの「フランスの古い歌」。映画のなかで使われる帝政ロシア末期の写真はマキシム・ドミートリエフの作品。なお本作は監督の親しい友人で来日時に通訳を務める児島宏子氏に献呈されている。93年山形国際ドキュメンタリー映画祭で絶賛され、審査員特別賞を受賞。
      • 静かなる一頁

        制作年: 1993
        ドフトエフスキーの『罪と罰』をはじめとする19世紀ロシア文学の精神世界をモチーフにした世紀末的雰囲気の漂うドラマ。監督・脚本のアレクサンドル・ソクーロフは、70年代後半から劇映画、ドキュメンタリーを多く手がけていながらことごとく検閲にあい、公開を禁止されていた。87年のペレストロイカ以降やっと彼の作品が人の目に触れるようになり現在では国際的にも注目を集めている。作品に「マリア」「孤独な声」『モスクワ・エレジー』「セカンド・サークル」「ロシアン・エレジー」などがある。撮影はアレクサンドル・ブーロフ。音楽にはグスタフ・マーラーやO・ヌッシオなどの曲が使われている。出演は、主人公の青年にアレクサンドル・チェレドニク、少女にエリザヴェータ・コロリョーヴァ、役人にセルゲイ・バルコフスキー。
      • ストーン/クリミアの亡霊

        制作年: 1992
        現代映画界において特異な位置を占めているロシアの作家アレクサンドル・ソクーロフ監督による文豪チェーホフを仮想の主人公とした作品。その前作である「セカンド・サークル」と次の「静かなる一頁」で三部作をなす。一人の青年がチェーホフと思われる番人に出会い、幻想的な体験をする過程を描くが、三部作に共通して終末的な世界観が提示されている。製作はユーリー・トーロホフ、エグゼクティヴ・プロデューサーはタモラ・モジリニコヴァ、脚本は「日陽はしづかに醗酵し…」及び、『痛ましき無関心』など、文学の映画化作品にも欠かせないユーリー・アラボフ、撮影はソクーロフの初期からほとんどの作品を手がけているアレクサンドル・ブーロフ、編集も同じくソクーロフ・スタッフの一員と言えるレダ・セミョーノワ、美術をウラジミール・ソロヴィヨフ、衣装をリディア・クロコヴァがそれぞれ担当。音楽はピョートル・チャイコフスキーの『エフゲーニ・オネーギン』、W・A・モーツァルトの『ピアノ協奏曲第23番』、また『静かなる一頁』にも聞こえてくるG・マーラーの『亡き子をしのぶ歌』が使用されている。出演は「セカンド・サークル」に続きピョートル・アレクサンドロフ、レニングラード演劇大学を卒業し、映画初出演のレオニード・モズゴヴォイ、また彼らの間を一匹の鶴が彷徨する。
      • レニングラード・レトロスペクティヴ

          制作年: 1990
          ソ連・ロシアの巨匠アレクサンドル・ソクーロフ監督が1957年~1990年に手がけたドキュメンタリーシリーズ。
        • セカンド・サークル

          制作年: 1990
          久しぶりに実家に帰ったひとりの青年が父親の死を突然体験し、葬儀の用意をしながら父の死骸という物質を受けとめていく数日を描いたドラマ。監督はレンフィルム、レニングラード記録映画スタジオをベースに「マリア」「孤独な声」「静かなる一頁」などを手がけているアレクサンドル・ソクーロフ。製作はV・D・シュリーク。撮影はアレクサンドル・ブーロフ、音楽はオリヴィエ・ヌッシオが担当、美術はウラディーミル・ソロヴィヨフ。主人公の青年に扮するのは撮影当時、レニングラード工科大学の学生であったピョートル・アレクサンドロフ。葬儀屋を演じるのは実生活でも葬儀屋であるナデージダ・ロドノヴァ。
        • ソビエト・エレジー

          制作年: 1989
          ソ連・ロシアの巨匠アレクサンドル・ソクーロフ監督が、ある人物へのオマージュを映像化した「エレジー」シリーズの一篇。ロシア共和国初代大統領になる前のエリツィンの姿を追う。1992年に行われた『レンフィルム祭』や2011年の特集上映『フィルム傑作選ソクーロフ』にて上映された。
        • ペテルブルグ・エレジー

          制作年: 1989
          アレクサンドル・ソクーロフ監督のドキュメンタリー。世界的バス歌手ヒョードル・シャリアピン(1873-1938)の家族を描いた。本作はソクーロフの描く家族の肖像である。2008年1月19日より、ユーロスペースにて「ソクーロフと戯れる」という企画で特集上映された。
        • マリア(1988)

            制作年: 1988
            一人の農婦の生活と彼女の死後、彼女の家族の様子を記録した短編ドキュメンタリー。ボリス・エリツィンなど主として有名人を取り上げることになるシリーズの一作目でもあり、また監督アレクサンドル・ソクーロフ自身の処女作にも当たる。監督、脚本は、「孤独な声」「日蝕の日々」「セカンド・サークル」「ロシアン・エレジー」などのアレクサンドル・ソクーロフ。製作はタチアーナ・アレシュキナ。撮影はアレクサンドル・ブーロフ、音楽はミハイル・I・グリンカの『子守歌』、アルフレリート・シュニトケの『納税義務者名簿』、ベラルーシの民族音楽などが使われている。出演しているのは、マリア・セミョーノヴァ・ヴォイノヴァ、その夫イヴァン・クリメンチエヴィチ・ヴォイノヴァ、娘タマーラ・イヴァノヴナ・ヴォイノヴァほか。
          • 日陽はしづかに発酵し…

            制作年: 1988
            中央アジアはトルクメニスタンを舞台に、ロシア的な精神とアジア的な魂の触れ合いを、謎めいた寓話的な物語を雄大にして幻想的な映像で描く映像叙事詩。ロシア映画のみならず現代映画の最先端を開拓していくアレクサンドル・ソクーロフ監督が、78年製作の処女作「孤独な声」以来10年間の公開禁止を解かれたあと最初に製作した長編第5作。“西のアーサー・C・クラーク”と評され、アンドレイ・タルコフスキーが映画化した「ストーカー」などで知られる伝説的なSF作家ストルガツキー兄弟(アルカーディとボリス)の『世界消滅十億年前』(本邦未訳)の映画化。ただし舞台をレニングラードからトルクメニスタンに移すなど、原作は大幅に脚色されている。脚本にはソクーロフの劇映画では常連のユーリー・アラボフ(「セカンド・サークル」「静かなる一頁」)が執筆し、原作者ストルガツキー兄弟、それにピョートル・カドチニコフが協力。製作はタチアナ・ノーモヴァ、撮影は「孤独な声」以来の初期作品をことごとく担当したセルゲイ・ユリズジツキー、カメラ・オペレーターはここ数年のソクーロフ作品をほとんど手掛ける「ロシアン・エレジー」「静かなる一頁」のアレクサンドル・ブーロフ。印象的な航空撮影はA・イルニツスキー。美術はエレーナ・アムシンスカヤ、音響監督はソクーロフの第2作『痛ましき無関心』(日本未公開)以来全作品に参加しているウラディミール・ペルソフ、編集もやはりソクーロフ作品の常連レーダ・セミョーノワがそれぞれ担当。音楽はユーリィ・ハーニンがスコアを書き、シューマン、アルフレード・シニートケ、オッフェンバックなどの作品が使用されている。ソクーロフはプロの俳優は使わないことで知られ、主演のアレクセイ・アナニシノフは本作出演後、青年実業家になったといわれる。ほかにエスカンデル・ウマーロフ、ウラジミール・ザマンスキーらが共演。なお本作は92年レン・フィルム映画祭で「日蝕の日々」のタイトルで初上映された。
          • モスクワ・エレジー

            制作年: 1987
            現代ロシア映画の鬼才アレクサンドル・ソクーロフが手がけるドキュメンタリー連作〈エレジー・シリーズ〉の一作。ソクーロフが上映禁止処分を受けた際に彼を擁護したソ連の映画監督アンドレイ・タルコフスキーへのオマージュを映像化。特集上映『ソクーロフ特集2012』では「モスクワ・エレジー タルコフスキーに捧ぐ」とのタイトルで上映された。
          • エレジー(1986)

            制作年: 1986
            「孤独な声」「静かなる一頁」などで知られる鬼才アレクサンドル・ソクーロフが、ロシアが生んだ世界的オペラ歌手フョードル・シャリアピンにオマージュを捧げた映像詩。1984年、シャリアピンの遺骨がフランスからモスクワの墓地に再埋葬されることになった。シャリアピンの3人の娘が62年ぶりに祖国に帰り、レニングラードの我が家のテーブルを囲む。彼女たちの間で取り交わされる切れ切れの思い出、そして亡きシャリアピンの貴重な映像や、彼が主演したフランス映画「ドン・キホーテ(1933)」の断片を映し出しながら映像は進んでいく。
          • 痛ましき無関心

            制作年: 1983
            「ファウスト」のアレクサンドル・ソクーロフ監督の“第2の処女作”と称されたドラマ。原作はジョージ・バーナード・ショーの「傷心の家」。上映禁止処分を受けたため初公開は1987年となった。(オリジナルは110分)2013年3月16日より、東京・渋谷アップリンクにて開催の「特集上映 ロシアン・カルト」にて上映。
          • 孤独な声

            制作年: 1978
            反体制作家とされていたプラトーノフの『ポトゥダニー河』と『職人の誕生』を原作としたため、長い間オクラ入りにされていたが、ゴルバチョフ新政権下のペレストロイカによって公開され、ようやくソ連の内外で名前が知られるようになったアレクサンドル・ソクーロフ監督の78年のデビュー作。青年と娘とのストイックな愛の生活と鬱積した心理を、労働者の記録フィルムの断片やダークカラーの場面処理で見事に表現し、確かな作家的個性を感じさせる秀作。音楽はK・ペンデレツキイとO・ヌッスィーオとA・ヴルドフの既曲を使用している。87年モスクワ映画祭アンドレイ・タルコフスキー記念特別賞、ロカルノ映画祭銅賞受賞。
          • ヒトラーのためのソナタ

            制作年: 1966
            ナチス・ドイツの独裁者ヒトラーと、そのライバルのソ連の独裁者スターリンの生涯を、記録映像をもとに詩的に構成し、その静謐とした繊細さのなかにその歴史的犯罪とファシズムの恐怖を浮かび上がらせる映像詩。「ロシアン・エレジー」のアレクサンドル・ソクーロフ監督が最初の劇映画長編「孤独な声」に続いて製作した短編。音楽はバッハの無伴奏フルートソナタ、BMV1013。ナレーションや台詞、説明字幕など説明的な要素は一切排し、ただ赤い線と数字が映った黒い画面の枠内に、ヒトラーとスターリン、第二次大戦をめぐる記録映像の数々が投影されていく。
          1-35件表示/全35件