エドワード・ズウィック エドワード・ズウィック

  • 出身地:イリノイ州シカゴ
  • 生年月日:1952/10/08

略歴 / Brief history

【ハリウッドを代表する社会派エンタテインメントの担い手】アメリカ、イリノイ州シカゴの生まれ。「マイ・ビッグファット・ウェディング」(02)を監督したジョエル・ズウィックは実兄。ハーバード大学で文学を学ぶ一方、戯曲の執筆や演出を手がけるようになる。卒業後はロックフェラー奨学金を得てヨーロッパの一流劇団で学んだ。1975年にAFIの研究員として迎えられると、76年に製作した短編「Timothy and the Angel」がシカゴ映画祭学生部門でグランプリを受賞。これをきっかけにテレビドラマの脚本・演出に携わり、『Special Bulletin』(83)、『Thirty Something』(87)で2度、エミー賞を受賞した。86年に「きのうの夜は…」で映画監督デビューを果たし、89年の第2作「グローリー」でゴールデングローブ賞の監督賞にノミネートされ注目を集める。南北戦争で誕生し米国初の黒人部隊の運命を描いたこの作品はアカデミー賞6部門にノミネートされ、デンゼル・ワシントンの助演男優賞以下3部門を受賞。その後、大河ロマン「レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い」(95)、黒澤明の「羅生門」にヒントを得た戦場ドラマ「戦火の勇気」(96)などを手がける。一時監督業を休止し、「恋に落ちたシェイクスピア」(98)や「トラフィック」(00)などでプロデューサーとして活躍するが、2003年に5年ぶりの監督作となる「ラストサムライ」を発表。ハリウッドが正面から日本の武家社会に向き合った作品として大いに注目を集め、日本でも興行収入173億円を挙げる04年のナンバーワンヒットとなった。その後も、アフリカのダイヤモンド採掘をめぐる問題を描いた「ブラッド・ダイヤモンド」(06)、ナチスに抵抗するユダヤ人の苦闘を描いた「ディファイアンス」(08)などを発表している。【史実の再現と劇映画の面白さを両立】ハリウッドらしいエンタテインメント性を保ちつつ、歴史の陰に埋もれた史実にスポットを当てる作品で真価を発揮。中でも戦争における人間のあり方のドラマを好んで描いて、見応えのある作品が多い。しっかりした時代考証にもとづき史実を再現したうえで、劇映画としての面白さも両立させるバランスのよさはズウィックならでは。また、名だたるスターたちがこぞって出演していることも特徴で、ブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンス、メグ・ライアン、ブルース・ウィリス、ダニエル・クレイグなど出演者の名前を挙げるだけでも、ズウィックに対するハリウッドの信頼度が伺える。ゴールデングローブ賞に2度ノミネートされたほかは監督としては賞と無縁だが、ハリウッドを代表する社会派エンタテインメントの担い手として活躍が期待されている。

エドワード・ズウィックの関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • グレートウォール(2016)

    制作年: 2016
    「HERO」のチャン・イーモウ監督が「ジェイソン・ボーン」のマット・デイモンを主演に迎え、万里の長城に秘められた伝説の戦いを活写する歴史アクション。金や名声のため世界を旅する傭兵ウィリアムは、中国で60年に一度現れる謎の怪物と対峙する。2D/3D上映。共演は「ファイヤー・ストーム」のアンディ・ラウ、「ポリス・ストーリー レジェンド」のジン・ティエン、「タイガー・マウンテン 雪原の死闘」のチャン・ハンユー、「ジョン・ウィック」のウィレム・デフォー。
    67
  • ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

    制作年: 2016
    リー・チャイルドの小説を映画化した「アウトロー」の続編で、「ラスト・サムライ」のエドワード・ズウィック監督、トム・クルーズ主演のサスペンス・アクション。元米軍秘密捜査官ジャック・リーチャーは、何者かの陰謀で捕まったターナー少佐の救出に動く。出演は、「アベンジャーズ」のコビー・スマルダース、ドラマ『HEROES』のダニカ・ヤロシュ、ドラマ『プリズン・ブレイク』のロバート・ネッパー。
    75
  • CUT BANK

    制作年: 2014
    偽装殺人事件がいつしか本物の殺人事件に発展していくスリラー。「ハンガー・ゲーム」シリーズのリアム・ヘムズワース主演。【スタッフ&キャスト】監督:マット・シャックマン 脚本:ロベルト・パティーノ 製作:エドワード・ズウィック 撮影:ベン・リチャードソン 出演:リアム・ヘムズワース/テリーサ・パーマー/ジョン・マルコヴィッチ/ビリー・ボブ・ソーントン
    70
  • 完全なるチェックメイト

    制作年: 2014
    トビー・マクワイアが奇人として知られた実在の天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーを演じた伝記ドラマ。冷戦の代理戦争として国の威信がかかる中、アメリカ代表のボビーがソ連の絶対王者に挑んだ世界王者決定戦の模様を描く。最年少でチェスの全米チャンピオンに輝く一方理解に苦しむような言動を見せるボビー・フィッシャーは、当時34年もの間世界王者のタイトルを保持していたチェス最強国・ソ連の選手に挑戦、そこで彼が苦悩の末に出した一手とは……。監督は「ラスト サムライ」「ブラッド・ダイヤモンド」のエドワード・ズウィック。共演は「17歳の肖像」のピーター・サースガード、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」のリーヴ・シュレイバーほか。
    70

今日は映画何の日?

注目記事