伊嵜充則 イサキミツノリ

  • 出身地:東京都
  • 生年月日:1977年3月17日

略歴 / Brief history

東京都の生まれ。小学2年生の時に劇団ひまわりに所属して芸能界入り。当初は芸名を“伊崎充則”としていたが、現在は本名の“伊嵜”を使用している。1984年のNHK『春の波濤と母』でドラマ初出演。88年のTBS『親子ジグザグ』で主演の長渕剛演じる主人公・勇次の前に突然現れる実の息子・勇を演じて、一躍注目を集める。同年、滝田洋二郎監督「木村家の人びと」88に出演。小銭集めに執着する一家の様子をアイロニーたっぷりに描いたコメディで、家族の在り様に疑問を抱く長男・太郎を好演した。この頃から天才子役として評価を高め、テレビドラマを中心に数々の作品に出演するようになる。中でも、鴨下信一が演出を手がけ、笹山久三の文藝賞受賞作を映像化した初主演作のTBS『四万十川・あつよしの夏』88は、高知県を舞台に少年の成長を瑞々しく描いた佳作だった。90年代に入ると、黒澤明監督の2作品に続けて起用される。まず、監督自身の見た夢を映像化した八篇からなるオムニバス作品「夢」90では、寺尾聰が演じた監督自身の分身たる語り部“私”の少年時代役に抜擢され、第2話の「桃畑」に出演。続いて「八月の狂詩曲(ラプソディー)」91では、夏休みに訪れた長崎の祖母の家で原爆体験について学んでゆく孫のひとり、信次郎役を演じた。名子役として広く認知された伊嵜は、以後もコンスタントにテレビドラマに出演し、TBS『テキ屋の信ちゃん』91~95、NHK『炎(ほむら)立つ』93、『新・半七捕物帳』97、『天うらら』98、フジテレビ『17才』94、テレビ朝日『味いちもんめ』96などで好演。近年も、宮崎駿監督のアニメーション「ハウルの動く城」04での声の出演をはじめ、実際に起きた老婆殺人事件をモチーフにした柳町光男監督「カミュなんて知らない」06、佐々部清監督が広島の原爆をテーマにしたこうの史代の漫画を映画化した「夕凪の街・桜の国」07など、子役時代から変わらない朴訥な雰囲気を生かして、数々の作品で活躍を続けている。テレビドラマはほかに、NHK『もう一度キス』01、『茂七の事件簿・ふしぎ草紙』02・03、『隠密八百八町』11、フジテレビ『春ランマン』02など。

伊嵜充則の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • オレンジ・ランプ

    制作年: 2022
    39歳で若年性アルツハイマー認知症と診断された男性の実話をもとにした夫婦の物語。妻・真央と二人の娘と暮らし、カーディーラーのトップ営業マンとして充実した日々を送る晃一は、認知症と診断される。しかし、ある出会いをきっかけに夫婦の意識が変わる。出演は、ドラマ『ちりとてちん』の貫地谷しほり、「Winny」の和田正人。監督は、「あしたになれば。」の三原光尋。
  • 歩きはじめる言葉たち 漂流ポスト3・11をたずねて

      制作年: 2021
      大切な人を亡くした人々の心の拠り所となっている岩手県陸前高田市の漂流ポスト3・11をめぐるドキュメンタリー。故・佐々部清監督の盟友・升毅が監督のゆかりの地を訪ね、監督が生前映画制作を果たせなかった東日本大震災の被災地で漂流ポスト3・11と出会う。監督は、佐々部清監督の「群青色の、とおり道」「八重子のハミング」に製作として参加した野村展代。漂流ポストの活動に感銘を受け映画化に向け動き出していたものの、諸事情により監督する予定であった佐々部清氏と話し合い一度企画をストップ。佐々部監督のサポートのもと野村監督のメガホンでドキュメンタリー映画として再出発した矢先に、佐々部監督が急逝した。
    • ほうきに願いを

      制作年: 2021
      栃木県鹿沼市を舞台に、江戸時代から伝わる鹿沼ほうきの職人と東日本大震災で避難してきた母娘の交流を描くドラマ。ほうき職人として伝統を守る一方、副業で塾を経営する男性は、宮城から避難してきた母子家庭の娘を支えようと、無料で塾に通わせるが……。出演は「人狼ゲーム デスゲームの運営人」の桃果、「ザ・ファブル」のモロ師岡。
    • 大綱引の恋

      制作年: 2020
      「八重子のハミング」などを手がけた佐々部清監督の遺作となった、薩摩川内市を舞台にしたラブストーリー。35歳にしてまだ独身である鳶職・有馬組の三代目・武志は、駅で倒れた老人の救命措置を一緒に行った韓国人女性研修医のジヒョンと心を通わせるが……。400年以上続く伝統行事で薩摩川内市の三大イベントのひとつである川内大綱引を題材に、家族を軸にした物語の中で男女の愛を描き出していく。主人公の有馬武志を「大コメ騒動」の三浦貴大が、ジヒョンを「どすこい!すけひら」の知英が演じる。また、数々の佐々部監督作品に参加し本作でも武志の父親役として出演する西田聖志郎が、本作の企画・原案を務めている。2020年10月31日より鹿児島先行公開。
    • ニッポニアニッポン フクシマ狂詩曲(ラプソディ)

      制作年: 2019
      「セシウムと少女」の才谷遼監督によるスラップスティック・ミュージカル。3.11から8年、原発最前線の町役場へと出向を命じられた定年間近の楠穀平。町や住人、事故後の現状を目の当たりにするなか、やがて原子力研究所副所長就任を祝う狂乱の大宴会が始まる。出演は「私は絶対許さない」の隆大介、「嘘八白」の寺田農、新人のデコウトミリ、「明日にかける橋 1989年の想い出」の宝田明。トキ・キャラクターデザインを「この世界の片隅に」ののんが担当。ラピュタ阿佐ヶ谷20周年記念作品。
    • ある町の高い煙突

      制作年: 2019
      鉱山の煙害に立ち向かった住民たちの戦いを描いた新田次郎の同名小説を映画化。1910年、茨城県の久慈郡入四間の住人は、銅を生産する日立鉱山の煙害に悩まされていた。地主の家に生まれた関根三郎は、祖父・兵馬の遺言により、煙害と闘うことを決意するが……。出演は「抱きしめたい」の井手麻渡、「ウスケボーイズ」の渡辺大、「海辺のリア」の仲代達矢。監督は「サクラ花 桜花最期の特攻」の松村克弥。2019年6月14日よりユナイテッド・シネマ水戸、シネプレックスつくばにて先行公開。

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