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- 田中美里
略歴 / Brief history
石川県金沢市の生まれ。小学生の頃に数年間、児童劇団に所属して舞台などに出演。私立北陸学院高校卒業後の1996年に、第4回東宝シンデレラコンテストで審査員特別賞を受賞して芸能界に入る。翌97年、美容家・吉行あぐりの実話を基にしたNHK朝の連続テレビ小説『あぐり』のヒロインに抜擢。一家の破産、15歳で嫁ぎ、上京後に美容師として成功する主人公・あぐりを伸びやかに好演して、エランドール賞新人賞を受賞した。その後も『緋が走る』99、『一絃の琴』00、『転がしお銀・父娘あだ討ち江戸日記』03などNHKのドラマでヒロインをつとめ、ほかに日本テレビ『お熱いのがお好き?』98、テレビ朝日『京都始末屋事件ファイル』99、テレビ東京『バースデイ・こちら椿産婦人科』99など、テレビドラマを中心に活躍を続ける。映画は97年の森谷晁育監督「一本の手」に、新米の介護福祉士役で初出演。森田芳光監督「黒い家」99では主人公の恋人が味わう究極の恐怖を華奢な身体で一層際立たせ、続く手塚昌明監督「ゴジラ×メガギラス/G消滅作戦」00では一転、ゴジラ消滅に執念を燃やす戦闘隊員を、慣れないアクションも懸命にこなし熱演した。2001年には、五十嵐匠監督「みすゞ」に主演。26歳の若さで夭折した童謡詩人・金子みすゞの半生を綴る本作で、才能や娘に恵まれながら、自ら死を選ぶ主人公の内面に寄り添いつつも、あえて闇の部分はそのままに留めておくことで、強さと脆さの混在する陰影に富む人物像をスクリーンに刻み、集大成的作品とした。その後も、行定勲監督「世界の中心で、愛をさけぶ」04などの助演を経て、白羽弥仁監督「能登の花ヨメ」08で久々に主演。故郷のご当地映画に東京育ちのヒロイン役を振られるも、婚約者の母に扮した泉ピン子と絆を深めていく姿を丹念に演じた。テレビドラマはほかに、NHK『グッジョブ』07、テレビ朝日『その男、副署長』07~09や、各局の2時間サスペンスなど多数。03年から日本でも一大ブームとなった韓国ドラマ『冬のソナタ』でチェ・ジウの吹き替えを担当し、以来、声優としても活動の場を広げている。舞台出演も多く、清潔感あふれるクラシカルな佇まいが、ジャンルを越えた得難い個性となっている。
田中美里の関連作品 / Related Work
作品情報を見る
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TOKYO, I LOVE YOU
制作年: 2023東京タワー、新宿、お台場という東京の三か所を舞台に、3つの愛の物語が交差するオムニバスドラマ。日本に帰国したばかりのダンサー・リヒトは、脳腫瘍で余命3ヶ月と診断された親友のシモンを救うため、仲間と協力して手術費を工面しようとするが……。出演はドラマ『君の花になる』の山下幸輝、「パラダイス/半島」の松村龍之介。83点 -
フィリピンパブ嬢の社会学
制作年: 2023中島弘象による実体験を綴った同名ノンフィクションを原作に「ママ、ごはんまだ?」の白羽弥仁監督が映画化。パブで偶然出会ったフィリピン人・ミカに詰め寄られ、付き合うことになった大学院生・中島翔太。そんなある日、ミカが偽装結婚をしていることが判明し……。出演は「奇跡(2011)」以来の主演作品となる前田航基、本作でデビューを飾った一宮レイゼル、「PLAN75」のステファニー・アリアン。2023年11月10日より愛知県先行上映。 -
スパイスより愛を込めて。
制作年: 2023ご当地カレー“金沢カレー”などカレー料理店が多いことで知られる石川県金沢を舞台に、カレーをテーマにした青春群像劇。新ウイルス蔓延の影響でスパイスが世界的に不足する中、母のカレーを愛する蓮はスパイスの香りを纏う莉久と共にスパイス不足の謎を追う。監督は、「いのちスケッチ」「恋のしずく」の瀬木直貴。カレーのない世界に絶望する高校生・山本蓮を「光を追いかけて」の中川翼が、ミステリアスな少女・端目莉久を「女子高生に殺されたい」の茅島みずきが演じる。石川県でオールロケされた。2023年第1回横浜国際映画祭にてプレミア上映。 -
それいけ!ゲートボールさくら組
制作年: 2023「愛のコリーダ」「龍三と七人の子分たち」などの藤竜也主演によるスポ根人情コメディ。高校時代、ラグビーで青春を謳歌していた76歳の織田桃次郎。久々に再会した友の窮地を救うため、かつての仲間たちとゲートボールのチームを結成して勝利を目指すのだが……。共演は「つむぐもの」の石倉三郎、「セーラー服と機関銃(1981)」の大門正明、『ウルトラセブン』の森次晃嗣。監督は「紫 MURASAKI 伝説のロック・スピリッツ」の野田孝則。 -
泥の子と狭い家の物語
制作年: 2022ラジオドラマも制作された、オカモト國ヒコ原作による舞台を映画化。様々な問題を抱えながらも平凡に暮らす内田家に、ある日、加賀美と名乗る女が祖母の介護にやって来る。最初は幸せを運んでくる天使のように見えた加賀美だったが、徐々にその正体を見せ始め……。出演は、ガールズポップユニット BREAK TIME GIRLSの織田ひまり、「もみの家」の田中美里、宝塚歌劇団出身の月丘七央。監督は、本作が長編デビューとなる西岡眞博。