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- ユースケ・サンタマリア
略歴 / Brief history
大分県大分市の生まれ。本名・中山裕介。大分東明高校在学中から地元でバンドを組んでいたが、高校卒業後に上京し、1994年、ラテンロックバンド“BINGO BONGO”のヴォーカルとして、アルバム『WILD PITCH』でメジャーデビューする。バンド活動の一方、フジテレビの音楽バラエティ『アジアNビート』、テレビ朝日『VIDEO JAM』などにソロ出演し、その姿がフジテレビの亀山千広プロデューサーの目に留まって、97年の『踊る大捜査線』でキャリア組のお坊ちゃん刑事・真下正義役に抜擢される。翌98年の劇場版「踊る大捜査線 THE MOVIE」で映画初出演も果たし、以後シリーズを重ねていく同作が、俳優として最初で最大の当たり役となった。この98年は、向田邦子賞受賞の野沢尚脚本ドラマ2作にも出演。まずNHK『結婚前夜』では、元婚約者とヨリを戻すも、作家の父親に惹かれるヒロインにも心が動く身勝手な息子を飄々と演じる。フジテレビ『眠れる森』では、群像劇の一角を担う主人公・木村拓哉の親友役を好演。その後も、お調子者の英語教師の成長を妙演した同局『さよなら、小津先生』01、知的障害の青年の急激な変貌ゆえの孤独を演じきった『アルジャーノンに花束を』02などで演技を磨いてゆく。映画は、2003年の黒沢清監督「ドッペルゲンガー」03で、役所広司演じる主人公の人工人体の開発者を翻弄する曲者の助手を怪演して、一躍注目を集める。「踊る大捜査線」からのスピンオフ「交渉人・真下正義」05では、日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。その後も、新しい父親像をミステリアスに体現した呉美保監督「酒井家のしあわせ」06、5人の個性のぶつかり合いの中で確かな存在感を発揮した佐藤祐市監督「キサラギ」07、友情と正義との狭間で葛藤するも自ら落とし前をつける“サダキヨ”役の堤幸彦監督「20世紀少年/第2章・最後の希望」09などで印象を残す。現在も映画、テレビドラマ、舞台、さらにバラエティ番組でも大車輪の活躍。08年のオムニバス「R246 STORY」の一篇「弁当夫婦」で監督業にも進出し、言葉少なに男女の心の機微を描いて好評を得た。
ユースケ・サンタマリアの関連作品 / Related Work
作品情報を見る
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ぼくが生きてる、ふたつの世界
制作年: 2024五十嵐大の自伝的エッセイを呉美保が映画化したヒューマンドラマ。耳のきこえない両親の下で育った五十嵐大。幼い頃から日常的に母の“通訳”をしてきたが、次第に周りから特別視されることに苛立つようになり、20歳になった大は、逃げるように東京へ……。主演は「キングダム 大将軍の帰還」の吉沢亮、主人公の両親役には、ともにろう者俳優として活躍する忍足亜希子、今井彰人が起用されている。90点 -
アキラとあきら
制作年: 2022『半沢直樹』『陸王』などのベストセラー作家・池井戸潤の累計発行部数70万部を突破した同名小説を映画化。対照的な宿命を背負った二人の若者〈アキラ〉と〈あきら〉が、メガバンクを舞台に、情熱と信念で現実に立ち向かう社会派エンターテインメント。小さな町工場の息子・山崎瑛(やまざきあきら)を竹内涼真、大手海運会社の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)を横浜流星が演じる。同じ社長の息子同士でも、家柄も育ちもまったく違う二人が、破産寸前の企業グループの未来と4800人の人生を救うため、奇跡の大逆転劇を巻き起こす。監督は2022年夏、本作と「今夜、世界からこの恋が消えても」「TANG タング」が立て続けに公開され、快進撃が続く三木孝浩。60点 -
ブルーアワーにぶっ飛ばす
制作年: 2019映像クリエイターと作品企画の発掘・育成を目指すTSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016にて審査員特別賞を受賞し製作された人間ドラマ。コンプレックスを抱えるCMディレクターの砂田は、祖母を見舞うため、友人の清浦を連れ立って大嫌いな故郷・茨城に帰る。本作で監督デビューした箱田優子は、第22回上海国際映画祭アジア新人部門にて最優秀監督賞を受賞。自虐的で自信がない砂田を「きばいやんせ! 私」の夏帆が、親友の清浦を「新聞記者」のシム・ウンギョンが演じる。50点 -
劇場版 ONE PIECE STAMPEDE(スタンピード)
制作年: 2019人気アニメ『ONE PIECE』の放送開始20周年を記念した劇場版第14作。世界一の祭典・海賊万博に招かれたルフィたち麦わらの一味は、目玉である“海賊王ロジャーの遺した宝探し”に参加。ところがその裏では、様々な陰謀が張り巡らされていた……。声の出演は『ゲゲゲの鬼太郎』の田中真弓、「あゝ、荒野 前篇/後篇」のユースケ・サンタマリア。90点